滝端先生『今夜、君と眠りたい』:1巻完結 執着の果ての愛

滝端
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こんにちは。

滝端先生の作品、いくつか読んで、一生懸命感想を書いたんですが、なぜか1万字が消えてしまいショックです。(涙)

なんとかこちらの『今夜、君と眠りたい』は残っていたので、間違えて消してしまわないうちにアップしますね。

今のところ滝端先生の作品で一番好きな作品になりました。

作品データ

今夜、君と眠りたい

滝端 Takiba

刊行年月:2019.10.20

出版社:一迅社(gateau comics)

どんな作品?

滝端(たきば)先生の3冊目の単行本。2019年の作品です。

赴任から帰ってきたサラリーマンの門崎と、以前関係を持った元男娼のナギとのお話です。

ストーリーからというよりも、滝端先生の作品を読んでみたくて手に取りましたが、先生の作品の中でも、個人的にはこの作品が一番しっくりときました。

5話で終わる少し短めのお話ではありますが、1巻完結でもしっかりと盛り上げてくれる作品になっています。

カップリング

攻め:門崎(かどざき:以前ナギと関係を持っていたが、海外赴任のためナギの元を去った)

受け:ナギ(元男娼。過去を忘れ、会社員として再スタートした)

あらすじ

サラリーマンの門崎には忘れられない一人の男性がいた。彼への想いを胸に、海外赴任から日本へと帰ってきた門崎の前に現れたのが、その想いの男、ナギだった。

赴任前に知り合い、ナギへの気持ちが募っていた門崎だったが、そんな時に辞令が出たこともあり、何も言わずにナギの元をさっていった。

ナギはそのことがトラウマのきっかけになり、人を信じること、そして門崎を信じることができずにいた。

過去を忘れようとしていたナギは、会社員として再スタートを切ったのだが、そこに、赴任先から帰ってきた門崎が偶然現れ、忘れていたはずの過去の思い出が再び動きだした。

滝端先生『今夜、君と眠りたい』:ネタバレ!?感想・レビュー

少しネタバレ入ってます。

作品の魅力1:キャラの背景と心情描写

滝端先生の物語は、いつもシリアスなもので、それぞれのキャラが何らかのトラウマを持っています。今回も、門崎、ナギのどちらもトラウマを持っています。

門崎は仕事のできるサラリーマン。でも、プライベートでは特に取り柄もない普通の男。人付き合いもほどほどで、刺激のない毎日に、自分の存在価値さえわからなくなっていた。

そんな時にたまたま知り合ったのがナギでした。

ナギは男娼。門崎はナギと体の関係を持つのだけど、会うたびに幸せを感じていく反面、ナギにとって自分は単に客の一人なのだという劣等感のようなものさえ感じていた。

そして、そんな矢先に海外赴任の辞令がおり、ナギには何も告げず、彼の元を去ります。

一方ナギも、門崎に心が奪われていたのだけど、何も言わずに去られてしまい、自分が得意としていた男娼の仕事さえも手につかなくなってしまいます。

ナギはそのコンプレックス、そしてトラウマがあり、行為ができなくなった今、日本へ帰国した門崎は自分に興味を持つことはないし、きっとまた離れていくのだろうと、門崎を信じられない状況に陥ります。

どちらかというと、ナギの心情の方が複雑かもしれません。

彼が劣等感を感じている部分、以前想っていた門崎への気持ち、そして、再び目の前に門崎が現れたことで、過去と現在の複雑な心境がよく描かれています。

不感症になってしまっていたナギですが、門崎と再び触れ合うことで、彼の心が少しずつトラウマから解放されていく様子が、体を重ねるという行為をメタファーとして表現されています。

行為(体の関係)はナギの心のメタファーでもあり、また、例えば何か自分を特別にしてくれていたもの、自分の中のアイデンティティのようなもの(のメタファー)にも感じます。

自分が得意としていたものができなくなった時、または失った時の喪失感、そして虚心感のようなもの… それが、ナギの「不感症」を通して描かれているのではないでしょうか。

ナギと門崎を繋いでいた体の関係も、滝端先生の画力や表現のチョイスが豊富で、繋がりの深さが他作品よりもわかりやすく、はっきりと描かれているように感じました。

そう、滝端先生、絡みシーンがなんとも魅力なんです。❤️

作品の魅力2:門崎の執着

最初に一読した際には、それほど感じませんでしたが、読めば読むほど、門崎の執着心、ちょっと怖いなと思いました。w

何も言わずに自ら立ち去ったわりには、ナギからもらった指輪を永遠に持ち続けているし、再会したかと思えば、お金払ったら触れてもいいか、と、とんでも発言する。

お互いの想いがあるはずなのに、なぜそんな言葉のチョイスをしてしまうのか……。(デキるサラリーマンじゃなかったっけ? w)

長年忘れられずにずっとナギを想っていたはずなのに、大切にしていた指輪を返してしまう。ナギを諦めるのかと思いきや、やっぱり諦めきれないとナギに抱きつく始末。

おい・・・。w

冷静に読んでしまうと、突っ込みどころもいくつかありそうですが、この世界にどっぷり浸かって読むと、二人の間にあるケミストリーがひしひしと伝わってきます。

ケミストリーは大切ですね。❤️

滝端先生の作品をいくつか読んでみて、この先生の良さを体感するには、先生の世界に思いっきりダイブして読むのが一番いいんだな、と感じました。

作品の魅力3:止まっていた時間が動き出す瞬間

門崎が、上司としてナギを応援する、と言うシーン。

門崎は手を差し伸べて、握手します。

二人が、久しぶりに触れた瞬間です。

この瞬間から、ナギの中に閉じ込めてきた感情、止まっていた時間が動き出していきます。

時間の流れは不思議なもので、それがたとえ1週間前、5年前、10年前であっても、思い出にはいつでもアクセス出来て、そこから物事が再開する。

ナギの心の中に眠っていた一部の感情も、この握手をきっかけに解放されていくのが面白いです。

物語の一部として描かれているシーンではあるのだけど、このシーン、時間の概念、そして脳(と心)の仕組みの点からも非常に興味深いポイントで、いろいろと考えるところもあり。

メンタルブロックからの解放は、意外と些細なことだったりしますね。

もう一つだけ、滝端先生の作品で好きなところは、二人の関係の先にあるのは、恋ではなく愛情。たとえキャラが若くても、恋心を超えた愛情が描かれているところにも魅力を感じます。

滝端先生『今夜、君と眠りたい』を今すぐ読む方法

滝端先生『今夜、君と眠りたい』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

私がよく利用する電子書籍サイトは「ebook japan」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。

どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。

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『今夜、君と眠りたい』は、同人誌でリリースされた番外編が電子書籍でも楽しむことができます。

まとめ

今回は、滝端先生の3冊目のコミックである『今夜、君と眠りたい』をご紹介しました。

精力的に活躍されている滝端先生ですが、過去作でおすすめを、と言われたら、1巻完結ものではこれを推したいです。

やさしい顔をしながらも執着攻めしてくる門崎と、人を信じられなくなったナギが変わっていく過程が楽しめます。

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