こんにちは。
今日はいよいよ、彩景でりこ先生の大人気シリーズ『蟷螂の檻』の最終巻をご紹介します。
やっと読み終わりました…。この気持ち、どうしたらいいでしょうか。
感動とも、悲しみとも違う… 「終わった…。」という、素直な気持ち。
かといって虚無感ではない。
この二人の物語、完全に第三者として追ってきました。どちらに惚れ込むのでもなく、物語として冷静に追ってきたつもりです。
でりこ先生のストーリーテリング、素晴らしかったです。
作品データ
蟷螂の檻 5
彩景でりこ
刊行年月:2022.04.05
出版社:祥伝社(onBLUEコミックス)
どんな作品?
彩景でりこ先生の大人気シリーズ『蟷螂の檻』5巻(最終巻)になります。
幼少時代より、両親の愛情を感じることなく育った育郎の、愛情に対する「渇き」。
その育郎を哀れな子と思い、強い愛情が歪んだが故に、育郎が壊れるのを見たかった典彦。
典彦の育郎への執着こそ、自らの両親から得られなかった愛情の「渇き」ではないか。
二人の内の崩壊と解放、最後まで見届けていただきたいです。
カップリング
攻め:典彦(のりひこ:ついに壊れました。)
受け:育郎(いくろう:正常からの解放。)
あらすじ
炎に包まれた屋敷から蘭蔵に助けられた育郎。
しかし、心の中では殺されかけた典彦のことを欲するばかり。
立場を失い、典彦を失い、心は空になってしまった。
蘭蔵の助けと、育郎の学生時代の同級生・飯田の助けで、仕事をすることになるのだが、育郎の「正気」はすでになくなってしまった。
飯田、蘭蔵、そして消息のわからない典彦。
それぞれがエンディングを迎えます。
彩景でりこ先生『蟷螂の檻』5巻のネタバレ注意!?感想・レビュー
ついに、完結。
1巻からずっと追ってきた方、お疲れ様でした。
1巻は2016年12月に刊行されておりますので、約5年ほどかかりましたね。BLは新刊がでるまで時間がかかりますから、完結するのを待とうと思うと数年待つことになるんですね。
それなら、完結したかどうかに拘らず、今すぐ読み始めます。w
5巻のみどころ01:典彦と育郎の渇き
「正気」「正常」に悩まされた育郎。子供の頃からそう育てられたが、典彦の存在によって、彼の中にある「非常」「非正常」の存在を知ります。そして自分の内の心を受け入れ、典彦へ捧げようとしました。その機会を火事によって失ったものの、5巻で二人は再会します。その時、育郎は何を選択するのか。
典彦は、幼少時代より育郎を愛してきた。
彼の愛し方で。
しかし、育郎を完全に所有することができない。そして「渇き」がおさまらない。
育郎は、それでも典彦の檻におさまろうとします。
また典彦こそ、愛情をほっしていたのではないでしょうか。そしてその愛情を離したくない。自分の腕の中に閉じ込めて、離したくない。
そんな執着が、育郎を変えてしまったのかも知れません。
5巻のみどころ02:圧倒的なストーリーテリング
この物語、みなさんはどう読んでこられたでしょうか。
萌え?エロ?攻め、受けが好き、嫌い?おそらくほとんどの方は、この圧倒的なストーリーに惹かれたので!?
もちろん、すっごくエロいシーンもありました。5巻でも絡んでます。w でも、それが盛り上がり、やらしく感じるのは、でりこ先生の圧倒的なストーリーがあったからではないでしょうか。
BLの読み方として、受けと攻めのカップリングを第三者として覗き見する、そんな感じでBLを読んでいました。でも、たまにかっこいい受けや攻めが出てくると、ついついキャラに没頭してしまったりしますよね。
この作品に関しては、まったくキャラには共感はしなかったし、ハマりもしなかった。いや、いい意味で。w とにかくこの不思議でどろどろした物語を貪るように追いかけたからです。
でりこ先生の絵柄、いわゆる「イケメン」ではないです。でも、感情をビビッドに伝える魅力的な絵柄。無邪気な幼少期の笑顔、子供のように泣きまくる顔、気丈に振舞うさち子の主張ある顔…。物語に入り込むことで、それらの表情がさらに活き活きとしてきます。
BLを読む前は、漫画は完全にエンタメで、さらっと読んでいました。だから絵柄が〜とか、地雷が〜とか、苦手なものがあると、食べず嫌いでした。
でも、BLを読んでみて、食べず嫌いで見逃している素晴らしい作品が多いことに気づき、少し忍耐強く漫画を読むようになりましたね。
でりこ先生の作品も、私にとってはそれ。昭和という時代設定が苦手で、読むまで少し迷ったのですが、読んで、本当によかったです。🥺
彩景でりこ先生『蟷螂の檻』を今すぐ読む方法
彩景でりこ先生『蟷螂の檻』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
最初の数ページをサンプルで今すぐ読むことができます。
私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。
コミックシーモア:頻繁にクーポン割引があり、また同人誌や特典冊子の作品もたまに読めたりします。
Renta!:レビューを書くとスタンプがもらえる機能などあり。レンタルも豊富です。
この『蟷螂の檻』の魅力、本編だけでは終わりません。でりこ先生の魅力でもある同人誌も、電子書籍サイトで読むことができるんです!最初の数ページをサンプルで確認できますので、確認してみてください。世界観が全然違うんです。☺️
彩景でりこ先生の『蟷螂の檻』のドラマCD
彩景でりこ先生の『蟷螂の檻』、実はドラマCDんになっております!
このドロドロな世界、ぜひドラマCDで聞いてみたいです。
でも、残念なことに、2023年9月現在、1巻のドラマCDしかリリースされておりません〜。泣
今後リリースされるかはわかりませんが、このシリーズ、正直地雷な人も多そうですし、それこそ、エロスが強烈すぎるのか。とにかく、単行本は完結していますので、なんとかドラマCDも最後までリリースして欲しいです。
2023年9月現在、メディアCDはリリースされていますが、自分で調べた限り、オーディオDLはリリースされていないようです。
新品は入手が難しくなっています。中古でしたらいくつかあるようですので、興味のある方はチェックしてみてください。
まとめ
いかがでしたか。今回は、彩景でりこ先生の『蟷螂の檻』5巻(最終巻)をご紹介しました。昭和という人間くさいドロドロした世界を覗いてみたい方、ぜひこの作品をオススメいたします。また、この作品は間違いなくでりこ先生の代表作になりました。
こちらの本編を楽しんだ上で、まったく雰囲気の違う同人誌も電子で読めます。典彦と育郎で、いろんな世界観を楽しめるって、でりこ先生らしいですね。ちなみにでりこ先生は、商業コミックを描いていらっしゃいますが、同人誌の活動も続けており、ご自分の描きたいものを形にしている方だな、と思います。
1巻完結ものも面白そうですが、個人的にはこの作品をおすすめしたいです。ぜひお時間あれば、感想おしえてください。
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