ナツメカズキ先生『NIGHTS BEFORE NIGHT』:1巻完結 春と時雨の純愛

ナツメカズキ
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今日は、ナツメカズキ先生の秀作『NIGHTS BEFORE NIGHT』をご紹介します。

『MODS』のスピンオフですが、厚みのあるこの1冊、秀作です。ぜひ『MODS』と共にお楽しみください。

作品データ

NIGHTS BEFORE NIGHT

ナツメカズキ

刊行年月:2018.08.15

出版社:東京漫画社(Marble Comics)

どんな作品?

ナツメカズキ先生の2冊目のコミックだった『MODS』のスピンオフ。

『MODS』でシロが働いていたデリヘル「Rain」のオーナーである春のお話です。MODSのシロがあこがれていた時雨(しぐれ)との関係も描かれております。

2017年4月号(vol. 49)から2018年4月号(vol. 55)のBL雑誌『cab』に収録されたものに描き下ろしを加えてまとめられた、ボリューミーな読み応えのある1冊。

この作品で時雨の過去を知ってからMODSを読み返すと、さらに物語が深く理解できます。

スピンオフやクロスオーバーは、海外ドラマなどでよく見られる手法ですが、漫画の場合は、あのシーンのあの二人、こういう背景があったんだ、などと、知っているシーンを違う視点で描いてくれる時があるので、シリーズ全体にぐっとリアリティが出てきます。

漫画でも、スピンオフは効果的ですね。

春はもちろん、時雨の過去、そして今回登場する時雨の弟、雪鷹(ゆきたか)の3人の背景がしっかりと描かれています。分厚い1冊ですが、1巻完結でもここまで盛り上がりがあり、読み応えがある作品は秀作です。

『MODS』では、少しセリフがドラマっぽいなと感じていましたが、今回の台詞は、すごく自然でよみやすかったのも特徴です。

カップリング

攻め:一条雪鷹(ゆきたか:一条組組長の息子で、時雨の腹違いの弟)

受け:春(ゲイ向けデリヘル「Rain」のオーナー。雪鷹の腹違いの兄、時雨を愛していた)

あらすじ

元ヤクザでゲイ向けのデリヘル「Rain」を経営しているのもとに、一条組組長の息子である雪鷹があらわれた。雪鷹は、春が愛し、今は他界した一条時雨(しぐれ)の腹違いの弟。

一条組の時雨の死後、不眠症に悩まされていた春だが、時雨の面影を追いながら雪鷹にゆっくりと心開いていく。

ナツメカズキ先生『NIGHTS BEFORE NIGHT』:ネタバレ!?感想・レビュー

作品のポイント、書き切れない!w

CPは雪鷹なんですが、時雨(しぐれ)さんのお話がたくさん出てきます。

春と時雨の関係がとても深く、哀しい。

切なさとは裏腹に、雪鷹の若さ、力強さが春を包み込んでいく過程がとにかく素敵です。

またヤクザのお話なので、その辺の勢力争いなどの背景もわずかながら描かれています。

作品の魅力1:キャラの背景ストーリー

春と雪鷹だけでなく、どちらかというと春と時雨(しぐれ)とのお話に強い印象を受けます。

時雨の死後、ずっと不眠症に悩まされてきたですが、時雨をどれだけ深く愛したか、その深さを描くためにも、時雨との出会い、彼の背景も描く必要があった。

この愛の深さは、春と時雨が求め合うシーンからひしひしと感じることができます。ここにナツメ先生の画力が絡んできます。

『MODS』の時も、先生の絵柄は好きでしたが、段違いに良くなってる…。攻めも受けも、とにかく肉食系の男っぽさがあり、かっこいいです。絡む時も、力強さがある。

一方、腹違いの弟である雪鷹も、時雨との関係があった。

雪鷹は、幼少期からヤクザの(本妻の)息子という葛藤がありました。母はおらず、父親は自分に興味がない。そんな中、(妾腹の)お兄ちゃん・時雨がたまに現れては優しく接してくれた。時雨との関係は良好でした。

