こんにちは。
作品データ
シャングリラの鳥 II
座裏屋蘭丸
刊行年月:2020.11.10
出版社:プランタン出版
どんな作品?
2017年10月より、雑誌『Canna』にて連載を開始した、娼館「シャングリラ」で繰り広げられる男娼フィーと、離婚調停中のストレート、アポロのお話。(2023年現在、連載中)
座裏屋先生のもう一つの人気シリーズ『コヨーテ』とは全く違った雰囲気のお話です。
作品全体に海の微風が感じ取られ、この雰囲気が物語をよりリアルに、立体的にしています。
舞台になっている離島は南国のような雰囲気で、「シャングリラ」の名の若く、人々はありのままの自分でいられるようなところ・・・ユートピア。
建物はオリエンタルなデザインになっており、アジアンテイストの落ち着いた雰囲気と、イケメンたちの艶っぽく、ときにミステリアスなストーリーラインが絶妙にマッチ。
相変わらずの座裏屋先生のエロティックな絡み表現も美しい。これは完全、大人の女性向けの作品になっております。
いろんな視点を考慮して組み立てられた、座裏屋先生および制作チームの方々による秀作。そして、忘れてはならないのが、私たち読者もチームの一員になることができます。
セリフは少し少なめで、キャラたちの表情などから読者が心情を汲み取っていきます。
自分たちもその空間にいるような感覚になれ、チームの一員になる。
そんな神秘的な作品でもあります。
ぜひ海の微風とともに、フィーとアポロの二人を覗いてみましょう。
カップリング
受け:フィー(男娼、ストリート育ち。気づかぬうちにアポロへ気持ちが…)
攻め:アポロ(ストレート、離婚調停中。フィーの行動、考えを知りたいと感じるように…)
座裏屋蘭丸先生の『シャングリラの鳥 II』のみどころ
座裏屋蘭丸先生の『シャングリラの鳥』は、個人的に一番好きなBL作品でもあるため、みどころはここに書ききることができません。
作品は何層にもなっており、表面上の物語をなぞるだけでも面白いのですが、じっくり熟読、1コマ1コマから表情や仕草を汲み取っていくと、読者もこのシャングリラに行くことができる不思議な作品です。
南国の太陽の色や、夜の細波の音、にぎやかな小鳥たちの会話が不思議と聞こえてきます。
え?ハマりすぎ?そうですね。w
でも、それを可能にしてくれるのが、座裏屋先生の圧倒的画力、世界観。
練り上げられたこの世界観がそれを可能にしてくれる。フィクションなんだから… いえ、フィクションだからこそリアルに描く。その世界を人の心に作り上げてくれるんですよね。
2巻では、フィーとアポロの距離が近づき、また二人もわずかに心を開放していきます。
作品の魅力01:フィーの過去、再び
1巻では少ししか出てこなかったフィーの過去が、より深く語られます。ストリートで育ったフィー。
幼い頃から痛々しい経験をしてきたようですが、その中でも心に封印していた「ある出来事」があります。1巻でも少し匂わせていたその出来事。2巻ではよりエスカレートしてきます。
そしてフィーは精神的にじわじわと落ち着かなくなっていく。それに気づいたアポロは、優しくフィーをフォローしてくれるのですが……。
作品の魅力02:フィーとアポロの距離が近づくか
フィーの過去に加え、アポロも自分の過去をより深くフィーに話ります。
そしてフィーの考え方を通して、ふと自分を見つめ、またフィーの心情をうかがう。
より深い会話を介して、アポロの心が少しずつ揺らいでいるのが垣間見られます。
会話の節々からアポロの気遣いや、彼の優しい性格が見受けられる。座裏屋先生が描くキャラは、いつも優しさや愛情にあふれていますね。
作品の魅力03:座裏屋蘭丸先生のエロティシズム
どの作品にもあるのが、座裏屋先生のエロスです。
エロスといっても、ただ性欲を満たすそれではなく、愛情(affection)のある行為。そして私はこれをある意味メタファーだと思っています。
フィーの悪戯をなんとかかわしていたアポロですが、2巻では心の揺らぎとフィーを安心させたいが一心で、少し自分を解放するアポロ。
二人のエロティックな行為は、快楽を求めるそれ以上に、精神的な繋がり、心の解放で、それが絵柄からひしひしと伝わってきます。
正直、これは座裏屋先生くらいの画力がないと表現が難しい。
行為の激しさは感じられず、密接した肌の質感、手や指の圧力、ゆったりとした二人だけの時の流れが楽しめます。
ところどころに出てくる、他のメンバーたちの戯れシーンも、それほどやらしく感じないのは、性的な行為以上のものがあるからだと思います。
小鳥たちの屍人の準備をしたり、試情夫たちの絡みもやらしく見えません。むしろ、その絵の向こうに楽しんで描かれている先生の顔が見えてくる……w
もう一つの特徴として、キスシーン 。
座裏屋先生のキスシーンは、映画のワンシーンを想像させるような時の流れを感じさせてくれる。軽いキスシーンもあれば、愛するもの同士の甘いものもあり、読み手ののめり込み具合で感じ方がかなり違ってくるかもしれません。
私はこの世界に入り込みすぎているので……。すみません。w
座裏屋先生の画力の凄さは、みなさんもお気づきかと思いますが、エロスや言葉、世界観、デザイン、手書きの文字さえも、品がある。
どんなに激しいシーンを描いたとしても、愛情があってもなくても、やはり荒々しさよりも、心の内から来る「熱情」がある。それが座裏屋先生の魅力です。
座裏屋蘭丸先生の『シャングリラの鳥 II』を今すぐ読む方法
座裏屋蘭丸先生の『シャングリラの鳥 II』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
私がよく利用する電子書籍サイトは「ebook japan」かレンタル本が豊富な「
Renta!レンタ」です。
どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
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2巻は、がっちりと構えるアポロが表紙。何気ない(かっこいい)イラストレーションですが、彼の手、足の組み方には、アポロの心理状態が表現されています。
座裏屋蘭丸先生の『シャングリラの鳥』を120%楽しむ方法
この素晴らしい座裏屋蘭丸先生の『シャングリラの鳥』の世界。
漫画以外に楽しみ方はあるのか…。
安心してください。あります!
ドラマCDです。漫画も面白かったですが、陽気な南国の世界観がプロの声優さんによってクオリティの高いオーディオドラマになりました。私はドラマCDでもこの作品を追っているので、感想を書いております。ご参照ください。
https://zaccamanga.com/2023/05/22/zariya04-7/
まとめ:座裏屋蘭丸先生の魅力全開!
ここには書き切れないくらいの魅力がある「シャングリラの鳥」。座裏屋蘭丸先生は、初心者ながら好きになりましたが、BLという枠にとらわれず、今までにない雰囲気に魅了されています。先生の画力、南国の潮の香りを楽しみながら、フィーとアポロを追ってみてください。
あ、大人の女性向けです。
エロス、あります。w
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