座裏屋蘭丸先生の『ペット契約』は衝撃的なデビュー作

座裏屋蘭丸
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こんにちは。

今日は、私が最も好きなBL漫画家でもある座裏屋蘭丸先生のコミックデビュー作『PET契約』についてご紹介しようと思います。

座裏屋先生のイラストレーションに惚れて、せっかくなら1冊目から読もうと、手に取ったこの1冊。衝撃的でした。こうやってご紹介できるのがうれしいです。

作品データ

PET契約(ペット契約)

座裏屋蘭丸

刊行年月:2015.03.10

出版社:リブレ出版

どんな作品?

座裏屋蘭丸先生の初コミックスにして、問題作。w

紙本のタイトル表記は『PET契約』でしたが、電子書籍では『ペット契約』となっております。

東京都の不健全指定図書に指定されてしまった作品です。紙ベースでは、新品では購入不可。中古でのみ購入が可能ですが、電子図書では読むことが可能になったようですね。R18ですので、大人の方のみ購入が可能です。

座裏屋蘭丸先生。❤️

私がBL作家さんで今のところ一番好きな先生でもあります。好きな理由は、イラストレーション。座裏屋先生の魅力的なイラストに、一眼で惹かれました。

漫画は順を追ってこの作品から読み始めたのですが、かなりびっくりしました。プレイがかなり凝っていて、普通の絡みではありませんでした。w

しかし、それには理由があります。

この作品は、R18指定になっております。
この作品のターゲットは、同人誌の読者です

この作品は、先生が同人誌で描かれていた作品を1冊にまとめた短編集です。

座裏屋先生が同人誌を描かれていた際に、先生は「読み手はエロスを求めているのではないか」と考え、ストレートなエロス中心の作品を描かれた、とインタビューで拝見しました。その当時は商業BLを描くとは思っていなかったようです。

それもあって、先生の近年の作品を読んでファンになった方々がこの作品を読むと、「???」となるかもしれません。自分もそうでした。

なぜ先生がこの作品を描いたのかを知りたくて、インタビュー本を探したくらいです。当時の先生の思いと、創作の原動力がエロスだという話はこの『PET契約』のあとがきにも書かれていますが、背景を理解できてよかったです。

商業コミックスを読んでいる多くの読者に向けた、萌え満載の作品ではないため、賛否両論が分かれる作品だと思います。ターゲットが違うので、仕方ないですね。

しかし、座裏屋先生のアートワークはやはり素晴らしく、初期の画とはいえ、美しい曲線、体のラインやShibariなどの面白い絵柄も確認できます。

漫画のイラストレーションは、ストーリーを伝えるための画と、画そのものがストーリーを語るものの2種があると思うのですが、座裏屋先生の場合は後者のほうではないでしょうか。

座裏屋先生のイラストを確認されたい方には手に取ってみてもいいかもしれません。『コヨーテ』などストーリーや世界観のある漫画をお探しの方には、オススメしません。

お話(萌え)よりもエロスを求めた、と、座裏屋先生もあとがきに書かれておりますし、インタビューでは「愛のないエロスもあり」とおっしゃっていました。この考えを知ることができて、本当によかった。

参考文献:『BL漫画家ラブシーンがたり』

座裏屋先生のインタビューが収録されています。(おげれつたなか先生や彩景でりこ先生などなど、読み応えあるインタビュー集です。)

座裏屋蘭丸先生の『PET契約』感想:6つのお話の短編集

この1冊には、座裏屋先生が同人誌時代に発表した作品たちがまとめられた短編集。2008-2010年ごろに描かれた作品です。

作品1:ピュアイズム

クロウ(受)と医者のディアス(攻)。このお話がこの本の中で一番好きで、読める作品。(エロスの度合いの話です。初心者の私にっていう意味で。失礼。w)

