おげれつたなか先生のデビューコミック『恋とはバカであることだ』

おげれつたなか
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作品データ

恋とはバカであることだ

おげれつたなか

刊行年月:2014.06.10

出版社:リブレ出版


どんな作品?

BL界を代表する売れっ子作家、おげれつたなか先生の初コミック。

先生の作品はまだそれほど多くないので、今のうちにこの作品から熟読することをおススメします。

3組のカプエピソード(各2話ずつ)が収録されております。おげれつ先生はもともと同人誌で活躍されていたようで、その頃から人気があったのではないでしょうか。

初期作品なんですが、キャラ設定が非常にユニークで、しっかりユーモアもある。わずかな収録エピにもかかわらず、独特なピロートークを展開。個人的にもあっという間にファンになってしまいました。

ペンネームからは想像できない(失礼 w)繊細はキャラの心理描写がBLファンを魅了。そんな先生の片鱗を見ることのできる短編集です。

おげれつたなか先生『恋とはバカであることだ』の感想・レビュー

この短編集は、3組のカプのお話を楽しめます。

あらすじと、ちょこっと感想を記しておきます。

まだおげれつたなか先生の作品を読んだことがない方は、全ての作品に目を通してほしいです。w

さっそく覗いてみましょう。

ストーリー1:恋とはバカであることだ

カップリング

攻め:佐山(22歳の大学生)

受け:真木(32歳のカフェ店員)

カフェの店員(店長かな?)、真木に初カレができました。32歳で初めてできたカレシだけど、年齢差からくるジェネレーションギャップ、ガツガツせめられてちょっとタジタジ、そして年上のプライドに悩まされている。恋愛経験がない自分を取り繕うと試行錯誤するのだけど、なかなかうまくいかずに佐山とギクシャクしてしまい…

この作品を読む前に、おげれつ先生の『ハッピー・オブ・ジ・エンド』を読んだので、先生がこういう明るい作品を描いていたのがすごく新鮮に感じました。

すごく新鮮な設定と語り方。でも先生の絵柄はこのころから素敵で、またキャラの心理描写がとてもうまい。初Hになりそうな時も、佐山に悟られないように取り繕うところ。

ありがちな心理だけど、意外と描かれているBLって少ないです。背景の葛藤はそれほどないのだけど、偽った自分と本来の自分のギャップから、相手と言い争いになったり、自分の中でもやもやが膨らんだりしてくる。こういう描写はおげ先生の他の作品でも垣間見られますね。

ストーリー2:外面だけは王子様

カップリング

攻め:潤也(みんなに隔たりなくいいやつ)

受け:秋(コミュ障、友達いない)

幼なじみのお話。子供のころからいじめられてた秋は、友達も少なく女子も苦手。そんな秋は幼なじみで同じクラスの潤也がかまってくれることで、ぼっちになることなく学生生活を送れている。でもコミュ障の自分と一緒にいることで、潤也も陰で悪口を言われるのではないかと心配になり、徐々に距離をおこうとするのだけど・・・。

お話は、受けの秋の視点で語られています。そういえば、BLは受けの目線で描かれることが多いのかな?秋はかわいらしさがあり、眉毛が短いんです。おげれつ先生のキャラはかっこいいというか、可愛げがあるキャラが多いね。

潤也は秋に好意を抱いているのだけど、秋に距離を置かれることでその気持ちが爆発してしまいます。その時もやっぱり秋はかわいいなぁ。

ちなみに本編では好意をみせただけで終わるんだけど、2話目は完全描き下ろしで、二人がもっと近づきます。

そして面白いのが、作中ではゲイとかノンケとかの表現がまったくなく、単に想いが炸裂する二人のお話。ただ好きっていう気持ちにフォーカスして描かれている作品。

まぁ…どっちもコミュ障で、ふたりの世界ってことで。w

ストーリー3:泣けないうそつき

カップリング

攻め:真中(瀬川くんに一目惚れ)

受け:瀬川(バイを告白して真中をゲット)

高校1年生になった真中はきれいな男の子がタイプ。たまたま初日に見かけた瀬川に一目惚れし、猛アタックを開始。瀬川は実はバイらしく、2人は想いが通じてつきあうことになったのだけど…。

このお話が一番興味深かった。

上記2つのお話もそうだけど、皆キャラを取り繕っているところがあだとなってる。このお話は典型的なその例で、瀬川は実は元ヤンなんです。だけど、真中の前では「嘘もつかない性格のいいやつ」をずっと演じてきていた。それが、ひょんなことから真中に本来の姿(つまり嘘)がバレてしまい、嘘つきが嫌いな真中は別れを決意するんです。

でも、その嘘や仮面って、本当に醜いものですか?

その嘘は相手を傷つけるもの?それとも相手を守るもの?

そしてあまりにうそで固めると、本当の自分と乖離していって、抑制できなくなるよね?いろんな思いが交差しております。

先生のメッセージは、自分に正直にってところなのか、そういった取り繕いもひっくるめて好きだよってことなのか、考えさせられます。

おげれつたなか先生の『恋とはバカであることだ』を今すぐ読む方法

おげれつたなか先生の『恋とはバカであることだ』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

最初の数ページをサンプルで今すぐ読むことができます。

私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。

コミックシーモアは頻繁にクーポン割引あり。

Renta!は、レビューを書くとスタンプがもらえる機能などあり。

「Renta!レンタ」には、電子のみでしか読めない『恋が踊るニュータウン』の電子書籍があります。単話で2話まで出ております。おげれつ先生、続編描いてくれないかなぁ。

おげれつ先生『恋とはバカであることだ』:ドラマCD

おげれつたなか先生の『恋とはバカであることだ』を、漫画以外で楽しむことができます。それは、

ドラマCD

です。

この地味な作品(失礼 w)、ドラマCDも出てるんです。

さすが、人気BL作家のおげれつ先生。また、ドラマCDの人気ぶりも窺えますね。現在は販売終了してしまったようですので、新品での購入はできないようです。中古で見つけることは可能ですので、おげ先生のファンの方や、興味があればぜひチェックしてみてください。

まとめ

おげれつたなか先生は、『ヤリチン☆ビッチ部』なんていうすごいタイトルの作品も描いてはおりますが、私は先生のシリアス路線が大好きです。

大まかな心理描写は、わかりやすく描いてくれてますが、心情の微妙な揺れがいたるところに表現されており、それを自分なりに汲み取っていくのが面白いんです。

答えはないし、それは先生が意図していることと違うかもしれない。だけれども、自分なりに考察したり他の読者の皆さんと共有したりしていくことで、作品がより奥深くなっていくと思っています。

そういう機会を与えてくれるのがおげれつ先生の作品の魅力だと思います。

ちなみに、毛嫌いしているわけではないので、いずれ時間ができたらヤリ部も読んでみる予定です。こちらは先生が自由に描いている作品なので、先生の個性がより楽しめるのでは、と思います。

初期の作品とうこともあってか、それほど複雑なお話ではないので、だからこそ読んでほしい。BL初心者の方にもオススメできる作品です。

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