こんにちは。
今日は、海野幸先生の2025年作品『偏食家のためのレストラン』をご紹介します。
美味しいものは登場するでしょうか?
作品データ
偏食家のためのレストラン
海野幸 Sachi Umino
イラスト:蓮川愛
刊行年月:2025年07月20日
出版社:二見書房(シャレード文庫)
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どんな作品?
海野幸先生の2025年作品。
食べることに全く興味のないリーマン・千秋と、料理人の友光(ともみつ)のお話です。
20代のお話。海野先生の描写には可愛らしさやコミカルさがあり、ほどよい優しさとユーモアが楽しめます。
また、蓮川愛先生のイラストも物語に馴染んでいて、素敵です。
タイトルからも連想される通り、食べ物がいくつも登場します。特別高級なグルメではありませんが、丁寧に描写されており、食べ物を介して千秋と友光の距離が近づいていく過程が描かれています。
会話の内容からも、二人の内面(特に物語の視点である千秋の)が描かれており、わかりやすい作品です。
食いしん坊の読者(私です!w)にもオススメですし、千秋と友光の恋物語も適度な距離感がとられているため、じりじりと近づいていく二人の心情描写と、最後のお楽しみ w が堪能できました。
BL描写は激しくありませんので、BLにまだ抵抗がある人でも、この二人のあれこれなら読みやすいと思います。
友光がとてもやさしい好青年で、読んでいて優しい気持ちになりました。
カップリング
攻め:友光(ともみつ:千秋の高校時代の同級生。料理人)
受け:柳井千秋(不動産会社に勤めるイケメンリーマン。仕事はできるが、機械的な生活に物足りなさを感じているこの頃。)
あらすじ
不動産会社に勤める千秋は、イケメンで仕事もできるが、食にまったく興味がない。「正しい食事」と称して、必要な栄養素を機械的に取るだけで、食事中の会話や味には拘らない。必要な栄養だけを取り、機械的に仕事をして、家に帰る日々。そんな毎日にどこか虚無を感じる千秋。
ある日立ち寄った本屋で、高校時代の同級生・友光と再会する。彼は今料理人をしているようで、食べることに興味のない千秋を店へ誘うのだがーーー。
海野幸先生『偏食家のためのレストラン』:ネタバレ!?感想・レビュー
海野先生の作品は、どれも優しい作風で、読みやすいです。表現もキラキラしすぎず、でも飽きのこない巧みなフレーズで楽しませてくれます。
ドラマチックな展開はないものの、読者の生活にあった等身大の悩みや葛藤が描かれ、恋愛模様も丁寧に描かれているのが特徴です。

作品の魅力1:グルメ描写
千秋は食べることに無関心。毎日食べるサラダも、食物繊維を摂取するのが目的で、無味乾燥な草を食べているだけ。機械的に食事をする千秋に、偶然再会して料理人となっていた友光は、千秋が食べたいものを提供することを提案します。
友光が手伝っているという叔父のお店で、二人の共通の休日である水曜日に定期的に食事をすることになります。
食べ物描写はとても美味しそうですが、決して高級グルメが登場するわけではありません。
また、食べ物そのものもそうですが、調理をする過程、そして物語のキーとなるのは、千秋が食べたいものを徹底して掘り下げて探っていく過程が描かれています。
そこには、友光の性格や優しさ、千秋への複雑な思いがあるのですが、掘り下げ方は、食に限らず、私たちが本当に心の奥に抱えている問題や疑問、わだかまりなどを自ら問うていくヒントになるかもしれません。
体が出している何らかのシグナルに気づくきっかけになるかもしれません。
忙しいからこそ、自分と対話する時間が必要なことを、忘れがちな人は多いですね。
それにしても、千秋よ……。悲しいがな、あなたは本当に美味しい野菜を食べたことがないだけなのですよ。美味しい野菜を食べたことがあれば、草などとは思えないのですよ。野菜だけを貪り食いたい、おかわりしたいという衝動に駆られるのですよ、あれは……。
作品の魅力2:友光

物語は千秋の目線で描かれていますが、この友光が本当にいいヤツなんです。
シンプルな文章で描かれているのに、ここまで友光の魅力(性格はもちろん、容姿も)が感じられるのは、海野先生の文才だと思います。
どんな時でも千秋に優しく寄り添う姿勢は、読者をも優しく包んでくれることでしょうし、こんな人間になりたいなと思わせてくれます。
友光にも、葛藤があります。
料理人になったものの、学校を卒業後に務めていたフランス料理店が閉店してしまったり、そのレストランの影響もあり、料理人としての気力を失ってしまいます。
そんな時、千秋と再会したことで、少しずつやる気を持ち直していきます。
千秋との学生時代のあれこれや、彼がなぜ料理人になったのか。興味深い友光の詳しい背景は、本編でぜひ確認してみてください。❤️
作品の魅力3:千秋

食を含めて、機械的に物事を進める千秋には、理由があります。
彼がこのような性格になったのは、特殊な家庭事情、そして過去の体型にあります。
あれこれハイカロリーなものも食べていた千秋は、幼少期にぷくぷくと太ってしまいます。そのため、クラスメイトに笑われたことがある。それがトラウマとなり、徹底して必要最低限の栄養素だけを取るだけの食事、千秋いわく「正しい食事」をストイックに続けて、程よくスマートな体型を維持する。
食べたいものばかりを食べると、きっと子供の頃のあの体型に戻ってしまうに違いない。そして人に笑われるーーー。そんな恐怖感があり、食生活、さらには生活そのものを機械的にこなす毎日。
仕事の成績もいいのに、時折油断すると、虚無感に襲われる。
そんな時、偶然友光に再会します。
考えようとしなかった過去のトラウマの本当の問題、そして友光との高校時代の関係性がゆっくり思い起こされる過程が丁寧に描かれているのが見事でした。
さらに、食を介して千秋と友光の対話が面白く、回を追ってより心を開いていく二人を覗くことができます。こんなの恋に落ちるに決まっていますよ。w
千秋自身、徐々に自分の心の変化に気づいていきます。
恋愛はもちろんですが、友光からの問いかけに、千秋は自分の心の奥底を探っていきます。本当に食べたいもの、本当の自分の気持ち、過去にあったあのトラウマで、自分が何を感じたのか……。
自分の内面を問うていく過程は、多くの小説にありますが、食を介することで、食物繊維やビタミンなど、栄養素を真剣に語る二人を妄想するだけで可愛らしく、コミカルです。
海野幸先生『偏食家のためのレストラン』を今すぐ読む方法
海野幸先生『偏食家のためのレストラン』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
私がよく利用する電子書籍サイトは「ebook japan」かレンタル本が豊富な「
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どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
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まとめ
今回は、海野幸先生の『偏食家のためのレストラン』をご紹介しました。
海野先生の作品は、これからゆっくりと過去作を拝読しようと思っています。皆さんのオススメありましたら、ぜひ教えてください。
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