はらだ先生の『やたもも』はハッピーでピュアな二人の物語

はらだ
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作品データ

やたもも 全3巻

はらだ

刊行年月:2014.08.30〜

出版社:竹書房



どんな作品?

読み切りの一話から話を膨らませていったというこのお話、全3巻にまとまっております。

生活能力ゼロのモモと、面倒見のいい青年、八田(やた)。この二人が付き合うことになったところから物語が始まります。

Rシーンたっぷりなのに、愛おしい二人の物語。それにしても、はらだ先生の作品は短編、長編にかかわらず絡みがすごいですね…。w 絡みをベースにそれぞれのキャラのストーリーや心理描写が織り込まれております。

エピソードは切ないものもありますが、基本はハッピー系。勢いもあるため、若い読者も多そうですね。

カップリング

攻め:八田(すごくやさしい青年…でも性欲がとまらない)

受け:モモ(お金ない、片付けできない。生活能力がない男の子)

あらすじ

生活能力ゼロ、クズなモモ。そして、面倒見のいい青年、八田(やた)。

そんな二人が出会い、八田の家にモモが転がり込むことになったのだが、欲が強い八田だったり、モモの過去のパトロンが現れたり、2巻ではモモのアパートの小説家志望の隣人・栗田が登場したり、ワイワイガヤガヤしながら物語が進んでいきます。

はらだ先生『やたもも』のみどころ

作品の魅力1:ノンストップ★な欲

はらだ先生の作品の特徴は、なんといってもRシーンです。

これは誰もが認めることなのでは?もちろん、ストーリー性もしっかりあって、キャラもユニークだし、云々。。。でも、やっぱエロ。ド直球の、エロ。

はらだ先生の作品読んでいて、自分はやはりBLは好きになれないんじゃないか… といつもくじけそうになりますが、ストーリーとキャラが魅力的で、止まるんです。

でもやっぱり、この先生のRシーンはとにかくエロです。エロスでも、エロティシズムでもない、性欲の、エロ。w

でも、ベースにはたっぷりの愛情があります。

いいと思います~。ニーズがあるからはらだ先生はこんなに人気なのかと。そしてそのエロを中心に、いろんな歪んだキャラやぶっとんだストーリー展開などを絡めていくのが先生のスタイル。

先生のRシーンをやらしいと感じるかどうかはわかりませんが、勢いがあり、かつストーリーがあるので好きです。この『やたもも』は不健全図書などにも指定されておりません。今のところ、一応誰でも読むことができると思います。(修正は入っております。)

不健全図書の指定の基準がよくわからないので、指定された作品は、あえて読むようにしています。単に、気になります。

カップリングの二人の間にはしっかりと愛があり、痛く歪んだ愛情表現はないです。(少なくてもカップルの二人の間では。w)

それにしても先生のこういったえちぃアイディアは面白いですね。道具使ったり、狂気性を持たせたり、死を匂わせたり…(他の作品ですよ。『やたもも』は健全なほうだと思います。w)

作品の魅力2:キャラの作り込み

はらだ先生のキャラ、アホみたいなキャラなのに愛らしいのが多いですね。ダウナー系のお話でさえ憎めません。現在のBL界であまりダウナーなお話は見かけませんが、個人的にはその方が好みなので、ぜひはらだ先生にもっとダウナー系を描いて欲しいです。

八田は普通の青年。の、はずなんだけど、絶倫です。1巻の冒頭から止まらないんです。でもそこには強い愛情があります。はらだ先生が行為をメタファーとして使っているかどうかはわかりませんが、私はメタファーとして見ているし、少なくてもたっぷり愛情表現として描いている。

だから3巻にある行為の表現は、1巻の冒頭の表現とは全く別物になっています。二人の間に愛が芽生えているから。そこからも、やはり行為を通して感情の移り変わりを描いていますね。

一方モモは、生活能力のないどうしようもないやつ。しかしながらそれには理由があり、さらに本人も知らなかった事実も隠されております。

人間、知ってることと知らないこと、見えることと見えないこと、いろいろ複雑な人って意外と多いと思います。

シンプルな世界に住んでいるようで、実はそれが狂気だったり…。

はらだ先生の表現のスタイルは、キャラの高低差で表すことが多いのかなあ。そして言葉で説明してくれます。その説明する過程が先生らしいかもしれません。

こういった心情描写の仕方からも個性が出るし、またいろいろな作品を読んで、自分の好きな先生や作品を見つけていくのも楽しいですね。

作品の魅力3:やはり、歪み愛あり

はらだ先生ファンの方、意外と先生のダウナー系が好きな人って多いんじゃないでしょうか。実は私もその一人です。

『変愛』『やじるし』に収録されていた歪みシリーズ、『ネガ』に収録されていた三角関係のお話や、ピアスの話など。愛情のようなものはあるのだけど、どこかひねくれている、歪んでいる。そんなストーリーが、はらだ先生の作品では好きです。

今回の『やたもも』はハッピーもので、歪みはないのですが、モモの元飼い主、須田という男が曲者です。そう、やっぱり歪み愛がありました!w

この須田こそが、正常ではなく、変わった癖の持ち主で、暴力的。モモを犬のようにあつかうのだけど、実はそこには強い愛情があり… そんなキャラです。ただ、異常性はわかるのだけど、それが正常な異常なのか、ランダムな異常なのかがわかりにくいです。

暴力的だと思ったら、支配的になったり… Sなのかと思ったらそうでもなさそうだし。そこら辺の「歪み」がランダムなのか、もともと彼の中に存在する変質性なのかはわかりません。

はらだ先生の『やたもも』を今すぐ読む方法

はらだ先生の『やたもも』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

最初の数ページをサンプルで今すぐ読むことができます。

私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。

コミックシーモアは頻繁にクーポン割引あり。

Renta!は、レビューを書くとスタンプがもらえる機能などあり。

はらだ先生の『やたもも』をもっと楽しむ方法

はらだ先生の『やたもも』を漫画以外で楽しむ方法、それはドラマCDです。

座裏屋先生の作品もリリースしてくれている「マリン・エンタテイメント」より全3枚リリースされております。…でも、怖くて聞けない。だって、冒頭から二人、結構暴走してませんか?w ドラマCDはどんな感じになってるんでしょうか。

メディアCDは、楽天ブックスマリンエンタテイメントからも直接購入できるようです

オーディオDLは、残念ながら、ないようです。

声優さん:下野紘(モモ)、小野友樹(八田)、阪口大助(栗田)

お好きな声優さんがいらっしゃいましたら、ぜひチェックですね。

 

まとめ

はらだ先生の作品は、初コミックスから読み進めてきましたが、長編ではこれが初めて読んだ「ハッピー系はらだ」です。この作品で先生のことを知った方も多いかもしれないですよね。

エロすぎて読もうかどうか迷いましたが、やはり読んで良かった。はらだ先生の作品はまだ追いかけられる範囲なので、ぜひこれを期に読んでみてはいかがでしょうか。

さらに!先生の初期の作品『変愛』『やじるし』も短編で読みやすいです。魅力的なキャラがたくさん登場しており、これからはらだ先生の作品を読んでいく上でも知っておくといいキャラたちだと思います。

Rシーンが大丈夫な方はぜひ!

あ、大人の方にのみオススメです。R18でお願いします。w

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