こんにちは。
今日は、木下けい子先生の『東オトコ京オトコ』(上下巻)をご紹介しようと思います。京都を舞台に繰り広げられる恋物語で、クスクスと笑わせてくれる作品です。
作品データ
東オトコ京オトコ 上下巻
木下けい子 Keiko Kinoshita
刊行年月:2020.05.15
出版社:新書館(ディアプラスコミックス)
どんな作品?
木下けい子先生の通算……何冊目かはわかりませんが(笑)、ディアプラスからのコミックスです。
タイトルからも分かるように、東京男児と京都男児のお話。東京から京都に赴任んしてきた相馬(そうま)と、ルームシェアすることになった京都のお坊ちゃん・周(あまね)。
性格にも少しばかり地域の特性が出ている(ように感じる)描写と、二人の可愛らしいやりとりが楽しめる、木下先生らしい作品です。
上巻には、雑誌『Dear+』2018年10月号, 11月号, 12月号, 2019年3月号, 4月号に掲載された5話が収録収録されています。
そして下巻には、『Dear+』2019年8月号、9月号、10月号、2020年2月号に掲載された4話、そして描き下ろしが収録されています。
木下先生にも馴染みの深い京都を舞台に繰り広げられる物語ということもあり、方言や京都の街並みや人物の特性なども描かれており、世界観が楽しめます。『灰かぶりコンプレックス』でも笑わせてもらいましたが、この作品でも方言でほっこり楽しませてもらいました。
お話はサクサク進みます。ラブコメということもありますが、深い作品ではなく、萌えシーンが満載といった感じでしょうか。癒しにオススメですね。
少し感想も交えながら、作品をご紹介したいと思います。
カップリング
攻め:相馬(東オトコ。リア充。京都赴任を楽しもうと夢見る男子。)
受け:周(あまね:京大卒のいいところのおぼっちゃま。東京に就職したが、トラブって実家へ帰京。)
あらすじ
飲料会社で働く相馬は、東京から京都に赴任してきたばかり。手違いで住むアパートが見つからず困っていたところ、同僚から紹介された京都らしい一軒家へ住むことに。
さっそく家へと向かったところ、アロハシャツを来た京都男児と鉢合わせに。どうやら東京で社会人をしていた家主の息子さんらしく、何も知らずに実家に帰ってきたようで……。相馬はさっそく、ルームシェアを提案する。
一緒に住むようになった京都男の周(あまね)は、京大卒のエリートらしいが、どうやら東京で失恋し、実家に帰ってきたらしい。
一緒に住むようになって、第一印象はあまりよくなかった周に少しずつ恋心を抱く相馬は、どうやって想いを募らせていくのかーーー。
木下けい子先生『東オトコ京オトコ』のみどころ
作品の魅力1:東(タイトル)オトコと京オトコ
まず、タイトルがすごくいい。
東京と京都という日本を代表する憧れの大都市 w の男子だから、比較が面白そう。
東京の男性は、コミュ力は高い人が多そうですね。相馬も卒なく人間関係をこなしている、いわゆるリア充。適度に気を使うこともできるため、周のこともしっかり様子を伺っているのがわかります。
対する京都男児の周は、仮面をかぶっていて感情は表に出しません。ただ、周に関しては、感情を出す出さないではなく、少しツンケンした性格も相俟ってか、たまにさらっと漏れる彼の感情に、相馬は(読者も)ホロっとギャップ萌えしちゃいます。❤️
周は気が強いように見えて、こと恋愛に関してはかなり弱気。きっと相談する友達もいないんだろうな w 元カレからの贈り物?!に戸惑い、思わず相馬の前で涙してしまうところなど、仮面を対処しきれていない周の弱さと可愛さが入り乱れて表現されています。
物語は相馬の視点を中心に描かれているため、周の可愛さが特に目立ちます。
また相馬はコミュ力もある設定なので、物語も遠回りせず、サクサクと進んでいくのもこの作品の魅力の一つ。
悪く言えば、心情描写はあまり深くはありません。が、カプのイチャコラを見たい、癒しに読みたいという読者にはぴったりの作品で、徐々に近づいていく距離感が適度なスピード感で楽しめます。
作品の魅力2:可愛らしいイラスト
木下先生といえば、可愛いイラストです。
