こんにちは。
今日は、木原音瀬先生のオジサンBL『NOW HERE』をご紹介します。
アラフィフおじさんのお話です。しかもイケオジでもなく、枯れた普通のおじさん。そんなおじさんを好きになるイケメンのリーマン。鈴木ツタ先生のイラストも手伝って、個人的には結構ツボな作品でした。
作品データ
NOW HERE
木原音瀬 Narise Konohara
イラスト:鈴木ツタ
刊行年月:2008年05月30日
出版社:蒼竜社(Holly NOVELS)
※ 残念ながら、現在は販売終了となっています。
どんな作品?
木原音瀬先生のオジサンBLです。
まったく普通の、いや、みすぼらしいオジサン・仁賀奈と、20代のイケメン・福山の不思議な恋愛模様を描いた作品です。
このオジサンが50歳で、本当のオジサンでした。w
萌えを求める方にはオススメできるかどうかはわかりませんが、私は木原先生がどのようにお話を進めるのかに興味があるので、手に取りました。
正直、設定や描写は奇抜なものはなく、ほのぼのと本当にオジサンが相手に落ちていく感じです。
仁賀奈も福山も、どこにでもいそうなキャラで、妙にリアリティがある。
鈴木ツタ先生のイラストも、オジサン感のあるイラストがよかった。w
福山はどうして仁賀奈を好きになっていくのだろう……。それが、読み進めるモチベとなる、なんとも奇妙なお話。w
カップリング
攻め:福山(ちょっぴりセルフィッシュなイケメン)
受け:仁賀奈(50歳のオジサン。作中誕生日を迎えて51歳になります w)
あらすじ
福山は、同じ会社に務める部長・仁賀奈という男と関係を持った。
50歳の仁賀奈は今までに女性はもちろん、男性とも付き合ったことがない。そんな化石のような男を妙に新鮮に感じ、からかい半分で関係を持ち、付き合い始めた福山だったが、仁賀奈の長年の恋心を知ることになる。
嫉妬心なのか、自分への拒絶と感じたのか、福山は自分を抑制できず、仁賀奈に自分の気持ちを押し付けるようになっていくーーー。
木原音瀬先生『NOW HERE』:ネタバレ!?感想・レビュー

仁賀奈という男
私がBLを読むときは、特に萌えポイントなどはありません。
ある程度の好みはあるにせよ、ただ、面白いお話が読みたい。それだけです。
木原先生の作品に関しては、先生がどうお話を展開させていくかに興味があるため、萌えポイントのようものは特別期待しているわけではないんです。
また、先生が描く人物像は、決して突飛なキャラではなく、日常の生活で目にしそうな普通の人を描かれることが多い。だから面白いし、そんなキャラの見かけによらないちょっとした魅力や意外な表情に惹かれています。
いつも考えさせられるところがあったり、人間臭いキャラだったり……。
でもこの仁賀奈という男からは、それがほぼ感じられなかった w
作品がつまらないという意味ではありません。
キャラ的に、仁賀奈には男性として一際目立った特徴がなかったなと思います。
仁賀奈は50歳。作中、誕生日を迎えて51歳になってしまいます。オジサンというより、初老ですね。w そして、今までに男性はもちろん、女性ともお付き合いをしたことがないという童貞未婚男性ですね。
この本がリリースされた2008年辺りの生涯未婚男性の比率は、実はかなり上昇傾向にありました。おそらく当時は20%弱。2023年あたりだと男性は約28%にも上っています。
なので、そう考えると、仁賀奈のようなキャラ設定は、実はわりと身近にいそうな男性なんですね。
ただ、趣味がなさすぎる。w
バードウォッチングがほぼ唯一の趣味のようですが、その描写が残念ながら少なかったです。のちに同人誌で二人がバードウォッチングに行くエピソードが書かれているのですが、そのクダリを少し取り入れてくれたら、もう少し仁賀奈に対して親近感がわいたかも……。
でも、作中でそんなイベントがあったら、読者は退屈しちゃうでしょうね。w
仁賀奈の残酷さ

