こんにちは。
今日は、木下けい子先生の『今宵おまえと』を読みましたので、ご紹介します。
木下先生は、2024年に画業20周年を迎えたそうです。おめでとうございます！作品もたくさんありますが、シリアス、コミカル、どちらのテイストも描くことのできる先生ですね。
作品データ
今宵おまえと 全３巻
木下けい子
刊行年月：2010年11月27日
出版社：大洋図書（HertZ series 089）
どんな作品？
木下けい子先生のリーマンもの。
多作の木下先生はいろいろなキャラ設定を描かれておりますが、やはり先生のリーマンものは安心感がありますね。
今回は、親友二人のお話です。首都圏に勤めている西島と、地元でがんばっている和久井。長年の想いをひた隠しにしてきた西島が、ある飲み会で和久井が後輩リーマンと寝たというとんでも発言をきっかけに、西島がゆっくりと動き出します。
西島、そして和久井のどちらともにお仕事シーンが描かれていて、リーマンの雰囲気がしっかりと出ているのも大切な要素。
西島には女性の先輩が、そして和久井には（西島には恋敵となる）男性の後輩がいます。
サブキャラのあれこれは深くは描かれてはいないのもの、物語にしっかりと組み込まれているのも長編ならでは、ですね。
１巻には、BL雑誌『HertZ』band.35-39（2009 – 2010）、２巻には『HertZ』band.40, 42-45（2010 – 2011）、そして３巻には『HertZ』band.47-49, 『ihr HertZ』7-1月号（2011-2013）に連載されたエピソード、そしてそれぞれの巻末に、描き下ろしが収録されています。
木下先生の作品は、描き下ろしまでほんわかしていて、最後の最後まで楽しめます。
カップリング
攻め：西島陸郎（長年保孝に想いを寄せているリーマン）
受け：和久井保孝（流通業で働くリーマン。後輩に泣き疲れて男と寝てしまう弱さ）
あらすじ
西島陸郎は、学生時代からの親友・和久井保孝に長年思いを寄せていた。首都圏で働く陸郎は、保孝と会うこともなかったが、久しぶりに地元での飲み会に参加した際に、会社の後輩に迫られた男と寝たと発言した保孝に驚きを隠せなかった。自分がひた隠しにしてきた想いは、一体なんだっだのか。
転勤で地元に戻った陸郎は、保孝と会う機会も増えていく。保孝の職場を訪れた際に紹介された後輩に挑発され、絶対に保孝を自分のものにすると心に決めた陸郎だがーーー。
木下けい子先生『今宵おまえと』：ネタバレ！？感想・レビュー
作品の魅力１：働くリーマンたち
リーマンを描いた木下先生の作品は何度か読んだことがありますが、この作品は陸郎、保孝どちらの仕事描写もほどよく描かれていて、リアリティを感じました。
陸郎は営業。そして、保孝は流通業で働いています。
不景気という設定で（まぁ日本はここ数十年ずっと不景気ではありますが）地方の景気は右肩下がり。昔からあるお店が閉店したり、保孝が働くデパートも、閉店する店舗のお話がちらほらと出てきます。
そういった時代背景の中で、仕事と恋に奮闘する二人。
陸郎の直属の上司が女性なのも、作品に深みをプラスします。
１巻完結くらいの長さだと、お仕事描写を描くのは少し難しいかもしれませんが、全３巻ということで、お互いのリーマンの日々がしっかりと描かれていたと思います。世界観が広がると、よりお話に深みが出てきます。
作品の魅力２：１０年愛
どうやら、長年の片思いは、木下先生の萌えポイントのようです w 😆
BL作品では何度か読んできた長年の片思い設定ですが、何度読んでも楽しい。
私も好きかもしれません。
陸郎は、学生時代から保孝のことを想っていました。でも、その気持ちはずっとひた隠しにしてきた。
それなのに、保孝は、泣きついてきた後輩にあっさり体を許してしまいます。
そんな保孝のいきなりの告白にパニクった陸郎ですが、自分の気持ちを伝え、そして保孝を自分のものにすると心に決めます。
１巻で、自分の想いを伝える陸郎。（陸郎はいつもシリアスモード。）
告白された保孝は、陸郎の想いなど気づいてもおらず、驚きを隠せません。
ただ、保孝の弱さなのか、いいところなのか、拒絶することをしなかった。
陸郎の想い、そして自分の気持ちを見つめ直そうとする保孝の気持ちの変化を２巻では楽しむことができます。
３巻では、お互いの波動がなかなか噛み合わない様子。陸郎の好きな気持ちと、それに応えようとするノンケの保孝。さらに、仕事が忙しくなり、すれ違う日々。すべてがなかなか噛み合わない中、ゆっくりと気持ちを確認していく二人が描かれています。
木下先生の作品なので、もちろんハピエンではあるのだけど、物語は二人の視点で描かれていて、二人がどうやって自分の気持ちと向き合い、相手を思い、駆け引きをしていくのか。そんな様子を楽しむことができます。
奥深い作品か？と言われると、そこまで深くはないのだけど、エンタメとして程よく嗜めるのが木下作品です。あくまでもフィクションとして楽しめるのが、いいのです。
木下けい子先生『今宵おまえと』を今すぐ読む方法
木下けい子先生『今宵おまえと』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「
Renta！レンタ」です。
どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
コミックシーモア：クーポンが魅力。シーモア限定特典や小冊子の購入も可能。修正が少し甘めなものもあります。
Renta！レンタ：レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入が可能。この作品は、レンタル対象になっています。
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まとめ
今回は、木下けい子先生の『今宵おまえと』をご紹介しました。全３巻のリーマンものです。不景気の中、仕事に恋に奮闘する親友二人の物語。想いはどうやって通じていくのか、未読の方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
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