こんにちは。
今日は、里つばめ先生の人気シリーズ『DOGS』の2作目、『DOGS inflight』を感想と共にご紹介します。
二人の関係はなんと呼ぶのか。付き合っているのか、ただの体の関係なのか・・・。妙にセンシティブな矢島と、職場が変わった斉藤とのやりとりを、つばめ先生が面白く描いてくれています。
作品データ
DOGS infight
里つばめ
刊行年月:2019.07.15
出版社:大洋図書(CRAFT)
どんな作品?
『DOGS』は、里つばめ先生の人気シリーズの1つ。また、もう一つの人気シリーズ『GAPS』のスピンオフ作品です。
この『DOGS infight』は、BL雑誌『CRAFT』vol, 71, 77-89に渡り連載されたエピソードがまとまった1冊。
警視庁丸ノ内署、生活安全課に所属する巡査部長・矢島(やしま)と、彼の元上司だった斉藤の恋愛模様、進行中。自分の手元においておき、なんでも思い通りにならないと気が済まない斉藤の独占欲。矢島の中に芽生える謎のイライラ感、そして斉藤との微妙な関係性にどうやって対応していくのか、目が離せないカップル!
里つばめ先生の『DOGS』シリーズは、2024年現在、3作品まで出ております。読む順番は以下の通り。
- DOGS (2016)
- DOGS infight (2019)
- DOGS dog eat dog(上下巻)(2023)
1巻で物語は完結していますが、つばめ先生のアイディアと体力が続く限り、ずっと続いていくシリーズです。はっきりした完結のないお話なので、今回が最後かも・・・と思って、真剣に読んでます。w
カップリング
攻め:斉藤誉(警視庁の警視。矢島の元上司。独占欲の塊で。ストーカーまでしちゃいます。)
受け:矢島千紘(斉藤に会えなくてちょっとひねくれちゃったり、意外とかわいいところがあるのが魅力的)
あらすじ
警視庁丸ノ内署、生活安全課に所属する巡査部長・矢島(やしま)。元上司だった斉藤が異動になり、1週間音沙汰がなくなったくらいでひねくれたり…。
気持ちを汲み取った斉藤は、矢島をデートに誘ったりと、なんだかんだでどうやら付き合い始めた二人!?
二人の気持ちがずれた状態なわりには、やることはやっている二人だけど、そんな時、斉藤の兄から呼び出された矢島。どうやら斉藤がお見合いをするらしい。自分のはっきりとした気持ちがわからない矢島は、ジェラシーなのか、混乱なのか、とにかく斉藤との関係をはっきりさせようとする。
自分なりに愛情を伝えたつもりだった斉藤だが、それ以上に独占欲が掻き立てられ、ついにはストーカーまでするようになってしまった斉藤。w
そんな中、矢島がふと知り合ったイケメンの家に連れ込まれた。そのイケメンはどうやら監禁事件に関与しているようでーーーー。
里つばめ先生『DOGS infight』のみどころ
2巻とされる『DOGS infight』は、大きな事件はありませんが、斉藤の家族が登場します。1巻でも登場した兄と、2番目の兄も登場。斉藤家のいざこざに巻き込まれる矢島。そしてそれを機に、自分のモヤモヤした気持ちに区切りをつけようとするのですが・・・。
作品の魅力1:斉藤の家族
2巻のメインのお話は、斉藤の家族問題。
事業家の斉藤家(斉藤グループ)の後継問題。3人の息子のうち、結婚しているものに跡を継がせるという父親の申し出に、三男である誉に結婚してもらうよう、勧めてくれないかと長男の要が矢島に相談します。
矢島は、自分と誉の関係がなんなのか、はっきりとわからない。体だけの関係かと思っていたら、どうやら斉藤からの好意もしっかりと感じられる。そして、会えなかっただけでイライラしてしまう自分の中の気持ちの変化にも戸惑い始めている。ここは、一気に関係を切ってしまおうとするのだけど、どこか落ち着かない。
2巻では、医者である斉藤家の次男も登場して、斉藤家が勢揃いするのも面白いです。兄弟同士の微妙な関係、そして結婚という言葉に対処できない自分の気持ちにヤキモキする矢島の描写も面白い。