らくだに乗って医者の仕事をするディアスっていう設定がかわいらしいし、猛獣の駆除の仕事をしているクロウはかなりファッショナブルっていう、すべての設定が笑えます。

そして相変わらずの素敵な裸体を堪能できます。同人誌に掲載されていたお話みたいですが、笑えるな~。これくらいの絡みは大丈夫です。

作品2:Pet契約

タイトル作。弟の治療費を稼ぐため、ユキは幼なじみのマサシ、リュウちゃんと、ある契約を結びます。名前がカタカナなだけで、もうエロスを感じます。

いろんなおもちゃのようなものが出てきて、私にはわかりませんでした。w

設定も好みではないけれど、やはり座裏屋先生の作品だし、勉強がてら目を通しました。愛は・・・あると思います。後日談が巻末に収録されております。

初期の作品ですが、相変わらず画力があります。

作品3:緊縛 マモル編

作品4:緊縛 タカヤ編

タイトルからも分かるように、SHIBARI、ロープワークもの。SMプレイですね。マモル編の方は愛がありましたが、タカヤ編はあまり感じられず。

SMですから、愛というより主従関係があるかと思います。冒頭からなんだか痛そうで…

Shibariの芸術性は勉強不足でわかりませんが、世界には愛好者がいるのは確かだし、いつか少し調べてみたいテーマの一つです。

ロープなんて難しそうですが、美しく画が仕上がっております。

作品5:mob #1 for Jack

作品6:mob #2 for Jack

この2話に関しては、激しい絡みのみ、といった印象。残念ながら、愛がありません。狂気のような感情も感じなかった。愛のない行為がただただ行われるお話です。

愛のない行為でも、そこに美を感じられれば私の読んでみたいエロス。美がなければ、エロで終わってしまいます。

狂気や情欲のような感情から垣間見られる人間臭さや何かしらの情から来る美。それは今の私には感じられず、行為だけに終わっていました。

ですので、この2作品に関しては、好みが分かれると思います。

座裏屋蘭丸先生『ペット契約』ネタバレ!?感想・レビュー

感想を絞り出すのが非常に難しい1冊。

座裏屋先生の作品は初めてですが、ずっと絵柄が気になっていて・・・。実際に読んでみて、たしかに絵は素敵です。それゆえにリアリティがあり、プレイや設定が妙に現実的に感じてしまいました。

基本、絡み重視のお話たちです。ただ、エピによって、愛のある絡みとそうでないものが入り乱れております。絡みよりも心情重視の漫画が好みの自分にとっては、良さを読み取るのには時間がかかりそうです。

上記にも書きましたが、この作品は同人誌時代の作品を集めた短編集になります。

同人誌時代の読者はきっとエロスを求めていた、と考えながら描いた作品たち、とのこと。ですので、商業BLで楽しむような愛情たっぷりのカプのお話はありません。

それを理解した上で読めば、いろんな視点を観察できると思います。(初めて読んだときは知りませんでしたが、後日先生の他作品にも目を通して、インタビューにも目を通して、この結論に達しました。)

BLにもいろいろな種類があって、この作品のように激しい絡み中心の作品もあるんだな……

もちろん、座裏屋先生の絵柄は初期の作品でも非常に安定しています。

座裏屋先生のおすすめ作品5選をランキングにしてみました。

座裏屋蘭丸先生 おすすめ作品5選 ランキング
座裏屋蘭丸先生の作品で一番のおすすめは『シャングリラの鳥』です。先生の作品を全て、この作品が一番、世界観、ストーリー、キャラ、ストーリーがバランスが取れていて面白い作品だと思いました。大人の愛の物語です。少しでも参考にしていただければ幸いです。素敵なBLジャーニーを!

座裏屋蘭丸先生の『PET契約』を今すぐ読む方法

座裏屋先生の『ペット契約』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア 」、そしてレンタル機能のある「Renta! レンタ 」です。

どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。

コミックシーモア:クーポンが魅力。BLに関しては、修正が少し甘めなものもあります。

Renta!レンタ:レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入が可能。この作品もレンタルできます。

コミックシーモアの月額コミック読み放題が一番お得!BLも読み放題!

まとめ

あとがきに、座裏屋先生が

「萌えよりもエロス」

作品製作において最も強いパッションは「エロス」

とありました。

私が思う「エロス」には、「美」「愛」「理想」のようなものが付随すると思っています。「エロ」は性欲の行為、「エロス」は愛を確かめ合う、もしくは愛の向こう側を確認する行為、「エロティシズム 」は性欲の行為を美的に表現したもの、というのが私の見解です。

先生が哲学的なエロスを求めているかどうかはわかりませんが、美が伴っているのは確かで、だからShibariのような作品も描かれるのかと思います。先生ご自身が描きたいものと、商業的に描かねばいけないものなどの兼ね合いもあるのかもしれませんが、ファンの方は先生を応援しているでしょうし、作品が多くの人の琴線に触れると信じております。

先生の作品はほぼすべて読みましたが、すっかり絵柄と洋モノの世界観に惚れました。もっと座裏屋先生のことを知りたいです。どうして作品を描くようになったのか、なぜエロスなのか、今後描きたい作品とか、とにかくなんでもいいので、先生のインタビューを読めるものがありましたら、ご一報いただけるとうれしいです。(^^)

 

座裏屋蘭丸先生のインタビューは、『BL漫画家ラブシーンがたり』でチェックできます。(座裏屋先生を筆頭に、おげれつたなか先生、彩景でりこ先生やはらだ先生などのインタビューも収録されています。)先生の当時の創作活動の背景を汲み取ることで、より作品への理解が深まるかと思います。

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