さちも先生『かしこまりました、デスティニー上巻』:御曹司と執事たちのオメガバース

さちも
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こんにちは。

今回は、さちも先生のオメガバース作品を読んだので、ご紹介しようと思います。

申し訳ありませんが、オメガバース系は少し苦手なところがあり、普段はあまり読まないのですが、さちも先生の作品はどうしても読んでおかねば、ということで、手に取ってみました。

オメガバースの設定そのものに馴染みがなく、理解するまで少し時間がかかりましたが、とってもいい作品で、大満足の作品となりました!

作品データ

かしこまりました、デスティニー 上巻

さちも

刊行年月:2016/06.10

出版社:ふゅーじょんぷろだくと

どんな作品?

さちも先生の代表作の一つ。

上巻は、2015年11月24日にリリースされたアンソロジー『オメガバースプロジェクト season 2-1』から『season 2-3』に収録された3話、そして描き下ろしをを加えたコミックスです。

オメガバースがテーマになっていますので、馴染みのない方には少し馴染むのに時間がかかるかもしれませんが、説明を読まなくても、読み進めていくと、なんとなく仕組みがわかってきます。そしてさちも先生が描くラブストーリーにぐんぐんと引き込まれていきます。

英題は「Yes, My Destiny」。かしこまりました・・・もいいタイトルだなって思いましたが、英題もまたなんとも素敵で・・・。

さらにこの紙本の装丁が、本当にすばらしいんです!

タイトルは金箔押しになっていますし、著書名やその他デザインもろもろ、先生の素敵な表紙のイラストとともに華やかに飾ってくれています。

装丁は「円と球」さんのようですね。

さちも先生『かしこまりました』シリーズの順番

シリーズで4冊でております。
かしこまりました、デスティニー 上下巻
かしこまりました、デスティニー -Answer- 上下巻

上下巻でお話の焦点が違うため、今回は上巻をご紹介します。

カップリング

攻め:西園寺次郎(α。大手自動車メーカー西園寺家の次期当主。)

受け:東條葵(Ω。名門一家の御曹司に生まれたものの、事情により西園寺家へ仕えることになる。)

あらすじ

名門一家の御曹司として生まれた。御曹司ながらもΩとして生まれた彼は、実の母、そして後に父も亡くなったこともあり、義母とのいざこざを避けるために家を出ることに。幼い頃から支えてくれた執事の宮内と共に、大手自動車メーカー・西園寺家で使用人として仕事をすることになる。

しかし、西園寺の次期当主である次郎(α)は葵の魂の番(つがい)。初めて会った時から惹かれあった二人だったが、頑なに運命を拒もうとする次郎は、葵を無視して結婚相手を探し出す。

さちも先生『かしこまりました、デスティニー』のみどころ

作品の魅力1:BLを超えた存在となったオメガバース

もともとはBLを読む人のみ(おそらく)馴染みがあったオメガバースの世界。最近では非BL漫画でも使われているようですね。

実は私、オメガバースはちょっと苦手でしたが、さちも先生の作品がどうしても読んでみたくて(評判もよかったので)手に取ってみたら、すっかり心を掴まれてしまいました。

このお話は、オメガバース設定ではありますが、心情の葛藤が描かれており、何度か読んでいくと、この葛藤がなんとも心に響くのです・・・。

オメガバースの設定に関する補足情報が、各エピの間に掲載されています。それを読み飛ばしてざっと読んでも、お話は楽しめます。

ただ、しっかりセリフを汲み取っていかないと、展開が早いからか少しわかりにくく感じるかもしれませんので、ぜひ何度か読み返してみてください。読み返すたびに作品の良さが伝わってきます。

