はらだ先生の『やじるし』は、1巻完結の秀作

はらだ
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作品データ

やじるし

はらだ

刊行年月:2015.02.23

出版社 リブレ出版


どんな作品?

はらだ先生のセカンドコミックス。『変愛』『歪みシリーズ』の続編を含む8話が収録されている短編集。

表紙がなんとも魅力的!白ベースでかっこいい~… って感じなんだけど、なんだろ、と思って紙表紙を全部開いてみると…なんですか、このゾクゾク感は!w あの首のあたり、わかります?赤いマフラーじゃないよ。w

この作品、紙書籍の方がかっこいいと思います。

Rシーン多めなので、絡みが苦手な方にはオススメしません。またRシーン多めなので、大人の方が読まれる方がいいです。

相変わらず、ぶっとんだ作品もあるし、個人的に気になってた「歪み」シリーズの続編がうれしいです。このお話の続き、いつか先生書いてくれないかな〜って願っています。

はらだ先生の『やじるし』ネタバレ注意!?感想・レビュー

それでは、収録されている8話をのぞいてみましょう。

以下、あらすじと簡単な感想です。

以下、少しネタバレを含みますので、ご注意ください。

ストーリー01:やじるし

タイトル作。新人歓迎会でとけこめなかった受けの子に目をつけた、攻めの男の子。告白されたのをいいことに、この受けの子からお金をせびったり、彼の気持ちをいたぶる。ついに嫌になったのか、ある日を境に受けの子はぱったり攻めのところに来なくなる。好かれていたと思っていた攻めは、イライラし始めるーーー。

攻めの子がとにかくクズ。気持ちがちょっと歪んでいるのだけど、ラストで「やじるし」になるんです。こういうところにBLらしさを感じます。

ちなみに最後の一文。

「!」をつけるのとつけないのでは、印象が全然違いますね。個人的には「!」がない方がよかったです。だって、コミカルになりすぎるから。

でもきっと、それがはらだ先生の意図なんだと思います。

ストーリー02:ひきずる音

攻め:駿一郎(しゅんいちろう)

受け:優守(ゆうま)

幼少時代に事故にあった駿一郎。その原因を自分だと思い込み、罪悪感に悩まされる優守。二人の関係が痛々しいながらも依存し合っている。絡みシーンを中心に彼ら、特に攻めの駿一郎の心情が描かれております。

執着の極み。少しサイコ入ってます。こちらも絡みシーンに歪んだ気持ちを絡ませて盛り上げています。駿一郎は幼少時代から優守が好きで、事故のおかげで優守を独占できることに喜びさえ感じている。より複雑な心情が入っており、その結果、極端な行動にでる。女の子に腕を掴まれた時のあの顔… 

ただ、表情をよく見てみると、受けの優守は依存しているだけでなく、しっかりと好きの気持ちもあるのでは?もしくは、罪悪感と恋心の間(はざま)にいるのか。

ストーリー03:歪みはじめ

古文の先生 x 友達少ない生徒。

このシリーズ、実はファンが結構多いと思うんですが、どうでしょう?

はらだ先生の描き方、すごく惹かれます。前作『変愛』に収録されていたエピはSとMの関係でしたが、ここで描かれているのは、歪んだ愛情について。男の子は母子家庭で、母親の愛情を感じられない。学校でも友達ができず、愛情に飢えている。一方古文の先生は、そういう生徒を選んでは近づいている。タイトルからもわかるように、先生が生徒に近く様子が描かれております。(『変愛』は不健全図書に指定されたけれども、『やじるし』は大丈夫なんですね。不思議。)

この受けの男の子、冒頭すぐから先生に気を持ってかれてる。w

寄ってきた先生に、少し心を開こうとすると、反応がなくてちょっと残念に思うんだけど、もちろんそれは先生の計画通り。押し引きの駆け引き。ちょっと距離を置かれたかと思うと、また近づいてきて、今度は男の子の髪に触ります。その反応が確定的で、もう完全に先生の手に落ちてる。w 先生が背中から迫ってくるワンシーンがなんとも… 

ストーリー04:痴漢されてる彼を偶然発見して、的な展開で

ある日、男の子が電車で痴漢に会うのだけど、それをクラスメイトに見られるお話。車両を変えても被害にあうので、一人で電車に乗ることができなくなって、クラスメイトと一緒に学校に通うようになるのだが…。

これは愛があると言っていいのか?

これが一番怖いお話かも。ぞっとした。クラスメイトの目が怖いんだよ…。自分にはちょっと過激すぎました。

ストーリー05:れいの男

ストーリー06:残業の男

他の作品に比べると、ちょっとおバカなお話でホッとします。w

会社で残業が続いてる受けは、ふと一人でいる夜のオフィスに恐怖を感じます。そして、怖さから気を紛らわせるため、一人でやり始めます。そこにある男がやってきて、なぜか二人でおっぱじめることに…。

攻めは、受けの願望を汲み取っていたのが面白い。歳を気にしながらも欲望に身を任せる受け。攻めは攻めで、密かに受けのことを想っていたっていたという。w

不思議な二人の関係が始まります。正直Rシーン中心。奥深い話ではありません。まぁ短編集ですから。

それにしても、はらだ先生のお話は…Rシーンがすごいね。

ストーリー07:変愛 間男変

ストーリー08:変愛 かきおろし変

あのアホカップルが帰ってきました。w

この続きを読むと、より二人のファンになっちゃう人もいるかも。はらだ先生らしいキャラでもありますね。ハッピーなお話で締めてくれてうれしい。『変愛』とは逆のパターンですね。シチュエーションフェチの受けと、それのいやいや乗っかってるようで実はすっかりハマってる攻めのお話。コスプレも入って、パワーアップです。

ハッピーそうで、よかった。w

はらだ先生の『やじるし』を今すぐ読む方法

はらだ先生の『やじるし』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

最初の数ページをサンプルで今すぐ読むことができます。

私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。

コミックシーモアは頻繁にクーポン割引あり。

Renta!は、レビューを書くとスタンプがもらえる機能などあり。

この作品、紙書籍がオススメです。なぜなら表紙がかっこいいから。(中古本でも気にされない方は、本のまとめ買いをすると送料無料で便利。)

まとめ

以上、今回ははらだ先生の短編集『やじるし』をご紹介しました。

Rシーン満載のため、絡みが苦手な方にはオススメしませんし、年齢制限がないようですが、R18、大人の方に読んでほしいです。

正直、私自身はRシーンへのこだわりはないので、それ中心の作品は特別好みではないのですが、はらだ先生の作品は、キャラが生き生きしている。短編のキャラでここまで印象付けられるとは、やはり先生の才能なんだと思います。

はらだ先生の作品は、ダークなお話の方が自分の好みだなと感じました。

また、全体的にスピード感があるので、若い人に人気がありそうです。

この作品は2015年作品なんですが、今読んでも全然色褪せていないのがすごいですね。はらだ先生に興味を持たれた方はぜひチェックしてみてください。

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