草間さかえ先生『ワンダーフォーゲル』:巧妙な謎解きと切ない真実

草間さかえ
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こんにちは。今日は草間さかえ先生の『ワンダーフォーゲル』を ご紹介します。

このお話は個人的にも大好きで、山を想像させるタイトルながら、お話の舞台は南の島というのも面白いです。ミステリアスなお話の展開も、相変わらずの草間節!

作品データ

ワンダーフォーゲル

草間さかえ Sakae Kusama

刊行年月:2017年07月10日

出版社:徳間書店(Chara comics)

どんな作品?

ちょっぴりミステリー風な草間さかえ先生の作品。

2つのカップルのお話が入っています。

やはりさかえ先生のキャラはどこか抜けていて、可愛らしくて、笑わせてくれます。沖縄が舞台ということもあり、単行本の表紙も南国っぽい色合いで素敵です。

大学生3人組のお話である『みえない友達』は、BL雑誌『Chara』 2016年2月号と4月号に掲載。

循環式経済研究会!?に所属する沖津(おきつ)平坂、そしての3人の大学生のお話です。

平坂が子供の頃にいたはずの友達。彼が急に目の前から消えてしまい、そこから生じた様々な関係性やトラウマがミステリアスに描かれています。

タイトル作『ワンダーフォーゲル 』は、上記の沖津の幼なじみのお話。彼が南国・沖縄を放浪中に、小説家の伊武(いぶ)と知り合います。

こちらは、雑誌『Chara』2016年12月号、2017年2月号、4月号に連載されたお話。

沖縄が舞台ということもあり、今までのさかえ先生の作品の中でも特に開放感が感じられて、楽しめます。しっかりBLはしているんだけど、伊武のキャラがまたミステリアスだったり、切なかったり……。

草間さかえ先生『ワンダーフォーゲル 』を読む順番

このシリーズは、全2巻になっています。

  1. ワンダーフォーゲル
  2. センスオブワンダー

どちらも面白く、2巻の『センスオブワンダー』には、大学生3人組と伊武カプが合流して、物語が締め括られています。せっかく読むなら2巻まとめてお楽しみください。

草間さかえ先生『ワンダーフォーゲル』ネタバレ!?感想・レビュー

この1冊には、2つのお話が収録されています。

大学生3人組のお話。そして、沖縄で野宿しながら放浪している沖津のお話。

お話は繋がってはいませんが、キャラは関係しています。

ストーリー1:見えない友達

とある大学。循環式経済研究会(いわゆるマルチ)に属する3人の大学生。

平坂、沖津、そして南。

この3人のお話が、2話収録されています。

平坂と沖津は幼少時代に何かあったようで、その謎解きから始まります。

小学生のある時期から引きこもりになったという平坂

高校も卒業していないため、高認の後に大学に入学しました。

平坂は、小学1年生の時に公園で知り合った男の子との思い出を語り始めます。とても可愛かったその男の子とは仲が良かったのに、ある日誘拐されてしまう。そして、それがトラウマになって、学校に行かなくなったんです。

その話を聞いていたら、沖津が突然席を立って、どこかに行ってしまいます。何を思ったか、平坂は沖津を追いかけます。

沖津も似たような過去で、高校にはいかなかったようです。高認合格後、大学に入学したようです。また、沖津の過去こそミステリアスで、物語のネタバラシになっています。

さかえ先生のお話は、じわりさりげなくネタバラシされていきます。最後までたくさんの小ネタが隠されているため、最後まで気が抜けません。たまに1回読むだけじゃ理解できなかったり…… w

この二人のお話は実際に何度か読むことで、理解できるかと思います。

お話は少しミステリアスな展開なのですが、たった2話で解決させてしまうのが、さかえ先生のすごいところですね。作品の雰囲気はいつものさかえ先生のほのぼのとした絵柄や日常の描写、そこに南のキャラも加わって、興味深く進んでいきます。

2人だけだったら物足りなさがあるので、ちょくちょく入る南の茶々が好アクセントになっています。

このお話が導入となって、もう一人!?の沖津の話に突入します。

ストーリー2:ワンダーフォーゲル

こちらがメインのお話でしょうか。もう一人!?の沖津のお話。

閉所恐怖症である沖津は、沖縄に移住して4ヶ月ほどが経った。でも、閉所恐怖症で狭い部屋に住むことができないため、野宿を続けています。

アルバイト先の居酒屋でも、室内のキッチンにはいられないため窓の外で料理を作っている w

そんな沖津は、居酒屋によく来るイブという男性の存在を知ります。なんだか店長と仲がいいようだけど……。

ある日、野宿場所を探していた沖津は、浜の近くにある良い場所を見つけたのだけど、そこはどうやら私有地のよう……。

そしてその私有地にある家で、お店の常連・イブさんと初老の男が言い争っているのを見かけます。

そして次の日、台風が来るということで、店長に頼まれたお惣菜をイブさんのところに届けに行くのだけど、沖縄の台風をまだ体験したことのない沖津は、さすがに野宿はきついと、配達に行ったイブさんの家にお邪魔させてもらうことになります。

ここから、沖津の過去の話、そしてイブさんの不思議な力の話、先日見た初老との関係が明らかになっていきます。

てっきり沖津の過去のお話がメインになるかと思いきや、イブさんが謎のパワーを持っているキャラで、ミステリアスなイブさんのキャラ、そして初老の存在の方にお話がシフトしていきます。

イブさんは小説家。

人の話を聞いて、そこから物語を作り上げることができる。自身の好奇心もあってか、沖津の過去の話を聞き始めます。

閉所恐怖症のはずの沖津を、開放感のある自分の寝室に導き、ゆっくりと沖津の過去の話を聞き始めます。

眠りにつくまでベッドに横たわりながら昔話をする2人のシーンが私は大好きで、表紙のイラストから得られたインスピレーションが物語の世界観につながっていきます。

そして、このピロートーク!?から解き放たれていくもう一人の沖津(ゆうと)との関係性がゆっくりと沖津の中で蘇っていくのもわかります。

沖津の中にある「ゆうと」との関係性が徐々に変わっていった時に、その影響が閉所恐怖症という形で精神的な影響が形になっている。

沖津の中でのゆうとの存在がかなり大きい存在なのがわかりますし、またフォビアというものはある人にはなんでもない行動でも、ある人にとっては大きな精神的負担になる心理描写も興味深いです。

一方イブさんの方も、悩みを抱えている。

お話の冒頭で登場する初老との関係性。

切なくも、残酷な事実。

時として、残酷な事実も受け入れなければいけないこともあることを、突きつけられます。

草間さかえ先生『ワンダーフォーゲル』を今すぐ読む方法

草間さかえ先生『ワンダーフォーゲル』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

私がよく利用する電子書籍サイトは「ebook japan」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。

どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。

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まとめ

今回は、草間さかえ先生の『ワンダーフォーゲル』をご紹介しました。今までの作品よりもよりミステリアスな描写が多かったです。が、先生のユーモアや個性的なセリフは健在。

ちなみにこの作品は、他言語にも翻訳されています。気になる方はぜひ、語学勉強にも利用してみてはと思います。

お話はしっかり完結していますが、2巻にあたる『センスオブワンダー』もいい仕上がりでしたので、2冊ともチェックすることをオススメします。

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