こんにちは。
今日は、さちも先生の『かしこまりました、デスティニー - Answer – 』をご紹介しようと思います。
電子書籍になることは(おそらく)ないので、今現在、紙本で読むことしかできません。が、さちも先生の代表作といっていいし、本の装丁もすばらしいです。
作品データ
かしこまりました、デスティニー - Answer – 上下巻
さちも
刊行年月:2017/06.10, 2017/07.10
出版社:ふゅーじょんぷろだくと
★ 写真はシリーズ1作目の『かしこまりました、デスティニー』です。
どんな作品?
さちも先生の代表作の一つである『かしこまりました、デスティニー』の続編。
上巻は、2016年10月24日にリリースされたアンソロジー『オメガバースプロジェクト season III-1』から『season III-3』(2016/12/24発売)までに収録された3話、そして描き下ろしを収録。
下巻は、アンソロジー『オメガバースプロジェクト season III-4』(2017/1/24発売)から『season III-6』(2016/12/24発売)までに収録された3話、そして描き下ろしが収録されています。
上下巻どちらの描き下ろしもとても良い。
また下巻には巻末に折り込みのカラーイラストがあるんですが、ラストエピソードの読後に見ると、心が和むんです〜❤️❤️❤️
オメガバースがテーマになっています。
馴染みのない方には少し馴染むのに時間がかかるかもしれませんが、上下巻どちらにも設定説明が数ページありますので、そちらも参考にしながら読み進めると理解できます。(そもそも今時、オメガバースに馴染めないのは私だけかも…… w)
この紙本、本当に装丁がすばらしいです!
紙質やレタリング(箔押し)、見返りやカラーイラストがあり、そして表紙をとると、今ではおなじみとなったミニマンガもついています。紙本ならではの工夫が垣間見られ、日本の豊かな漫画文化の歴史の流れも汲み取れます。
さちも先生『かしこまりました、デスティニー』シリーズを読む順番
このシリーズは、4冊リリースされています。
- かしこまりました、デスティニー 上下巻
- かしこまりました、デスティニー -Answer- 上下巻
残念ながら、出版社とのトラブルなどもあり、この作品の電子書籍は販売終了となっています。紙本に関しても、新品は販売終了になっているため、今現在は中古本のみ入手可能です。
私も中古本で購入しましたが、状態はとてもよかったので、中古のものに抵抗がなければぜひ読んでほしいです!
本を読まれるとわかりますが、さちも先生としてはこのシリーズの続編を描きたかったのだろうと思います。今は他の長編を連載中ですので、もうこのシリーズを描かれることは難しいでしょうか……。
今回は、シリーズ続編の『かしこまりました、デスティニー -Answer- 』上下巻をご紹介します。
カップリング
攻め:久藤優人(α。執事長。宮内に惹かれ、今後の関係性を模索中。)
受け:宮内一郎(β。久藤によって目覚めた初めての感情に、戸惑っている。)
あらすじ
大手会社を経営する西園寺家に仕えるβ、宮内。
執事長の久藤(α)からの愛情を受け入れたものの、久藤の魂の番(つがい)に勝ることはできない。βである自分は、久藤の一番になることはできないと思い、自分の気持ちを抑えようとしていた。
そんな矢先に、南雲という科学者が登場。南雲は自分が気に入っている久藤の幸せを執念に願い、ハジメというΩをつれてきた。どうやらこのハジメは、久藤の魂の番(つがい)なのではーーー。
宮内が恐れていた久藤の魂の番の存在、自らの劣等感との葛藤、そして久藤も、宮内への想いを募らせながらも、ハジメの登場で、自らの運命と向き合うことになります。
さちも先生『かしこまりました、デスティニー – Answer -』ネタバレ!?感想・レビュー
もし、前作である『かしこまりました、デスティニー』を未読の方がいましたら、そちらを先にチェックすることをオススメします。
この作品だけを読んでも楽しめますが、物語のつながりを見るには、やはりシリーズを通して読むとより作品の深さを感じることができます。
作品の魅力1:運命とは
タイトルでもあるデスティニー destiny。
運命という意味です。
前作では、次郎と葵の間に新しい命が。オメガバースの世界は、男性も妊娠するという設定のようです。
正直、赤ちゃんや子供が出てくる作品はあまり好みではないんですが、今回に限っては葛藤により深みが出ていたかと思います。
上巻と下巻の葛藤ポイントも若干移り変わりもあり、作品全体を通しての読み応えがありました。
宮内の葛藤は、前回と同様、βであるが故の悩み。
αである久藤への想いはあるのだけど、久藤には魂の番(つがい)なるものの存在もあるため、宮内は自分が久藤の一番になることができないという劣等感に苛まれます。
また、さらにもう一つ奥深い心底には、別の理由も潜んでおりました。(このお話の展開、とてもよく練りこまれていたと思います。)
前作は完結はしているものの、作品の奥深さでいえば、こちらの方はより心理描写があり、またストーリー展開も先を見据えた展開になっています。
突如として登場した南雲という新キャラ。
彼はどうやら久藤に想いがあるらしく!?、久藤の幸せを願い、彼の魂の番だというハジメという人物を連れてきます。