漫画だけでなく、小説の挿絵イラストなども昔から積極的に描かれていますね。あるインタビューで、絵は苦手……とおっしゃっていたのを読んでびっくりしましたが、木下先生ならではのタッチと水彩カラーが魅力です。もうずっとこのスタイルなので、先生のスタイルへと熟しましたね。w
メインキャラの二人は、髪の色や眼鏡などで描き分けられています。特にツンケンモードだった周が徐々に相馬へ気持ちが持っていかれるので、周が可愛らしく描かれているのですが、ミニキャラ(まではいかないにせよ)描写の周も……愛おしい❤️
作品の魅力3:世界観
この作品の魅力は、正直二人の関係性。大きな事件はありません。
相馬と周がどうやって近づいていって、どうやって気持ちを打ち明けて、どうやって体を重ねていくか。ただそれだけです。
一応それなりにストーリーはあるのだけど、ただただ二人の思考の交差が見どころです。
今までBLに私が求めてきたリアリティのあるストーリーラインも、細かな心情描写も、木下先生の作品には求めていません。なぜなら、木下先生の作品の面白さは(私にとっては)そこではないから。
キャラ、そしてキャラの対話・掛け合いが面白い。今回のお話は、二人の間に大きな障害もないので、どうやって自分の気持ちに気づき、素直に伝えていくかだけがキーです。
深いお話を求めている読者向けではありませんが、BLだけどハッピーな気持ちで読めて、癒しになる作品。そういう作品は、現代の読者のニーズにかなり合っているのでは?と思います。
最近シリアスな作品を読みすぎて、キャラのちょっとした仕草を「可愛いな」と思う自分がいなかったことに気づきました。もしかしたら心に余裕がなかったのかもしれない。この作品の可愛らしい二人を見て、かなり脳内が浄化されました。w
気になった点
木下けい子先生の作品は、17シリーズやキスシリーズ、そして灰かぶりコンプレックス(全巻読みましたが、書いた感想が消えてしまった……)といった比較的人気のシリーズは拝読しました。それ以外にもたくさん描かれていて、ベテランの先生であるのは知っていますが…… 2024年、今更ですが、木下先生ブーム、ずっと続いていませんか?w
以前にも増して勢いがあり、精力的に活躍されていませんか?w
このシリーズも上下巻、最近は京極家シリーズも続いており、その合間に他の連作なども描かれています。全く休みなく描き続けている印象を受けます。
気になった点は、先生にお休みはあるのだろうか、ということです。
余計なお世話ですが、先生、たまにはお休みをとって、ゆっくりなさってください。😌
木下けい子先生『東オトコ京オトコ』を今すぐ読む方法
木下けい子先生『東オトコ京オトコ』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「
Renta!レンタ」です。
どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
コミックシーモア:クーポンが魅力。BLに関しては、修正が少し甘めなものもあります。
Renta!レンタ:レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入が可能。この作品もレンタルできます。
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まとめ
今回は、木下けい子先生の『東オトコ京オトコ』をご紹介しました。
木下けい子先生の出身地は大阪だそうですが、京都の大学に通われていたのだとか。馴染みのある街並みを懐かしみながら描かれたのかな。多くの漫画は東京や当たり障りのない街の風景が描かれがちですが、具体的な街並みや方言が入るだけで、リアリティがグッと上がるし、地元の人にはうれしいし、旅にも行きたくなります。
京都は私も何度も足を運んだことのある大好きな街。そんな街の片隅でこんな男の子たちがボーイズラブしていたらと想像すると、次回旅行をした際に、ちょっと胸がワクワクしてしまうようなあたたかい作品でした。
木下先生、これからもかっこ可愛い男の子たちを描き続けてください。
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