今日は、アマミヤ先生の『ネイキッドカラー』を読みましたので、ご紹介します。
フォロワーさんに教えていただいた作品なので、前情報全くありませんでしたが、独特な雰囲気のある作品でした。
作品データ
ネイキッドカラー
アマミヤ
刊行年月:2021.09.17
出版社:コアマガジン(drap comics DX)
どんな作品?
2020年9月号から、雑誌『drap』にて連載された作品。
アマミヤ先生はすでに数作品の単行本をだされておりますが、作品によって雰囲気が全然違うようですね。
この作品は、アダルトな雰囲気を出したかったのか、薄暗い雰囲気があります。
花屋で働く理人(りひと)と、画家の不破(ふわ)の関係。不破は年下なんですが、しっかりと不破を攻めていきます。
カップリング
攻め:如月 理人(年下。お金持ちの息子。花屋を所有する。)
受け:不破 岳(画家。ちょっと尻軽なところがあったが、理人と出会って変化が。)
アマミヤ先生『ネイキッドカラー』のみどころ
作品の魅力1:きれいにまとまっている
1巻完結の作品ですが、とてもよくまとめっていました。1巻完結にありがちな、散々食い散らかして、最後には絡んで終わり、というパターンではありません。お話そのものには好みがあるかもしれませんが、それぞれの過去のお話、そこから来る現在の葛藤や問題など、そして解決を通して二人の距離が近づく過程がしっかりと描かれています。もちろん、もう少しじっくりと描くこともできたでしょうが、1巻にまとまる長さで違和感なくまとめるのって、結構難しいですよね。
理人は、お金持ちの息子。家の財産を守るという自分の人生は決まったようなもの。そんな漠然とした夢のない将来にどう対応したらいいのかわからないとき、ある花屋のオーナーと知り合います。そこで花について興味を持ち、花を作ることに。
そんな背景と同時に、彼の細かな性格が描写されていきます。征服欲が強かったり、熱しやすく冷めにくいとか、そういった彼の性格が、徐々に不破の心に浸透していきます。
不破はアーティスト。なぜか理人と出会ってから、インスピレーションが湧いてきます。そんな彼にも少なからず過去がありました。その過去、そして完成品には執着しないという彼の性格も、理人に出会って変わっていきます。
1巻完結の作品でありながら、より詳細な性格の描写がされていて、物語に厚みがあります。メインのお話を追うのはもちろん、何度か読み返すことで、彼らの過去、また性格など、いろんな側面が見えてきて、より二人の人物像がクリアになってくるんです。しかもわかりやすくセリフにしてくれている部分が多いのもうれしいです。
作品の魅力2:薄暗いアダルトな世界観
最初読んだ時、少し読みにくいな、と感じました。というのも、色の濃いトーンを多用しているからです。影の表現もそうですが、それ以上に、不破の持つアダルト、アーティスティックな雰囲気を出すためじゃないかな、と思います。見えるところも少しぼやけた感じに。
それはアマミヤ先生の狙いなんでしょうね。不破の性格、不破の心の内はなかなか見えません。作品の語り視線は、基本、理人です。なので、ミステリアスな不破の心情はトーンを使った表現も理にかなっています。
ただ、その分作品全体が少し暗くなっています。
だからこそ、対比として、日光がすごく新鮮に感じます。
理人は花屋です。花には日光が必要ですよね。作中に、二人がベランダで日光浴をするシーンがあるのですが(いいシーンです 💜)、このシーンがより輝いています。
キラキラはしていないのだけど、光や自然の大切さが感じられるワンシーン。
作品の魅力3:絡み多めの先生のファンサービス
長い絡みはないものの、比較的頻繁に絡みシーンが出てきます。これもアダルトな雰囲気にする演出、そして先生のファンサービスでしょうか。二人の性的な背景もさらっと表現されています。
理人はノンケだったらしいが、特に躊躇もなっく、あこがれたアーティスト(不破)に誘われ、ベッドを共にします。
一方、不破の方は、学生時代に自分は男性に興奮するのだ、と自覚しています。ただ、恋心というよりも、体の関係とわりきった関係だった。
そんな二人が、徐々に近づいていきます。体の関係を通してーーー。
ただ、結構頻繁に登場するこの絡みシーン、まったくそれがメインではないんです。二人のキャラを追うのに必然的なシーン。彼らの日常。物語のクライマックスとしてのツールでもなく、関係性を表現するメタファとして描かれています。
だから、シーンそのものはよく出てくるのだけど、いやらしさがそれほどありません。
でもね…
理人が年下なので、最中の言葉遣い、セリフがお好みの方はいるかもしれませんね。w
ちなみにこの作品、アマゾンではR18に設定されているようですね。
アマミヤ先生『ネイキッドカラー』を今すぐ読む方法
アマミヤ先生『ネイキッドカラー』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
サンプルを今すぐチェックすることができます。
私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)
どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。
コミックシーモア:頻繁にクーポン割引があり、また同人誌や特典冊子の作品もたまに読めたりします。
Renta!:レビューを書くとスタンプがもらえる機能などあり。レンタルも豊富です。
まとめ
今回は、アマミヤ先生の1巻完結作品、『ネイキッドカラー』をご紹介しました。この作品、派手さのある作品ではありませんが、しっかりと二人のキャラが描けている作品だと思います。
そして、読む際には、ぜひ1度だけでなく、少し時間をかけて数回読み込んでみてください。いくつかの絡み合った要素が、ゆっくりと見えてくると思います。
陽と隠、光と影の対比が作中で使われているのも特徴的です。
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