今日は、akabeko先生の人気問題作(!?)『蜜果』をご紹介します。
前回ご紹介した『落果』のスピンオフで登場した店長とレオのお話。この二人がなかなかクセモノなんですよね。
2023年8月現在、3巻までリリースされておりますが、今回は1巻についてお話します。
作品データ
蜜果 1
akabeko
刊行年月:2021.07.15
出版社:シュークリーム(from REDコミックス)
どんな作品?
akabeko先生の大人気シリーズ、開幕です。
表紙がなんともそそりますね。w
久しぶりにakabeko先生の作品がリリースされたなと思ったら、ちょっとだけ絵柄が変わった感じです。口元の特徴はそのままですが、以前よりも表情豊かになった感じがします。
『落果』に登場したりんごちゃんが働いていたお店の店長と、ノンケホストのお話。あの二人が帰ってきました。そして知らないうちに距離が縮まっていた!w
見てるだけではずかしくなる表紙ですが、これ、いい意味で期待を裏切られました。二人の恋人編なんですが、どうやって距離が縮まっていくか、面白おかしく描かれているので、ぜひご覧ください。
akabeko先生のお話は小難しくなく、絵柄も表現もシンプルではあるんですが、味があるんですよ。絵柄も、お話も、作品に漂う雰囲気も。自分は先生の表現の仕方にユニークさを見出しています。
ちなみにこの作品、シリーズとなっております。
『落果』
『蜜果シリーズ』
カップリング
攻め:貴宏(たかひろ。バリタチウリ専)
受け:レオ(ノンケホスト…だが、すっかり貴宏に惚れ込んでる)
あらすじ
働いていたクラブの罰ゲームで、バリタチウリ専の貴宏に後ろを開発されたレオ。それ以来、彼はすっかり貴宏に惚れ込んでしまった。そして二人は付き合うことに。レオの仕事はホスト。女性を相手しなければならない。そして意外と嫉妬深い貴宏と、レオの駆け引きが始まります。
akabeko先生『蜜果』1巻のみどころ
作品の魅力1:レオの素顔、貴宏の変貌
まず、冒頭からりんごちゃんが登場します。
何の説明もなくりんごちゃんが登場するのだけど、この作品は『落果』(短編集)に収録されているエピの続編になっておりますので、ぜひそちらを先にお読みください。
『落果』からもわかるように、この作品の冒頭では、貴宏とレオは付き合っている設定になっています。そして、貴宏はかなり嫉妬深い性格だったんです。それぞれのエピソードごとに貴宏の新たな一面が見えて、それが面白いんです。
また、たまに貴宏の名言にも笑えます。貴宏語録ができるのでは?
そして、それに対するレオの「?」っていうのが、ウケる。w
というか、akabeko先生の作品、全部は読んでないにしても、いままでとちょっと違う感じがする。先生の心情描写の仕方、今までよりも違った形でズンと心に来ます。確かに貴宏のギャップが一番最初(『落果』の彼)と全然違うのもそうだけど、レオも徐々に素を出してくるんです。こっちもおかしくておかしくて…。
正直、この二人のやりとり、かなり笑えます。
だから、表紙に騙されてはいけません。かなりえちぃ内容と思うんだけど、まぁたしかに絡みシーンはあるのだけど、面白さはそこじゃない。この二人の変貌ぶりに笑えるんです。
貴宏の人気もとても高く、BLファンの攻めランキングにも選ばれているようですね。💚
作品の魅力2:絡みシーン
何も言うことはありません。akabeko先生の絡みシーン、好きな人はぜひ。
個人的には『落果』の方(羞恥プレイ)が衝撃的ではありましたが、こちらもなかなか興味深い描写があります。
akabeko先生の作品は、絡みシーンは目的では読まないのだけど、表現がいつも面白いです。以前ご紹介した『蝶と花の関係性』はまさにそうで、普通の絡みではない、ちょっと変わったプレイを見せてくれます。
akabeko先生のインタビューを読んだことがあって、先生はエロいことを描きたい、とおっしゃってた。先生のエロいことは、エロスやエロティシズムとは違って、ちょっと変わったプレイのようなもの、なのかな。でも、今回の作品は彼らなりの愛情があって、テクだけではない「何か」がしっかりとあるんです。そしてしっかりとした気持ちがあることで、読者もキャラを追いかけたいって思うんですね。
作品の魅力3:独特のクラブの雰囲気
夜の世界は未知の世界。なんですが、店長やあんずさん、そしてレオもホスト。彼らの生活や会話を聞いていると、やはり独特の夜の雰囲気が漂っております。それもこの作品の魅力です。
もう少しだけお店の雰囲気とか同僚とのやりとりが見られると、よりリアリティが出てきて面白いと思います。
