こんにちは。
今日は、南月ゆう先生の人気シリーズ『ラブネスト』の下巻をご紹介します。
旭と穂積カプは特に好きで、よく再読するシリーズです。
作品データ
ラブネスト 下巻
南月ゆう
刊行年月:2019年06月15日
出版社:新書館(ディアプラス)
上巻のモノトーンでピュアな色合いも素敵ですが、下巻の色鮮やかに変化した二人の環境が、物語の全てを表しています。❤️
どんな作品?
南月ゆう先生の人気シリーズです。
この世界観は『サヨナラゲーム』から始まりました。高校時代の野球部員だった有村と後輩・要祐のお話。その後、この二人の続編『チェンジワールド』に登場したちょっぴり意地悪な穂積(ほづみ)が、今回ご紹介する『ラブネスト』の主人公です。
いきつけバーのオーナーであるナルの別宅で居候を始めた穂積と、そこに先に住んでいたナルの友人・旭(あさひ)の物語。
旭はノンケですが、生活は少しズボラではあるけれど、人間関係に関しては真剣に考える誠実な人間。
上巻では二人の関係は近づいたものの、はっきり言葉による約束はありませんでした。今回ご紹介する下巻は、そんな二人の曖昧な関係性からスタートします。
とにかくたくさんのイベントが次々に起こり、全く退屈させないストーリー展開。最近は、上下巻でも序章のように終わってしまい、その後の続編を読むまで満足感が得られないコミックスが多かった中(私だけですか?)この2冊は読み応えたっぷりの展開です。
また、BLファンサービスもしっかり入れてくれるのが南月先生の素敵なところ。
下巻には、BL雑誌『Dear+』2018年11月号〜2019年4月号までに連載された6話、そして描き下ろしが収録されています。(月刊連載、おつかれさまです!)
南月ゆう先生『サヨナラゲーム』『ラブネスト』シリーズ:読む順番
南月ゆう先生のラブネストを含むサヨナラゲームシリーズを読む順番は、以下の通りです。
- サヨナラゲーム
- チェンジワールド 上下巻
- ラブネスト 上下巻
- ラブネスト 2nd 上下巻
- エンゲージ 既刊4巻(2025年連載中)
『ラブネスト』はもともと『チェンジワールド』というお話からのスピンオフになります。チェンジワールドのメインカプである有村 x 要祐もその後も登場して、世界観がつながっています。
キャラの設定や雰囲気はそれぞれ違っていて、どの作品も魅力があります。南月先生の画力もどんどん進化しており、イラストが好きな方もぜひチェックしてほしいです。
カップリング
攻め:旭(あさひ:建築士。下巻では旭の過去がしっかりと…… )
受け:穂積匡人(ほづみまさと:なんとか古傷は新しい恋で上書きできそうでしたが……)
下巻のあらすじ
旭への恋心に気づいた穂積。旭もそれを感じ取ったものの、それに応えられるかどうかはわからないと言う。それでも一線を超えた二人。
「俺のことを好きにさせてみせる」と意気込んだ穂積だったが、あの日以来、なかなか旭との距離も縮まらない。
そんな時、旭の弟が海外から帰国した。しかもその弟というのが、実は穂積が不安定な時代に知り合った男の子だったーーー。
南月ゆう先生『ラブネスト』下巻:ネタバレ!?感想・レビュー
上下巻で描かれているこの物語ですが、二人のそれぞれのお話がしっかりと描かれています。今回ご紹介する下巻には、旭の過去の恋愛が中心に描かれています。
作品の魅力1:出し惜しみのないストーリー
みなさん、最近のBLコミックス、1冊を読んだ後って満足してますか?
