彩景でりこ先生『蟷螂の檻』2巻を読み終えて

彩景でりこ
本ページは、アフィリエイトによるプロモーションが含まれております。

こんにちは。

今日は、彩景でりこ先生の『蟷螂の檻』2巻を読んだので、まとめてみました。

相変わらず、執着と依存がどんどん悪化しております〜。

作品データ

蟷螂の檻(とうろうのおり) 2

彩景でりこ

刊行年月:2016.12.05

出版社:祥伝社(onBLUEコミックス)

どんな作品?

彩景(さいけ)でりこ先生の代表作となった『蟷螂の檻(とうろうのおり)』2巻になります。時代モノが苦手な自分もぐっと息を飲んでしまった、非常によく描かれた作品です。全5巻中2巻までしか読んでおりませんが、物語の完成度が非常に高く、ぐいぐい引き込まれております。

絵が… 絡みが… とか、そのような感想ではなく、もう物語。

BLだろうがなんだろうが、漫画である以上、物語が全て。

2巻は育郎のお話が、より掘り下げて描かれております。なぜ蘭蔵(らんぞう)を乱暴に扱ってしまうのか、また大学時代のお話。

そしてずっと情を向けて欲しかった父親から受けた行為について。後継ぎとして立派に生きねばならぬという彼の子供からのアイデンティティ、母親との約束とは裏腹に、典彦からの誘惑、自分のアイデンティティの葛藤にどう向かうか、みどころです。

カップリング

攻め:典彦(のりひこ:すべて達観していながら、育郎を誘惑する)

受け:育郎(いくろう:両親の死後も彼らからの情に報われず)

2巻のあらすじ

大学へ進学した育郎。大学では浮いた話もなかったが、飯田という友人ができた。

彼に連れられ、置屋へ行く。しかしながら結果は得られなかった。飯田への興味の方が優ってしまったのだ。

しかしながら父親の不幸で大学を中退することとなってしまった。そして、跡取りのこともあり、結婚することに。

しかしながら、結婚後も妻とそのような行為もなく過ごしていた。そしてある日、蘭蔵への憎悪の念を回顧すると共に、典彦との距離がより近くなってしまう。

作品の魅力1:圧倒的なstorytelling

BLにありがちな、主要カップルに集中したお話の展開ではなく、育郎と典彦を含む家庭環境とそれぞれの人物との関わり合いがじっくりと掘り下げて描かれております。

おどろおどろしい、どろどろした灰色の雰囲気が作品全体に漂っており、そんな中で過去の回顧が行われます。

このタイミングがなんとも絶妙で、大学時代のお話、そして結婚、そして蘭蔵と父親、さらには自身の性的嗜好まで、育郎のアイデンティティが物語を通して映されていきます。

典彦との性的な関係のみでなく、幼少時にトラウマとなり、やがて自身のアイデンティティにも関わってくる父親と蘭蔵のワンシーン。

また自分の情欲を抑制できなくなる育郎と、そこにことごとくつけこんでいく典彦。

幼少期の些細な行動や視覚情報が、人間に多大な影響を与えることが怖いくらいに描かれており、恐怖さえ感じます。

作品の魅力2:育郎と典彦とのつながり

1巻では浅いフィジカルなつながりのみが描かれていた育郎と典彦。この2巻では、より深い繋がりが描かれています。

生まれた時から育郎を見てきた典彦。育郎が父親から情を向けてもらえないこと、そして蘭蔵への不確かな思い。好奇心か。観察しながら、典彦自体、育郎へ想いを募らせていきます。そしてこの巻で育郎へ想いを伝える。

頑なに生きようとがんばる育郎に魅了されてきた典彦。今回も、そんな育郎をみてゾクゾクしてます。w

ところで育郎。典彦には「舌」へのこだわりがあるのでしょうか。1巻ではそれが見え隠れしておりました。2巻でも典彦のそれが表現されており、おそらくこれが二人のメタファーの一つなんだと思います。

大人になってからは舌をあわせたことがなかった二人ですが(たしか)、2巻では、あわせることになります。

作品の魅力3:キャラたちの魅力とミステリアスな展開

育郎と典彦。2巻では育郎の立場から描かれております。が、大学時代に育郎と知り合った飯田、そして妻のさち子も丁寧に描かれているのも魅力の一つです。

でりこ先生は、子供や女性も非常にかわいらしく描かれる先生で、このさち子もよく描かれておりました。女性が登場するBLを毛嫌いする方もいらっしゃるようですが、この物語には現実的な立場で登場しています。また育郎を真剣に思う昭和の時代を生きた女性として描かれており、懐かしい日本を見ることもできるかも。w

また、蘭蔵も少し描かれております。悲しいですが、跡取りの話になり、蘭蔵の法的権利をさち子へ説明する典彦。さち子の女性としての立場、當間家の跡取りを残さねばならない妻としての立場など、今後葛藤や複雑な心情描写がありそうな雰囲気です。また蘭蔵の育郎に対する気持ち、どう描かれるのでしょうか。

各キャラそのものもしっかりとした性格や状況が描かれておりますが、絵柄もしっかりと描き分けられており、たまにBL作品で陥るようなキャラの混乱は全くありません。

ラストはミステリアスな終わり方をしており、どうやら蘭蔵と健一に不吉なことが起こりそうです。

彩景でりこ先生の『蟷螂の檻』を今すぐ読む方法

彩景でりこ先生の『蟷螂の檻』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

最初の数ページをサンプルで今すぐ読むことができます。

私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。

コミックシーモア:頻繁にクーポン割引があり、また同人誌や特典冊子の作品もたまに読めたりします。

Renta!:レビューを書くとスタンプがもらえる機能などあり。レンタルも豊富です。

この『蟷螂の檻』の魅力、本編だけでは終わりません。でりこ先生の魅力でもある同人誌も、電子書籍サイトで読むことができるんです!最初の数ページをサンプルで確認できますので、確認してみてください。世界観が全然違うんです。☺️

蟷螂の檻 わたしの坊っちゃんがかわいすぎる

演技の裏側、お見せします。~蟷螂の檻の中の人~(1)

蟷螂の檻~艶屋敷~

彩景でりこ先生の『蟷螂の檻』のドラマCD

彩景でりこ先生の『蟷螂の檻』、実はドラマCDんになっております!

このドロドロな世界、ぜひドラマCDで聞いてみたいです。

でも、残念なことに、2023年9月現在、1巻のドラマCDしかリリースされておりません〜。泣

今後リリースされるかはわかりませんが、このシリーズ、正直地雷な人も多そうですし、それこそ、エロスが強烈すぎるのか。とにかく、単行本は完結していますので、なんとかドラマCDも最後までリリースして欲しいです。

2023年9月現在、メディアCDはリリースされていますが、自分で調べた限り、オーディオDLはリリースされていないようです。

新品は入手が難しくなっています。中古でしたらいくつかあるようですので、興味のある方はチェックしてみてください。

まとめ

今回は『蟷螂の檻』2巻をご紹介しました。

全5巻のシリーズで、すでに完結済み。

奥が深く、薄暗い雰囲気の作品ではありますが、こういったお家柄で、しかも昭和の時代ならなおさら、どろどろした人間関係や秘め事があるのでは?そんなぎすぎすとした複雑な人間関係が描かれた作品です。BL要素のエロスも含まれておりますが、作品の時代背景や細かな衣装等、エロスを感じるものだと思います。

そちらも楽しみつつ、ぜひ彩景でりこ先生の不思議な世界をお楽しみください。

コミックシーモアでサンプルチェック

コメント

タイトルとURLをコピーしました