αは優勢、大抵の人はベータ、そしてΩは劣勢。そういった設定のようです。どの世界も、優劣をつけたがるのは、人間の性なんでしょうか。w

そして、このお話の主人公である西園寺次郎と東條葵のテーマは「魂の番」。

発情に関係なく、フェロモンで惹かれあうαとΩ、それが魂の番だとか。とても稀なことで、都市伝説のような設定になっています。

次郎はこの魂の番なのではないか、という設定でスタートします。

葵の執事である宮内は、葵を想いながら、次郎と葵の二人の関係が本当に運命なのかを見極めようとします。

この宮内もまた、切ない存在なんですよ。くぅ。涙。

宮内のお話は、下巻に続きます。

作品の魅力2:それぞれの葛藤

物語は上下巻で違います。

今回ご紹介する上巻は、御曹司たち(次郎と葵)のそれぞれの葛藤によって盛り上がっていきます。

上巻(全部で3話)だけでお話がほぼ完結しているため、ほどよい長さです。

ただ、短いせいもあってか、初めて読んだ時は少し理解するのに時間がかかりました。(私だけ!?)セリフを丁寧に読んで、何度か読みこむことをオススメします。

葵の葛藤

は名門一家の御曹司として生まれます。αの両親でしたが、葵はΩ。学力も優秀な葵でしたが、オメガバースの設定上、Ωは劣勢とされているため、一族の後継が難しい。両親が他界し、義母との確執もあり、自ら一族を去ります。そこに登場するのが、次郎の父、西園寺太郎です。

西園寺の家に使えることとなった葵と宮内(葵の執事)が、次郎の執事である久藤に指導を受けながら成長していく過程が描かれています。

初めて読んだ際に、この日々の訓練の部分だけ妙に目につき、執事のお話!?と思ったくらいでしたが(笑)、要は、葵は頑張り屋さんということで。w

葵が次郎に始めて出会った際、次郎から花のような香りが漂ってきました。そして、この人こそ、自分の運命の番だ!と確信します。

しかし、葵は最初 次郎に拒絶されてしまった。さらにはΩ(劣勢)として生まれてきた自分の運命をも受け入れ、なんとか自分の人生を歩もうと奮闘します。

次郎の葛藤

次郎は、αとして生まれてきたものの、成績も思うように上がらず、立場や家族からのプレッシャーに応えられないのではないかという葛藤があります。また、幼い頃からΩなのに優秀な葵と比較されることで、嫌悪感さえ感じていた。

そんな二人が初めて出会い、お互いに惹かれ合ったことも受け入れ難く、運命を頑なに拒もうとする。それが次郎。

お父さんの名前が太郎で、そこから付けられた次郎という名前さえ気に食わないらしい w かわいいやつです。

設定そのものはそれほど特別ではないのですが、感情の起伏がとてもよく描かれていて、何度か読むと、切なくなってきます。

読者それぞれに、何らかの葛藤があるかと思います。自分ではどうしようもない環境、運命のようなもの、そんなものを受け入れるべきか、また自分で切り開いていくのか。そんな自分の人生さえも、考えさせられます。

作品の魅力3:宮内の愛

上巻で少し登場するのが宮内の存在。葵に仕える執事です。この宮内の存在が物語のキーにもなっていきます。

上巻は、葵と次郎のお話が中心です。そこにさりげなく登場する宮内と、次郎の執事である久藤。βの宮内はどうやら葵に想いを寄せているようで、次郎に拒まれた葵に想いを打ち明けます。葵は宮内を慕うも、番である次郎に惹かれるため、宮内の気持ちに応えることはできない。「運命」から逃れることはできない。

葵が感じる「番」という運命。そして、宮内は自分がβということもあってか、二人の間にはどうしても入り込むことができないもどかしさがあります。

上巻で、物語はある程度区切りがつきます。

そして、下巻での宮内と久藤のお話へと続きます。

さちも先生『かしこまりました、デスティニー』を今すぐ読む方法

さちも先生『かしこまりました、デスティニー』は、非常に残念なのですが、電子書籍がありません!!!

さちも先生のX(旧Twitter)でも、以前事情が説明されていましたが、出版元であるふゅーじょんぷろだくととトラブルがあったようで、契約終了となったようです。

そのため、電子および紙媒体はどちらも販売終了となっております。

今現在、中古本でのみ読むことができます。

どちらにしてもこの作品、装丁がとても素晴らしいので、ぜひ状態の良い中古本を見つけてお読みいただければと思います。

さちも先生『かしこまりました、デスティニー』をより楽しむ方法

こちらのお話、ドラマCDがリリースされております。


残念ながら、今現在は新品での入手は非常に難しいです。

中古では見つけることができるかもしれませんので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

オフィシャルサイトはこちらです。

ドラマCD かしこまりました、デスティニー 特設サイト
ドラマCD かしこまりました、デスティニー

まとめ

今回は、さちも先生のオメガバース物語である『かしこまりました、デスティニー』の上巻をご紹介しました。電子で読むことができないのは残念ですが、ぜひ中古本で読んで欲しいです。私のように、オメガバースがちょっと苦手・・・という方にも、もしかしたら楽しめるのではないかと思います。では、下巻のご紹介までしばしお待ちください。

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