大島かもめ先生『仕立て屋と坊ちゃん』2巻に見る片山の熟成度と秀一郎の成長

大島かもめ
本ページは、アフィリエイトによるプロモーションが含まれております。

 

こんにちは。

今回は、大島かもめ先生のデビュー作『仕立て屋と坊ちゃん』の2巻をご紹介します。ひとまわり以上歳の差のある仕立て屋と御曹司のお話。繊細でイケオジの切ない表情が絶妙な大島かもめ先生の画力も堪能できる2巻です。

個人的には、かもめ先生の作品で(今のところ)一番好き作品です。

作品データ

仕立て屋と坊ちゃん 2巻

大島かもめ

刊行年月:2017.12.09

出版社:海王社(GUSH comics)

どんな作品?

大島かもめ先生のデビューコミック『仕立て屋と坊ちゃん』の2巻目。

1巻、2巻どちらも単巻でも楽しめる内容になっています。2巻は2017年12月リリースでしたが、かもめ先生の画力が一気にアップ!片山のイケオジ感に震えるほどしびれました。w 先生はこれをデジタルで描いたのでしょうか?だとしたら・・・すばらしすぎる・・・。

2巻のエンディングも一応きれいにまとまってはいますが、完結の感じはなく、まだ続いてくれるといいのですが・・・。続きのお話というよりも、いくつかのお話に番外編をまとめた1冊といった感じなので、個人的には、いつか、この二人の何らかの完結を期待しています。

子供の頃から憧れ、恋心さえ抱いていたテーラーの片山に片思いをする良家の御曹司・秀一郎。1巻では秀一郎が成人したのをきっかけに、片山に想いを伝えて関係をもったのだけど、なんとか自分に振り向いてほしいと奮闘する秀一郎が描かれていました。

この2巻は、大島かもめ先生の画力もかなりアップして、秀一郎、片山の熟成度がすばらしい!凛々しくなった秀一郎と、中年の脂がのった片山の二人の恋の駆け引き。心も通い合って、体の関係も熟していくのが本当に魅力的です。

カップリング

攻め:高宮秀一郎(たかみやしゅういちろう:大学も無事に卒業して、社会人になりますよ。)

受け:片山彰(かたやまあきら:熟成度にクラっ。2巻では年齢が判明。)

あらすじ

高宮秀一郎は、良家の御曹司。秀一郎が7歳の時から想い続けていた仕立て屋の片山とたまにあっては体の関係を重ねるのだけれど、この関係は、何と呼べばいいのか。

そんな時、片山の昔の知り合いがロンドンから帰国してきます。どうやらロンドンで活躍する日本人らしく、昔片山と一緒に仕事をしていたとか。そして、独立に伴い片山をスカウトしに来たという。

自分は片山のなんなんだろう・・・。自分は彼にふさわしい人間なんだろうか、と悩みはじめます。

大島かもめ先生『仕立て屋と坊ちゃん』2巻のみどころ

作品の魅力1:キャラの熟成度

2巻の魅力の1つは、なんといっても大島かもめ先生の画力です。

1巻(デビューコミック)に比べて、画力がかなりアップしており、秀一郎と片山が見事に熟しております。❤️❤️❤️

大学を卒業し、社会人になっていく秀一郎の凛々しい感じ、そしてシワも増えてきた片山の素晴らしき中年度。どちらも惚れ惚れします。

久しぶりに片山に会いに行く秀一郎。そして、ストレートに「会いたかった」と片山に伝えるワンシーン。このシーンにしっかりとした1ページアップをもってくるところなんかは、画力がないと出来ないシーンです。

会いたかった・・・

成長した秀一郎の男性らしさ、子供のころからの長年の想いがあっての一言。秀一郎がどれだけ片山を恋しかったか、どれだけ想い続けていたかがわかります。あのシーンで読者も感じ取った「大人になった秀一郎」は、まさに片山からの視点で描かれているのが面白いです。

一方、片山もかなり中年度が増しました。二人の間にある感情の変化は物語にも描かれておりますが、その変化は、体の関係(メタファー)でも表現されています。自分をありのままにさらけだしていく片山と、それをしっかりと受け止める秀一郎の関係が、微妙な動作や顔の表情から汲み取れます。素晴らしい・・・。

