草間さかえ先生『真昼の恋』思わぬイチャコラな二人に萌えた

草間さかえ
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こんにちは。

今回は、草間さかえ先生の『真昼の恋』をご紹介します。

2011年の作品で、かなりシンプルな表紙ですが、読んでみると、表紙からの印象よりも楽しい作品でした。しかしさかえ先生の作品らしいというか、お仕事BLなわりには、物語の舞台が町工場なんです。全く都会のキラキラした感じがないところが、さかえ先生らしいというか…… w

作品データ

真昼の恋

草間さかえ Sakae Kusama

刊行年月:2011年01月10日

出版社:心交社(Chocolat comics)

どんな作品?

『小説ショコラ』にて、2006年5月から2010年5月まで不定期連載された5つのエピソードが1冊にまとまったもの。

1話完結スタイルなので、どのお話もハラハラしながらエンディングにはほっこりするのがうれしい1冊。

年下の岡崎(攻め)は町工場の若社長。そんな彼と仕事することになった営業の中川(受け)は、年下には興味がなかったはずが、可愛く近寄ってくる岡崎に、取引先にもかかわらずついつい関係を……。w

この岡崎、可愛らしいのだけど嫉妬深く、かわいらしい被害妄想さえある。表紙からは想像できないドラマチックな展開が楽しめます。

いくら不定期連載とはいえ、4年続いたシリーズがまとまったということで、改めてBLコミックスの難しさを知りました。ほんと、新作が出るのも時間がかかるでしょうし、続編の有無など、難しい問題がありますね。

カップリング

攻め:岡崎一(ハジメ:可愛い年下。父親から町工場を受け継ぎ、仕事をこなす。まひるさん連呼、可愛くてずるい。w)

受け:中川正午(まひる:クールガイだが思い込みが激しいのが面白い。年下の男は嫌いなはずなのに……。)

あらすじ

営業の中川は、ある日とある町工場の担当になった。尊敬する五十嵐課長から仕事をしっかり勉強したいと思っていたのに、担当を変えられたため、課長のもとも離れることに。

ショックを受けていた中川は、この新しい取引先の町工場で新しく社長になった岡崎の無垢な仕事っぷりに頭を抱えつつも、なぜか嫌いだと思っていた年下の男を特別に感じるようになっていく。

距離が近づいた二人だったが、若社長・岡崎は被害妄想と五十嵐課長へ嫉妬心にキーキーし、まひるはさまざまな勝手な思い込みが暴走し、なんだか二人の関係は忙しい。

少しずつ近づいては、仕事や家族の問題が生じる二人の先にはーーー。

草間さかえ先生『真昼の恋』のみどころ

作品の魅力1:年下攻めの被害妄想

まず、攻めとなる年下・岡崎が可愛い。

さかえ先生の先生はかなり読んできましたが、「年下わんこ攻め」という言葉を覚えました w

物語は、中川(まひる)の回想と共に、ゲイバーのシーンから始まります。

やり手の営業マン・中川は、リスペクトする五十嵐課長から新しい取引先を任されます。そしてその取引先の新社長は、自分より年下の岡崎。経営の経験もほとんどなく、父親の町工場を継ぐことになった岡崎だが、妙にうれしそうで、前向き。仕事に対しても、またまひるに対してもニコニコと接します。

そんな岡崎に不安を抱えながらも、まひるは、リスペクトと共に密かに想いを寄せていた五十嵐課長に認めてもらえなかった、リストラ要員になったと、まひるはまひるで勝手な思い込みから落ち込みます。

そして、年下が苦手だと思っていたまひると、妙に前向きな新社長の岡崎は、なぜか体の関係を持ちます。

読み切りの連作なので、どのエピソードもしっかりとオチがあるのだけど、関係が深まった二人のイチャイチャが結構好きです。岡崎は被害妄想がひどく、どことなく自信がない。それなのに、五十嵐課長と中川のことになると、嫉妬心が芽生えます。そこもまた可愛いんです。

さかえ先生のあとがきにもありましたが、この作品から、さかえ先生が得意とする素直なわんこキャラを描き始めたようです。

失礼ですが、この作品は表紙のイラストが淡白に感じて、正直あまり食指が動かなかったのですが、何としてでも先生の作品は出来る限りチェックしたいと手に取ってみると、想像よりも可愛らしい展開で、読み終わったあとは うれしい驚きを感じました。

