天禅桃子先生『ブルー・ド・ロワ』5巻:波紋のように広がるブルー

天禅桃子
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こんにちは。

今回は、天禅桃子先生のファンタジー『ブルー・ド・ロワ』最終巻(5巻)をご紹介します。

この作品を手に取ったのは、実は2024年。初めて読んだ時にはそれほどピンとこなかったのですが、再読を繰り返すたびにメッセージや心情の描写がよく見えるようになってきて、今は大好きな作品となった、ちょっと不思議な作品です。

作品データ

ブルー・ド・ロワ 5巻

天禅桃子 Momoko Tenzen

刊行年月:2024年01月08日

出版社:コアマガジン(drap DOMICS DX no. 242)

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どんな作品?

天禅桃子先生の長編ファンタジー。全5巻。

この最終巻(第5巻)は、天禅先生の通算31冊目のコミックス。🥳

タイトルとなっている「ブルー・ド・ロワ」(王様の青)は、18世紀にフランスで使われていた青の一種。日本でいうところのロイヤルブルーでしょうか。

この5巻の表紙の青が、おそらく先生がイメージしているブルー・ド・ロワなのだと思います。

物語は、マナの唯一無二な青い羽、そしていづみの青い瞳など、ブルーでつながっています。

天禅先生の作品は、全てに目を通したわけではありませんが、ここ最近の作品に目を通すと、鮮やかな青がよく使われていて、先生の好きな色の一つなんだろうなと思います。

作中に登場する「ブルー」はきっとどれも違う色なのでしょうが、モノトーンのため、読者が各々想像しながら読むのですが、そんな色の想像も楽しかったです。

いづみとマナのラブストーリーが、悪魔と天使の世界観へとスケールの大きなお話に。隔たりのあった二つの世界は共存できるのか。マナに芽生えた感情、主要メンバーたちの特性なども明らかになり、盛り沢山な最終巻。

それぞれに成長や希望、変化があり、普段ファンタジーを読まない自分でも十二分に堪能できた作品です。

5巻には、雑誌『drap』2023年3, 5, 7, 9, 11月号に掲載された5話、そして書き下ろしのあとがき(イラストつき)が収録されています。

カップリング

攻め:いづみ(ハイブリッドの能力は計り知れず)

受け:マナ(まるで子供のようにいづみを愛するマナの変貌よ……)

5巻のあらすじ

サタンとミカエルは、魔界と天界の長でありながら、番である。二人は、いつの間にか出来てしまった二つの世界の隔たりを穏便に無くそうと、いづみとマナ、そして主要メンバーたちを集めて芝居を打つことに。

ハイブリッドであるいづみが、強烈な能力を持つ特別な堕天使として芝居を打ち、皆を戦かせるはずだったのだけど、事態は思わぬ方向にーーー!?

天禅桃子先生『ブルー・ド・ロワ』5巻:ネタバレ!?感想・レビュー

作品の魅力1:魔界と天界

最終巻で、まさかのバトルシーン!?が見られるとは思ってもいませんでした。

激しいものではないのですが、今までとは違った動きのあるシーンが登場し、良い意味でファンタジー色が深まります。

魔界と天界の壁をなくし、無意味な敵対を止めて隔たりをなくしたいサタンやミカエル、そして主要メンバーたちは芝居を打とうと考えます。

ハイブリッド(堕天の子供で強い能力を持つもの)であるいづみに特別な堕天使を演じさせ、「その強大な力に大人しく従って壁をなくす」という芝居をする予定でした。

しかし、芝居の途中、しばらく会えていなかったマナの首に枷がつけられて声を発することができなくなっていることに気づいたいづみは、怒りから自分の能力を抑えることができなくなり、事態は急変します。

天禅先生の今までの作風とは違った描写や表現、そしてそんな慌ただしいシーンを通して、マナの心が変化した様子が描かれており、読み応えのあるシーンになっています。

作品の魅力2:いづみとマナ

二人は番として共に生きることを決めました。

いづみはハイブリッド。天使と悪魔だった両親が堕天し、その間に生まれます。ほとんどの堕天の子供は、魔力を持たず、人間と同じなのですが、稀にハイブリッドとして、強力な力を秘めた子供が生まれる場合がある。それがいづみです。

悪魔や天使は一般的な魔力を持っているのだけど、魔力とは別に「特性」というものがあります。例えばミカエルは、他人の気力を奪う。(3巻参照)悲しみや痛みなどを和らげることができますが、特性の出力を強めれば、相手を廃人にすることも。

いづみやマナ、そして他のメンバーたちにもそれぞれの「特性」があります。

それぞれの特性。ユニークな個性。個性がうまく働くこともあれば、合わないこともある。でも、誰もがユニークで、自分を知って、バランスを取って生きていく。もしかすると、人間の個性や性格のメタファかもしれません。

作品の魅力3:マナの成長

成長……という言葉が正しいかはわかりませんが、言葉には出さずも孤独を感じていたマナが、いづみという番に出会い、マナの心に感情が生まれます。

愛情、嫉妬、寂しさ、やるせなさ……。うっすらと感じていたものの、それが何者なのかわからなかった情が、強く感じるようになっていきます。

そして、自分が変わることで、周りの態度も変わっていきます。

悪魔と天使のお話……ではあるのだけど、しっかりとメッセージのある作品です。

この物語を初めて読み終えたとき、ファンタジーに馴染みがなかった私は、正直今ひとつピンときませんでした。物語は面白いのだけど、天禅先生がなぜこの物語を描いたのかわからなかった。

でも、再読を数回繰り返すたびに、キャラに隠された人間性や心理描写、先生なりの表現方法が見えてきて、この作品の奥深さを知りました。

Let us always meet each other with a smile, for a smile is the beginning of love.

マザー・テレサの言葉です。

いづみとマナの笑顔で終わるこの物語は、天禅先生の作品の中でもちょっぴり違ったテイストですが、大好きな物語となりました。

天禅桃子先生『ブルー・ド・ロワ』5巻を今すぐ読む方法

天禅桃子先生『ブルー・ド・ロワ』5巻を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

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まとめ

今回は、天禅桃子先生の『ブルー・ド・ロワ』最終巻(5巻)をご紹介しました。

青で繋がるファンタジー。作中表現されている青は、読者の中にも広がっていきます。先生が見えているブルーとは違うと思いますが、私もいろいろな青を想像しながら読みました。皆さんの中にはどんな青が広がるだろう。未読の方は、是非読んでみてください。

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