物語は福山の視点で語られていきます。そのせいもあってか、仁賀奈の感情はあまり読者に伝わってきません。
そんな感情の起伏も薄い仁賀奈ですが、ある日、福山に自分の気持ちを伝えます。
作品の冒頭から中間まで、福山の一方的な好意を受け入れていた仁賀奈ですが、転機が訪れます。はっきりと、自分にその気がないことを、福山に伝える。
無口ゆえに、口を開いて真実を突き出した時のインパクトが強烈です。
作中、確かに福山の押しが強くて、一方的な感じはしましたが、さすがの展開に焦る福山には、自業自得だという気持ちよりも、哀れみを感じてしまった。w
福山の変貌

ひょんなことから、仁賀奈と関係を持つところから、物語はスタートします。
そこそこのイケメン風の福山が、50歳のオジサンと関係を持つ。最初はまるでからかうように付き合いはじめた福山ですが、徐々に彼の気持ちは変わっていきます。
ただ、これは恋心なのか、ある意味執着なのかはわかりません。
木原先生が描く感情は、恋でも単なる愛情でもないのが面白いです。
説明のつかない感情と、それについつい流されてしまうのが人間。そんな微妙な表現が、木原先生の作品から読み取れて、物語としての展開を最後まで見届けたい。
このお話の面白さは、福山の落ちぶりにあります。
前半の福山の攻めは、からかっているつもりで付き合っていたのですが、仁賀奈からその気が全くないと伝えられると、その頃には福山はすっかり仁賀奈を好き(というか、愛着?というかw)になっていたことに気づく。
また、福山の嫉妬ぶり、嫌がらせには、人間の嫌なところが描かれているなと思います。こういう人、いるな、と。こういったリアルな人間らしさのような描写が、木原先生の物語をついつい読んでしまう魅力の一つ。
お話自体は比較的地味だと思いますが(初老のお話なので)、そこにある人間臭さは読みどころです。
福山は、彼なりに気持ちを伝えたり、仁賀奈を労ろうとするのですが、それが仁賀奈に届くかどうかは、ぜひ物語でご確認ください。
木原音瀬先生『NOW HERE』を今すぐ読む方法
木原音瀬先生『NOW HERE』は、今現在、電子書籍化されておりません。
中古の紙本で読むことが可能ですので、アマゾンやメルカリなどのフリマ、中古屋さんで探すことをオススメします。
私がよく利用する電子書籍サイトは「ebook japan」かレンタル本が豊富な「
レンタ!」です。
ebook Japan:クーポンが魅力です。無料漫画も多々あり。
Renta!レンタ:レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入が可能。この作品は時々レンタル可能になります。
紙本は楽天を利用しています。電子書籍もありますし、洋書の取り寄せも安心。
日本企業を応援しております。
木原音瀬先生『NOW HERE』をもっと楽しむ方法
同人誌
このお話の後日譚が同人誌『the drop of summer』に収録されています。
なんと!仁賀奈と福山がバードウォッチングに行きます!そして……
バードウォッチングの様子はもちろんですが、相変わらずの仁賀奈を垣間見られて楽しかった。😌
この作品が気に入った方は、同人誌の方もぜひチェックしてみてください。
ドラマCD
このお話、実はドラマCDがリリースされております。
すっごく聞いてみたいです。一体どんな枯れ具合なのか…… w
残念ながら新品で見つけることは難しいですが、気になる方はぜひメルカリなどのフリマで中古を探すと、見つかるかもしれません。
まとめ
今回は、木原音瀬先生の『NOW HERE』をご紹介しました。
オジサンBLですので萌えのようなものは少ないかもですが、人間臭いやりとりがリアルに描かれていて、私は楽しめた作品でした。というか、もしかして私の萌えはオジサン(というか、初老!?)なのでは?w
癒しを求めている読者さんにはあまりオススメしません。ですが、癒しを求める方はおそらく木原先生の作品は読まないと思います。w 木原先生の作品に一通り目を通したい私のような読者さんなどには、やはり手に取って欲しいです。
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