作品の魅力2:まひるの思い込み

岡崎の被害妄想に負けじと、まひるも思い込みが激しいです。そして勝手に自己嫌悪に陥ったり、ショックを受けたり。それぞれのキャラがさりげなく暴走しております。

岡崎の町工場を担当することになった中川は、急な担当の変更に、自分が慕っている五十嵐課長に認めてもらえなかったと落ち込みます。そんな時、担当の岡崎は妙に明るく前向きで……。そのギャップからか、中川はヤケになり、勢いに任せて自分の性的指向まで岡崎にバラしてしまいます。前向きに突き進む岡崎をうらやましく思ったのでしょうか。

まひると岡崎の関係がスタートしても、まひるの思い込みはいたるところで発揮します。w

特に仕事に関しては、トラブルには発展しないものの、自分の勝手な憶測や思い込みで不安になったり、岡崎の父親を死なせてしまったり(まだ生きているのにw)、とにかく思い込みからすぐに影響を受けるのがまひるです。

だからこそ、この物語は面白さが倍増しています。

十分に二人のいちゃいちゃは楽しめるんですが、二人の心情、仕事、そしてお互いの家族の問題などが二人のイチャイチャを阻めます。

第1話のラストで見せるまひるの五十嵐課長へ対する熱い視線。

五十嵐課長に惚れていたまひるが、自分は苦手だと思っていた年下の男・岡崎に惹かれ、また岡崎の五十嵐課長への嫉妬心もプラスとなり、徐々にまひるの熱い視線の先が岡崎に移り変わっていく過程がとてもいいです。

作品の魅力3:町工場という場所

いわゆるお仕事BLです。ただ、町工場っていうところがさかえ先生らししく感じます。w

冒頭から仕事の描写が始まります。特殊な仕事を扱う漫画では、ある程度作中で専門用語(がもしあれば)の説明や、新しい情報のようなものが得られるのですが、この作品に関しては、テクニカルな状況描写はありますが、説明はありません。読者は状況を汲み取れるのだけど、さらっと読むだけだとわかりにくいんです。どこかミステリアスで、謎解きがあるような……。

挑戦的に感じるのは、たまたま私が町工場という設定に全く馴染みがないだけなのかもしれませんが、こういう挑発的な作品は、個人的に大好きです。また、状況を全て説明する(伏線回収)する作品よりは、余白のある作品の方が考察のし甲斐もあるし、好みです。

この作品は、仕事の描写以外にも、岡崎が中川をちょっぴりストーカーしていたような描写や、まひるの電話越しのキスなど、さりげない描写が散りばめられており、細かな愛らしい表現も楽しめます。

作品の魅力4:すべてのキャラクターたち

描き下ろしも含め全てのキャラたちが愛おしい。

主人公の二人はもちろんのこと、中川の上司である五十嵐課長はしっかりと中川の性的指向も理解していたし、そんな中川と岡崎を正式に引き合わせた五十嵐課長は、前の社長(岡崎の父親)と二人のことで盛り上がったり……。そしてこの岡崎のお父さんは眼鏡男だったり。

仕事のお話が少し理解に時間がかかったため、脇キャラたちはそれほど多くないのも読みやすかった。

さかえ先生らしいキャラではありましたが、全体を通して、やはり今まで読んできた先生の作品と違うテイストに感じました。自然の描写がないからでしょか。それとも仕事設定が特殊だから!?

でも、そこがいいんです。こんなところにBLがっ!と思えるキャラ背景があるので、何気なく暮らしている私たちの日常が(妄想で)楽しくなるんですよ。こういうどこにでもある風景の中のBLこそ、リアリティがあります。

草間さかえ先生『真昼の恋』を今すぐ読む方法

草間さかえ先生『真昼の恋』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。

どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。

コミックシーモア:クーポンが魅力。BLに関しては、修正が少し甘めなものもあります。

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まとめ

今回は、草間さかえ先生の『真昼の恋』をご紹介しました。

2023年に『外村探偵社の招かれざる客』に出会って以来、すっかりファンとなった草間さかえ先生。過去作をゆっくり読んできましたが、それぞれの作品に違ったテイストや設定があり、お話の作り込み方もやはり独創性があります。

BLだけでなく、エッセイや非BLも描かれているので、気になった方、またファンになった方にはぜひ全部網羅してほしいです。

さかえ先生のファンの方、ぜひ感想や私が見逃しているポイントや作品がありましたら、ご教授ください。

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