このハジメの存在も謎なのですが、物語の進行から、この二人の背景はおそらく続編で描かれる予定だったのでしょう。
久藤は、ハジメの登場により、想いを寄せている宮内の存在と、ハジメ(運命)を拒むことができるのか、悩むことになります。久藤なりの過去話も出てきますが、実はより複雑な人間関係が絡んでいます。
物語には、運命は自分で変えることができるというメッセージがあります。
もしあなたが数学的に時間や偶然性を考えていないのであれば、受け入れられるポジティブなメッセージだと思います。😊
作品の魅力2:スピーディーな展開と希望
がっつりと葛藤する心理描写が続くシリアスな内容ではあるのだけど、ところどころにさちも先生のユーモアあふれるて手書きのセリフが箸休めになっています。
また、お話は上下巻でしっかりと展開していき、ほどよいスピード感があります。
決してダラダラ感はなく、また雑な描写もありません。
ところどころ伏線回収していない点はありますが、それは続編が考えられていたからだと思います。
前作、そして今作とも、描き下ろしで、希望あるエンディングにしてくれています。今作の描き下ろしは特に、久藤と宮内の関係性がとてもよく描かれていて、さらに巻末には折り込みのカラーイラストが!読み終わった後にそのイラストを見ると、なんとも微笑ましい。❤️
表紙のデザイン。
前作同様、レタリングの箔押しは、上はゴールド、下はシルバーと、対になっています。複雑な環境と心理描写の末、二人がたどり着いた結論を読むと、ほんと胸が熱くなるし、希望があるんです。
作品の魅力3:さちも先生の画力
さちも先生の絵。魅力的だと思います。特に好きなのが、唇の描写。
キスシーンが何度か登場しますが、唇の質感がわかるような、やさしい描写が大好きです。
すばらしい画力は、この素晴らしいストーリーがあるからこそ活きてきます。物語にのめり込むほどゾクゾクする二人のラブシーンにグッときます。
気になった点:出版問題
この作品の出版元は、「株式会社ふゅーじょんぷろだくと」です。
残念ながら、出版会社とのトラブルで、続編は(今現在)描かれておりません。
作品を読むとわかるのですが、この作品は続編が前提で描かれています。(物語はしっかり完結はしておりますが。)世界観がいい感じで読者に馴染んできたシリーズ2作目で終わってしまい、非常に残念です。
出版会社とのトラブルは結局そのままなのか、今現在は、この書籍自体、電子も紙本も販売終了(停止!?)となっております。
トラブルの詳細は、当事者にしかわからないことでしょうし、本を作るにあたっては、クリエイターありきではありますが、一人で作ることもやはり難しく……。ビジネスなので、トラブルはつきものですね。
でも、中古本で読むことになります。
装丁がとても素晴らしいので、ぜひ状態の良い中古本を見つけてお読みいただければと思います。私も中古本を見つけましたが、非常にきれいで、大変満足です。
さちも先生『かしこまりました、デスティニー – Answer -』を今すぐ読む方法
さちも先生『かしこまりました、デスティニー – Answer -』を今すぐ読む方法は、いつもなら電子書籍なんですが、この作品に関しては、電子書籍がありません!!!
さちも先生のX(旧Twitter)でも事情が説明されていましたが、出版元であるふゅーじょんぷろだくととトラブルがあったようで、契約終了となったようです。
そのため、電子および紙媒体はどちらも販売終了となっております。
今現在は、中古本でのみ読むことができます。
装丁がとっても素晴らしいので、ぜひ状態の良い中古本を見つけてお読みいただければと思います。(先生のファンなら、新品でほしいですよね。。。)
便利な電子書籍で、さちも先生の他作品を今すぐサンプルチェックすることもできます。
さちも先生の1巻完結作品もありますし、現在連載中の『黒か白か』も人気のシリーズです。
オススメの電子書籍サイト(特にBL)は、コミックシーモア、Renta!レンタ。
特にコミックシーモアは頻繁にクーポンが発行されますし、BL作品ではコミックシーモアのみ付属・配信される小冊子もあるので要チェック!
コミックシーモアの月額コミック読み放題が一番お得!BLも読み放題!
さちも先生『かしこまりました、デスティニー』をより楽しむ方法
こちらのお話、ドラマCDがリリースされております。
が、今現在は新品での入手は非常に難しいです。
中古では見つけることができるかもしれませんので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
オフィシャルサイトはこちらです。
まとめ
長くなってしまいましたが、今回はさちも先生の代表作の一つである『かしこまりました、デスティニー -Answer-』をご紹介しました。
さちも先生は現在『黒か白か』を連載中で、そちらも面白い作品です。
10巻以上続く長編作品のため、さちも先生の作品をちょっと読んでみたいなぁという方には、こちらのシリーズの方が読みやすいと思います。紙本の中古本になってしまいますが、物語は素晴らしいので、ぜひ読んでみてください。みなさんの感想お聞かせください。
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