作品の魅力4:akabeko節
例えば、メロンが登場するところ。なんで急にメロンかなぁ〜。
akabeko節。
例えば、ばあちゃんの塩のお話。なんで急に塩…しかもバスソルト。w
akabeko節。
そして、レオの「ふが?」
akabeko節。w
akabeko先生『蜜果』のネタバレ!?感想、レビュー
この作品の魅力は、なんといってもこの二人の変貌ぶり。
というのも、『落果』の貴宏が私にとってはあまりに強烈すぎました。w
あんな意地悪!?な彼が、レオを好きになり、一緒に暮らし始める。顔の表情からはそれほど見られないのだけど、すごくレオが好きなようです。
物語は基本的にレオの視点で語られているのだけど、部分的に貴宏のモノローグが入ります。それに、貴宏の愛の告白!?のタイミングも今ひとつ読み取れないタイミング。そんな意表をついた行動が面白さを増します。
そして対するレオも、人気ホストという設定なんだけど、なんだか不安定で、かなり涙脆い。彼のホストとしての仕事ぶりは… いつ見られるのでしょうか。w
あるエピソードで、レオが太客とハプバー(この漫画で知りました)に行くエピがあるのだけど、そこで女性とそういうことになりそうな描写があります。でも仕事中なのにかなり焦ってるんです。不安なんです。読者の方が心配になりますよ、レオくん仕事大丈夫?って。w
そんなちぐはぐな二人がお互いを愛おしく思い、不器用ながらも愛情表現していくのが面白いです。
しかしながらakabeko先生の独特の雰囲気があり、それが魅力になります。私が以前から読んできたakabeko先生の作風ともちょっと違う気がして、そのギャップもさらに魅力に感じます。
やはり、私にはコメディにしか見えない。w
どんな面白い作品も、合う・合わないがあります。そして気に掛かる点もあるかもしれません。この作品、何度も読んで、気になる点があるかどうか考えてみたところ… 「若さ」だと思います。
この先生の作品は数作品読んだんですが、先生ならではの雰囲気、そして物語(CPの関係性)も心理的なレベルまでかなり落とし込んで描いているんです。すごく、いい。
ただ、作品のターゲットが定まらない。先生のファンに向けて描いているとは思うのですが、CPの背景が夜の世界だったり、ヤクザだったり、はたまた普通の会社員…なんですが、ほとんど仕事のお話は出てこない。かといって、イケメンが蔓延る(w)BL界で、学生や若い読者をターゲットに描いているようにも思えず…
自分が読んだ作品は短編が多かったせいかもしれませんが、二人の背景、その他のストーリー、絡み、どれがメインなのかが今ひとつはっきりしない感じがしました。
だから、今回の夜の世界っていう設定は面白いし、ちょこっとでてくるりんごちゃんやあんずちゃんなどもその世界観を出してくれているんだと思います。
この作品はシリーズ化していくので、より周りのキャラたちとの交流を描いてくれると、リアリティが増すと思います。
akabeko先生の『蜜果』を今すぐ読む方法
akabeko先生の『蜜果』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
無料のサンプルですぐに確認してみてください。ちなみにこの作品はR18バージョンもありまして、そちらは修正が少ないものになっております。大人の方は、お好みに合わせてそちらもチェックしてみてください。
私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。
コミックシーモアは頻繁にクーポン割引あり。
Renta!は、レビューを書くとスタンプがもらえる機能などあり。
こちらはR18バージョンです。
個人的にはこちらの方が好きです。
もちろん、18歳以上の方はこちらからサンプルご確認できます。
また、話題になっていた小冊子が、電子でも購入可能になりました!
電子さまさまですね。二人の日々を覗いてみましょう。(冒頭部分、サンプルで確認ができます。)ほんと、レオが笑えるよ…
まとめ
今日は、akabeko先生の人気シリーズ『蜜果』をご紹介しました。
表紙、そそられますよね。このシリーズ、ぜひ読んでみてください。表紙からは想像していなかった魅力的な世界をお楽しみいただけます。
作品は、全年齢バージョンと、R18バージョンがでておりますので、お好みに合わせてお楽しみいただけます。
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