こんにちは。
今日は、志水ゆき先生の『LOVE MODE』をご紹介します。
私が読んだのは、2009年にリリースされた志水ゆき全集になります。
志水先生の初期作品ということで、絵柄がかなりレトロなんですが、物語はとても面白かったです。
作品データ
LOVE MODE vol. 1 志水ゆき全集
志水ゆき Yuki Shimizu
刊行年月:2009年12月10日
出版社:新書館(ディアプラス)
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どんな作品?
志水ゆき先生の初めての長編シリーズ『LOVE MODE』と『レシピ』がまとまった全集になります。(紙本は)全6巻。
志水先生のデビュー作は1994年の『やがて、夏が終わる日。』というお話のようで、『LOVE MODE』は1995年3月から連載がスタートしています。
初期作品ということもあり、絵柄がかなりレトロです。1995年以前から漫画を読んでいる自分には、古い絵柄でも読めるのですが、新しいイラストにしか馴染みのない読者には、少しレトロ感が強く感じるかも。
ただ、一生懸命丁寧に描かれたのが手にとってわかりますし、お話そのものも面白いです。
全体的なストーリーはもちろんのこと、志水先生らしい群像劇に仕上がっています。
今回ご紹介する第1巻には、2組のカプが登場します。タイトル作には高宮x和泉、そして、のちにお話の中心になっていくのが高宮の友人である蒼江と高校生の直也。皆に幸せはやってくるのでしょうか。
全集1巻には、1996年、97年に発売されたビブロスオリジナル版1, 2巻がまとまったものになります。表紙やPROFILEは2009年描き下ろしのため、絵柄の変化も楽しめます。
カップリング1
攻め:高宮
受け:和泉
カップリング2
攻め:蒼江
受け:直也
志水ゆき先生『志水ゆき全集 LOVE MODE I』:ネタバレ!?感想・レビュー

作品の魅力1:BLの歴史
『LOVE MODE』は、雑誌『MAGAZINE BExBOY』1995年3月号から連載スタート。読み切りスタイルの高宮x和泉のお話から始まりました。
BLの歴史をざっくり振り返ると、少年愛もの、JUNE、耽美、その後今で言うBLというジャンルへと発展していく過程で、1985年以降は転換期の年代のように感じます。
そんな中で、志水先生のこのお話が連載開始されます。
絵柄がレトロなのはもちろんですが、BLというジャンルそのものがかなりマイナーということもあってか、狭き閉じられた世界だったことが窺えます。
また、コンプライアンス問題も、当時の許容範囲や表現方法は、今のそれとはだいぶ違うことも興味深いです。
その当時、どんなことがタブーとされていたか(タブーだからフィクションで描く)読み取れますし、また恋愛スタイルも時代が反映されているので、BLの歴史を読み取るにも興味深い作品だなと思います。
作品の魅力2:高宮x和泉

この全集第1巻では、2つのカプが描かれています。
まずは、高宮&和泉。
この二人の物語は、誤解から始まります。
学生の和泉は、友達の紹介でブラインドデートへと向かうのですが、約束の場所に現れたのは女の子ではなく高宮というイケメンの男性。二人はそのままデートへ向かい、一夜を過ごします。
しかし、高宮は実は高級デートクラブ『B&B』のコールボーイ「いずみ」と待ち合わせしていたことを知ります。偶然同じ名前だった和泉と勘違いしたことからスタートした関係ですが、高宮は和泉の純粋さに惹かれ、関係を深めていきます。
この二人の描写から、志水先生が当時限られた時間で一生懸命描かれている姿が見えてきます。先生の歴史が読み取れるといいますか……。
お話も面白いのだけど、それ以上に、志水先生の初々しさや試行錯誤が見え隠れしているところに私は興味を惹かれます。
作品の魅力3:蒼江x直也

さらに物語に惹かれていくのは、高宮の友人であり、高級デートクラブ『B&B』のオーナーでもある蒼江が登場してからです。
闇がありそうな蒼江は、ひょんなことから高校生・直也と出会います。
この直也は苦学生で、両親も他界してしまい、天涯孤独。人生のどん底にいるようなキャラ。そんな直也がクラブのオーナー・蒼江と出会い、一緒に住むことになります。
直也が蒼江に惹かれていく過程がとても自然に描かれているのが印象的です。そこには男なのに……という葛藤はなく、一人の人間に惹かれていく過程があります。
対する蒼江も、高校生の直也に惹かれていくわけですが、蒼江というキャラがまだミステリアスなため、どうして蒼江が直也にそこまで惹かれるのかはわかりません。
まぁ恋に理由は必要ないのだけど……。
BLに限らず、この当時の恋愛のスタイルが反映されているところもあるので、興味深いです。
年の差もそうですが、若くして人生を諦めかけていた直也が蒼江と出会ったことで救われていく過程は、志水先生が描こうとしている「世の中には、たった一人でも見方になってくれる人がいるよ」というメッセージの表れなのだなと思います。
人生諦めるな、という先生からのメッセージなのかもしれません。
ちなみに、直也のどん底具合は、本編でご確認ください。w
蒼江と直也の関係はまだ始まったばかり。
蒼江の正体もあまりわかっていません。
蒼江の兄、クラブの秘書、そして人気のコールボーイ・いずみなど、気になるキャラも登場。
このお話は、より壮大な展開が待っています。
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まとめ
今日は、志水ゆき先生の全集『LOVE MODE』1巻をご紹介しました。志水先生の初期作品ですが、先生の作風のルーツがここから読み取れます。志水先生の『是 – ZE -』が好きな方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
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