こんにちは。今日は、tacocasi(タコカシ)先生の作品をご紹介しようと思います。デビュー作は東京漫画社からリリースされていますが、現在は版権が光文社に移行しています。
私が読んだ作品は旧版の東京漫画社のものですが、画像は新装版の方になっております。
作品データ
お守りくん
Omamorikun
tacocasi (タコカシ)
刊行年月:2016年06月20日
出版社:東京漫画社(Marble Comics)
どんな作品?
tacocasi(タコカシ)先生の初コミック短編集。
tacocasi先生はいままで漫画は描いたことはなかったとのことなので、おそらくイラスト中心に描かれていた方で、そこから漫画の世界に入ったようです。
作品のジャンルは確かにBLではあるのですが、BL云々を気にすることなく、イラストの魅力とほのぼのストーリーを堪能できる先生です。
表紙のデザインも素敵で、ストーリーはとてもシンプル。リラックスして何か1巻完結ものをさくっと読みたいな、という時に読みやすい作品です。
東京漫画社のBL雑誌『Cab』vol. 29 (2013年12月) からvol. 42(2016年2月)までに掲載された短編が1冊にまとまっています。
東京漫画社からはtacocasi先生の作品が4冊リリースされましたが、版権が移り、現在は版権が光文社から4冊とも新装版としてリリースされています。
私が拝読したのは、東京漫漫画社から出たオリジナルです。
タイトル作を含めて3つのお話が収録されていますので、それぞれご紹介します。
tacocasi先生『お守りくん』ネタバレ!?感想・レビュー
ストーリー1:横井くんの字事情(前編・後編)
カップリング
泉:かな習字の先生
横井:字の汚い社会人3年目ボーイ
あらすじ
社会人も3年目に突入した横井は、字が汚く、会社の同僚たちからも笑われる始末。
そのコンプレックスをなんとか断ち切ろうと、行きつけのお店の大将にたまたますすめられた書道教室に行ってみることにした。
ちょっぴり距離感の近い泉先生との週1のレッスン。子供たちに笑われながらも少しずつ字がまともになってくる横井と、泉先生との距離。
そんなとき、たまたまご飯を食べに行った帰りに起こった事件。
そして、泉先生の家にたまに泊まりに来るかわいい女子に気を取られ、二人の関係は思わぬ方向に!?
感想・レビュー
BL雑誌『Cab』vol. 29 (2013.12) と vol. 31 (2014.04) に掲載された可愛らしいお話。
特別大きな事件の起こらないお話です。BLっぽい、そしてかわいらしいお話が好きな方には好みの作品かもしれません。
どっしりがっつり系の心理描写が好きな自分にはかなり物足りないかな……とちょっと不安でしたが、イラストが好きなので、十分楽しめました。
この先生の魅力はイラストにあります。作品は描くたびにオリジナリティが出てくるとして、イラストの魅力が映える作風だと思います。
また、社会人になって新しく何かを始める時のドキドキ感も新鮮に感じました。
この1冊を読み始めて、なぜ私はいままで心が重くなるようなBLばかりを選んできたんだ……と反省しました。w
こういう愛らしく平和な作品もたまにはいいのではないか。w
ただ、漫画としての感想は、派手さはありません。すごく丁寧にわかりやすく描かれているので、若い読者やほのぼの漫画が好きな読者には楽しめる作品ですが、漫画を長年読んできた読者には物足りないのが本音。
ストーリー2:ペロの言い分
カップリング
喜一(クールな男の子……だけど、もしかして、受けかなぁ!?)
ペロ(小学生の頃からずっと喜一を想っている忠犬。でも人間。)
あらすじ
ペロと呼ばれる男子は、クラスメイトの喜一が好きだ。小学生の頃に喜一に一目惚れして以来、ずっと喜一のそばを離れないできた。
でも、喜一が好きすぎて彼を優先してしまうため、他の友達との約束をドタキャンしてはトラブルもたまに生じる。
そんなペロを見かねて、喜一は「このままではいかん」と距離を置こうとするのだがーー。
感想・レビュー
BL雑誌『Cab』vol. 33(2014年8月)に掲載された短編。
最後までペロの名前がわからず。w
なぜこの男の子がペロと呼ばれるようになったかは、本編を読んでいただくとして、このペロの行動が本当に忠犬みたいでかわいらしいのです。
ただ、相変わらずお話そのものは特別なことは起こらず。w でもお話はちゃんとまとまっています。この1冊は、やはり若い読者や癒しとして可愛らしい作品を読みたい方に向いていますね。
ストーリー3:お守りくん(前編・後編)
カップリング
太(ふとし。霊感が強く、悪いものを呼び寄せてしまう。)
守(まもる。どうやら悪いものを跳ね返す陽の力があるようだ。)
あらすじ
太(ふとし)は、昔から霊感が強く、悪いものを呼び寄せてしまう体質。子供の頃から謎の病気や怪我を繰り返し、学校にいくのもままならず、高校を留年してしまう始末。
そんな彼がまた悪いものに取り憑かれぐったりしていたところを、通りすがりの守(まもる)が助けてくれた。
彼が太に触れると、太の体がフッと楽になるのだ。どうやら守は太と対照的に、悪いものを跳ね除けてしまうらしい。
それを感じた太は、守と仲良くつるむようになるのだがーー。
感想・レビュー
ちょっぴりオカルトチックな設定ではありますが、ここにtacocasi先生の魅力が現れた!
タイトルのセンスもよし、設定とイラストのセンスもばっちりで、素敵な表紙のデザインへと繋がっていきます。
主人公の太(ふとし)は、『ペロの言い訳』のペロのクラスメイトとして登場しており、お話もさりげなく繋がっているのが楽しい。
恋物語のストーリーラインがありきたりなのはちょっと残念ではありますが、お話のまとめ方などもしっかりしており、読みやすい作品です。
この作品はtacocasi先生のデビュー作ですので、ここからどうやって先生がユニークな独自の作風を作り上げていったのかを知るのが楽しみです。
tacocasi先生『お守りくん』を今すぐ読む方法
tacocasi先生『お守りくん』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。
どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
コミックシーモア:クーポンが魅力。BLに関しては、修正が少し甘めなものもあります。
Renta!レンタ:レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入が可能。この作品もレンタルできます。
コミックシーモアの月額コミック読み放題が一番お得!BLも読み放題!
まとめ
今回は、tacocasi先生の『お守りくん』をご紹介しました。
イラストが魅力の先生で、漫画もきれいにまとまっていました。これがデビュー作となるのでしょうが、とにかくお話が(いい意味で)シンプルでわかりやすい。
tacocasi先生のイラストの魅力は堪能できたので、次はお話の展開や世界観にオリジナリティを感じたいなと思っています。
ちなみにこの1冊で個人的に一番気に入ったお話は、実は『横井くんの字事情』です。だって、字が下手すぎる。w
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