が、時雨が姿を消し、久しぶりにあった時には別人になっていたこともあり、雪鷹の中での時雨のイメージはネガティブなイメージもあります。しかしながら結局は、兄からの優しさが雪鷹の中で生きる糧になっていたのだと思います。

前作『MODS』のシロもそうですが(この作品にも少しだけ登場します)、すべてのキーパーソンは時雨。だからこそ、この作品で各キャラと時雨とのつながりが描かれいて、物語がより鮮明になっていきます。

そして、闇に飲まれていく時雨とは反対に、時雨のやさしさが他のキャラへの僅かな光となり、彼らを別の道へと導いているのも、切なくも面白い対比です。

人は、いつか死ぬ。
人が死ぬと、体は無くなりますが、他の人の心に生きる。

時雨は春、雪鷹、そしてシロの中に生き、やさしく見守っているのだと思います。

作品の魅力2:色気ダダ漏れの画力

ナツメカズキ先生の絵柄は攻め・受けどちらにも男らしさがあり、素敵です。

この分厚い読み応えのある1冊。物凄い色気を感じるのだけど、直接的な絡みシーンは、実は数ページしか出てこないんです。巻末の描き下ろしでCPの絡みは楽しめますが、本編作中に登場するのはほんと、数ページ。読後の満足感からは信じられないんですが……。

冒頭から最後まで読み続けて、胸が締め付けられる春の苦しみ、そして雪鷹の感情、すべて絡みなしの色気から来てます。ナツメ先生の画力があるからこそ、男くささ、人間らしさがひしひしと伝わってきます。

この先生の絡みシーン、かなり自分好みです。w

ページ数はそれほどないんですが、こんなにグッとくる絡みシーンもめずらしい。

あの・・・ナニがすごいんですよ。男らしいというか、リアルというか。
二人の繋がりがナニから伝わってくる、というか…。説明できません。

見た目そのものの描写もリアルで、しなり具合など、とにかく素晴らしいんです。エロい(性欲)…という言葉は当てはまらず、エロティシズム(美)でもない。

私は、男性同士の力強いエロス(愛欲)を感じます。だから、絡みシーンから来る二人の心の繋がりのようなものが、何とも力強く、また切ないのが伝わってきます。

先生の線画は結構荒いのだけど、それは先生の味であり、間違いなく画力がすごいです。

作品の魅力3:時雨

前作『MODS』から登場している時雨(しぐれ)

やはり、今回のスピンオフも時雨がキーパーソンになっています。

時雨は、雪鷹の腹違いの兄という設定。時雨の運命も悲しいものでした。

非嫡子のせいか、組を持たされず、父親である一条のもと、単独でヨゴレ仕事をさせられていた時雨。徐々に精神にダメージだ出てきたのも、雪鷹に気を配れなくなった原因の一つです。

結局、時雨は組から足を洗い、シノギとして雀荘を経営し始めます。春との関係はその前からあったのだけど、春が足をあらう時に連れてきたシロのことを考えはじめた時雨は、命を落とした。

ぜひ『MODS』と合わせて読んでいただければ、彼の存在がより理解できるかと思います。下手したら、MODSもNIGHTS〜も、彼のお話かもしれません。w

ナツメカズキ先生『NIGHTS BEFORE NIGHT』を今すぐ読む方法

ナツメカズキ先生『NIGHTS BEFORE NIGHT』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

私がよく利用する電子書籍サイトは「ebook japan」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。

どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。

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まとめ

今回は、ナツメカズキ先生の代表作『NIGHTS BEFORE NIGHT』をご紹介しました。
先生の著書はあまり多くありませんが、どの作品も魅力的で、読み応えがあります。特にこの作品は分厚い1冊になっていて、作品そのものも素晴らしいので、まだ未読の方は、ぜひこれを気にお手に取ってみてください。

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