正直BLだけに限らず、漫画1冊の満足度がどうも今ひとつ……。
もちろんそれは長い間漫画を読んできた自分の好みにもよるのかもしれません。漫画の楽しみ方が変わってきたのかもしれません。
でも、私にとって、漫画はイラスト集でもなければ小冊子でもないんです。X(旧Twitter)などで見られるようなイラストをまとめたものじゃないんです。
筋の通ったストーリーが感情マックスで惜しみなく展開されることを期待している。
そんなモヤモヤが募っていた自分の心を満足させてくれたのが、この『ラブネスト』上下巻です。
この連載の後で『ラブネスト 2nd』が始まるわけですが、決して序章のようにも感じません。とにかく出し惜しみを感じず、その時に可能だった先生の考えや全力を詰め込んだ…のではないかと、勝手に想像させられるくらい、ストーリーやあれこれが詰まっています。
旭と穂積のどちらも、長い間過去から抜け出せなかった。傷は癒されたものの、気持ちが揺れ動くほどの誰かに会うことはしばらくなかった。
そんな二人が出会い、相手に求め、求められたいという気持ちを持って前へ進んでいく過程が、さまざまな過去のエピソードや今を通して描かれています。
そこに、南月先生の素晴らしい画力、小説のような語り部レイヤーで武装されていきます。
お話そのものにも力強さを感じましたが、正直この作品全体に、南月先生のメラメラとした野心……いや、向上心のようなものさえ感じました。もっといい作品にしたい、という思いが勝手ながら伝わってきた。
作品の魅力2:交差する人間関係
下巻のみどころは、なんといっても旭の過去です。上巻で穂積の過去の失恋が語られましたが、下巻では旭の過去が中心です。
旭と家族
父親は大工さんでしたが、怪我をして職を失います。それまで円満だった家庭が崩壊してしまう。そんな中で旭は幼い弟・恒生(こうせい)の面倒をみながら、自分は大工さんになって、住んでいる人たちみんなが幸せになれる家を作ろうと、夢を語ります。
旭とナル
そんな夢を胸に、チラシの裏に描いた旭の考える理想の家。その模型を作って、形にしていきます。そんな高校生の時から、旭とナルは友人でした。二人の面白い馴れ初めも、もう少しだけ本編で読み取ることができます。
恒生と穂積
旭の弟・恒生と穂積にも、実は過去がありました。穂積が失恋後、荒れ気味な時期に二人は知り合い、いざこざがあった。まさかあの時の男の子が旭の弟の恒生だったとは、当然穂積も知らなかった。この事実を知ることで、旭との関係がギクシャクしていきます。でも、旭は実は……。
穂積の交友録
旭は、一人の人間に誠実に向き合って、付き合っていくタイプです。
それに対して、穂積は社会性があるのか、フラフラしてトラブルもありつつ、根がいいやつなので、友達付き合いがある。作中でも、真理江、有村(郁)や伊藤に相談することもある。
もちろん、ナルにも……。
自分は相談する相手、痛みを癒してくれる友達がいるけど、旭はどうだろう、と穂積は考えていきます。
さまざまな登場人物との些細な繋がりから、相手をどう思い、どう対応していくのか、この作品で見せてくれます。それは恋愛や情欲だったりするわけですが、要は、人間との付き合い方を見せてくれます。
人との付き合いが希薄になってきた現代の私たちへのメッセージでもあるかなと思います。
作品の魅力3:絡み
南月先生は、いつもファンサービスがとてもいい。
こんなに少女漫画のような複雑に練り込まれたストーリーで楽しませてくれるのに、決してBLサービスも忘れていません。しかも、絡むシーンは必ずどちらかのキャラのイメージが豹変するんです。w
この作品の場合は、うーん、穂積かな w
陽気でちょっと意地悪な性格の彼ですが、後ろはずっと大切な人のために頑なに守ってきたんですよ!(何の話だ…… w)そして、気持ちが通じた旭と「惜しみなく」情事を楽しみます〜。❤️
……私が去年、BLを読み始めた時は、濡れ場にちょっと抵抗がありましたが、今は何も感じることがなくなり、さらにはもっとページ数増やしてもいいのでは?とさえ思うことも…… w
慣れとは、怖いものです。
南月ゆう先生『ラブネスト』を今すぐ読む方法
南月ゆう先生『ラブネスト』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
私が最近よく利用する電子書籍サイトは「ebook Japan」かレンタル本が豊富な「
Renta!レンタ」です。
どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
ebook Japan:クーポンが魅力です。無料漫画も多々あり。
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南月ゆう先生『ラブネスト』をもっと楽しむ方法
この『ラブネスト』は、オーディオドラマもRenta!で視聴可能です。
オーディオも、良いんですよ、これが…… ❤️
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まとめ
今回は、南月ゆう先生の『ラブネスト』下巻をご紹介しました。
『サヨナラゲーム』からスタートしたこの世界観。今は現在連載中の『エンゲージ』まで続いていますが、個人的にこの『ラブネスト』は漫画としてのクオリティが非常に高い作品だなと思っています。
まだ未読の方は、ぜひ一度、読まれることを強くオススメします。
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