斉藤家の長男・要と会ったあとで、矢島は珍しく自分から誉を誘います。その時の絡みがまた彼の心情をうまく表している。モヤモヤした気持ちが抑え切れないのか、はたまた女の子への嫉妬心なのか、それとも最後だからと割り切ったからなのか…、自分の感情をよりオープンにする矢島の描写が非常に良い。
結婚。
その言葉、存在が、矢島の心に焼きついているのが作品全体からわかります。
作品の魅力2:斉藤の執着心
要から、誉に結婚を薦めてくれと頼まれた矢島。自分の誉への気持ちの整理もつかず、さらにはお家問題、そして片桐からも「女ができたのか?」と言われ、複雑な自分の関係・感情に対応できない。そんなモヤモヤした気持ちがしらばく続く矢島。
彼はいっそ斉藤と距離を置こうとするのだけど、独占欲の強い斉藤は、当然納得するはずがなく、矢島をストーカーまでして説得しようとします。
ものごとが思い通りにいかないとすまない斉藤の性格は1巻でも描写されているのだけど、2巻ではストーカーまでする彼の執着心がなんとも面白いです。
抑えられない彼の矢島への感情は、どこまでも続きます。事件に巻き込まれそうになった矢島の元へ駆けつけたときも、嫉妬心がギラギラで、まっすぐ矢島へ話しかけます。矢島は矢島で、やはり胸に突っかかっている「結婚」の言葉を口にする。そしてそこに挟まれた容疑者!?は彼らの視界にはまったく入っていない、という。w
2巻は正直、二人の感情のすり合わせのようなものでしょうか。付き合っていると思っている斉藤と、体の関係だけ・・・なのか、そこに何があるのかまだわからない矢島。お互いはっきりとは言わないのだけど、どうやら二人の間には明らかに「感情」があるようで・・・。その感情がなんなのか、明確に出来ない、もしくはしたくないもどかしさ、そこに出てくる結婚問題など。こじれて喧嘩みたいになるのだけど、結局最後に仲直りはできるのか。
はっきりとした言葉の描写はあまりありません。読者がゆっくりと汲み取っていくスタイルなので、何度も読み返して、二人の行動の背景にある心情を読み取るスタイルになっているのも、作品の魅力です。
作品の魅力3:絡み
里つばめ先生の作品の魅力の1つは、絡みです。
というか、まったくもって個人的見解。
私個人の嗜好。w
直接的な描写はありませんが、セリフや体位でエロティシズムを表現していると思います。言葉攻めとも違います。お互いの想いや気持ちの高ぶりをうまくセリフに落とし込んでいるのが魅力です。
また体位の見せ方も特徴があり、先生の萌えを汲み取りながら読んでいくのも興味深い。
里つばめ先生『DOGS infight』を今すぐ読む方法
里つばめ先生『DOGS infight』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。
コミックシーモアはクーポンが魅力。無料書籍や試し読み部分が多めです。BLに関しては、修正が少し甘めなものもあります。
Renta!は、レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入することもできます。お好きな先生の情報をチェック。
まとめ
いかがでしたか。『DOGS』シリーズは、里つばめ先生の人気シリーズ『GAPS』のスピンオフではあるのだけど、CPの二人の性格は全く違います。
どちらも男らしさがあり、クセのあるキャラなのが読みがいがある。そして、脇キャラたちも徐々に増えてきたり、事件が起こるので、そちらのお話も気になります。
執着、嫉妬心が止められない斉藤と、これまた嫉妬心、はっきりと自分の気持ちを認めたくない矢島。二人の喧嘩、最後には仲直りできるのか、ぜひ読んでみてください。
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