遠回しに秀一郎を家に誘う片山。ワインと秀一郎の料理を堪能し、ちょっぴりほろ酔いの片山が、しっかりと秀一郎を誘うあの顔がなんとも・・・忘れられません。(読んだ方なら、わかりますよね?! ❤️)

1巻はコミカルに描かれていましたが、2巻を読むと、二人の関係性が急激に深まっていくのがわかります。

この作品は、完結はしていないのですが、もしかするともう続編は描かれないかもしれません。つまり未完成のままかも。でも、それでも2巻まで手にとって欲しい。すごく深みのある作品なんです。そこにある感情は、読者が汲み取らなければいけないのだけど、大島先生の素晴らしい画力で、それが可能です。

作品の魅力2:年の差

1巻ではそれほど感じなかった年の差。坊ちゃんは二十歳になったばかりという設定で若いのだけど、片山もそれほど中年の感じがしなかった。

でも2巻で、片山の年齢が正式に発覚します。
42歳。w
なかなかの年の差ですね。

そして、先ほども書きましたが、大島先生の画力もアップしたこともあってか、片山の熟成度が非常に魅力的なのです。私はもともとイケオジが好きななので、そこにばかり目がいってしまいますが、それは私だけでなく秀一郎も同じ。w 秀一郎は、なぜ自分は片山の目の皺に魅力を感じるのだろう・・・と考えているのがなんとも可愛らしく、また切ないんです。目の皺、衰えていく片山の体を「大人の体」と表現していて、自分には追いつくことができない、と。

老いている本人(片山)は、う〜ん、と悩んでいるのだけど、人間の老いって、魅力的じゃないんですか?しかも、大切な人が老いていく過程をそばで見ることができるなら、なんて素敵なんだろう。秀一郎はそう考える人かもしれません。

一方、片山は秀一郎の「成長」に魅力を感じているようです。秀一郎の幼少期から見ている彼ににとって、少年が青年になり、青年が男になっていく過程。そんな秀一郎の成長を見て、愛おしく感じているのではないでしょうか。それもまた「老い」ですよね。

作品の魅力3:絡みシーン

2巻の絡みシーン、とても魅力的に描かれています。

メタファーとして使われている愛し合うシーンは、1巻では「スポーツのようなもの」としてコミカルに表現されていたところからも、単なる体の関係だったのですが、それが徐々に変わっていきます。その変化を、微妙な動作や表情から表現されています。

また中年の話になるのだけど・・・

片山の表情が、いいんですよぅ!w

我を忘れて、ただその時間、心の繋がりを楽しむ感じが、なんとも・・・。

そういえば、面白かったのは、秀一郎が大学の友人たちに、年上とつきあっていることを告白します。「何歳?」「42歳」。「お母さんじゃんっ」と思われる秀一郎。いや、確かに。

男として成長していく秀一郎は、若さもあり、そして男性としての魅力も出てきたところ。なのに、そんな彼は、中年になって老いを気にしている片山を「大人」と感じ、追いつけない、といらだちさえ感じる。

このシチュに萌える人は、必読の作品です!w

大島かもめ先生『仕立て屋と坊ちゃん』を今すぐ読む方法

大島かもめ先生『仕立て屋と坊ちゃん』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。

コミックシーモアはクーポンが魅力。無料書籍や試し読み部分が多めです。BLに関しては、修正が少し甘めなものもあります。

Renta!は、レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入することもできます。お好きな先生の情報をチェック。

この『仕立て屋と坊ちゃん』に関して言えば、Renta!にてレンタルが可能なようです。

また、紙本は新品での入手は難しくなっております。2巻はまだ見つけられるかもしれませんので、紙本でコレクションしたい方はお気をつけください。

まとめ

今回は、大島かもめ先生の『仕立て屋と坊ちゃん』2巻をご紹介しました。最近は比較的若い層が主人公の作品が多いかもめ先生ですが、この先生が描く中年、とっても素敵です。ぜひこのシリーズ、いつか完結してほしいです。まだ未読の方はぜひチェックしてみてください。

コミックシーモアでサンプルチェック

コメント

タイトルとURLをコピーしました