こんにちは。
今回は、里つばめ先生の探偵バディもの『FILES』(Canna版)を、ネタバレ感想・レビューを含めてご紹介します。
この感想を書いたのは数ヶ月前でして、気づいたら2023年10月に大洋図書からリニューアル版!?がリリースされたそうで… このシリーズ、もしかして復活するのでしょうか。
作品データ
FILES
里つばめ
刊行年月:2017.10.10
出版社:プランタン出版(Canna Comics)
どんな作品?
里つばめ先生の2017年作品。訳あり作品です。
探偵事務所を運営する吉野と、吉野のせいで浮気がバレて無職となった菊池が、バディとなって事件を解決していく…バディもののはずなんですが、事件はほとんど起きません。w
それよりもこの二人の距離感がどんな形で近づいていくかが物語の見どころです。
2017年09月28日、プランタン出版(Canna Comics)からリリースされた幻の1冊。
Canna版は、販売終了となっています。物語は続いていたはずですが、里先生が描かなくなったのか、大人の事情なのか、その後リリースされたいくつかのエピソードもまとまらないまま、電子書籍からも消えてしまいました。
が、2023年10月、名称変更されて、大洋図書よりリリースされました。
- 孤独な猫は夜明けに眠る FILES 001 (H&C Comics CRAFTシリーズ133)
- 孤独な猫は夜明けに眠る FILES 002 (H&C Comics CRAFTシリーズ134)
FILESの名前が引き継がれているので、おそらく販売終了となったこの内容の再収録、そして未収録だったいくつかのエピソードをまとめてくれたのではないかと思います。
もしかすると、いつか大洋図書にて続編が描かれるのかもしれません。
ということで、里つばめ先生のファンの方は、このCanna版(紙本)を持っていると、面白いコレクションになると思います。作品だけを読みたいのであれば、大洋図書の2冊から購入することができます。
ちなみに、同時期に描かれていたGAPSやDOGSに比べると、少しシンプルな出来で、絵柄の背景も結構空白が多いです。今回の再リリースに伴い、修正・加筆されているとうれしいのですが、どこまでディテールが加えられているか、いつか確認したいです。
カップリング
攻め?:菊池(ノンケだが、不意に見かけた吉野の笑顔にやられ、好きになってしまう)
受け?:吉野(兄を慕っている。恋愛感情の行方がわからないが、菊池を拒絶はしていない)
正直、この1冊からは、この二人の間にはキスくらいしか起こっていないので、攻めと受けははっきりしておりません。でもおそらくこの関係性ではないか、と。
設定上、どちらも28歳という設定のようです。
里つばめ先生の『FILES』のネタバレ注意!?感想・レビュー
このCanna版の問題は1つ。
中途半端な1冊。w
それは、物語の問題ではなく、Cannaとの兼ね合いもあったのだと思います。
それとも単純に先生が続編を描かなくなったのか、特に理由はないのか…。
1巻完結の作品ではあるのだけど、カップリング二人の関係性はなんとも中途半端な終わり方になっています。はっきりとしたエンディングを見せてくれない。
しかも、二人の関係性がはっきりしていない上に、なぜか吉野のお兄さんのエピソードも収録されております。この巻で、それぞれの状況はわかるんです。お兄さんの状況もわかるんです。でも、その後どうなるの?!?当然、続編をイメージした作りです。
しかしながら、2017年のリリース以降、いくつかのエピソードが描かれただけでフェイドアウトしてしまったようです。
ストーリーの展開に行き詰まったのか、大人の事情なのか、なんらかの理由で2巻をリリースすることはなく、この作品自体、電子書籍からも消えてしまいました。(版権の問題からでしょうか。)
また、作画も少し荒い感じがしました。
里つばめ先生の作品は、この作品を読んだ後に、人気シリーズ『GAPS』も確認したのですが、背景などしっかりと描き込まれていました。なぜ2017年のこの作品が描き込みも少なく淡白なのかはわかりません。
各エピソードは、まとまりよく描かれているので、非常にもったいなく感じました。
「まずはこの1冊を素晴らしい形で完結させよう」という意気込みが私には感じられず、消化不良な状態に陥ってしまった。
今後続きが描かれるのかはわかりません。ファンならもちろん、続編を読みたいと思うでしょう。
個人的にバディものは大好きですし、探偵ものだと事件の発展もいろいろと描き込んでいけるので、展開がしやすいと勝手に思っているのですが…。でも読者はそこを楽しみにしているわけではないのかな?
上記にも書きましたが、2023年10月、名称変更されて大洋図書より再リリースされました。
孤独な猫は夜明けに眠る FILES.001 (H&C Comics CRAFTシリーズ133)
孤独な猫は夜明けに眠る FILES.002 (H&C Comics CRAFTシリーズ134)
この大洋図書版に、未収録だったいくつかのエピソードもまとめてくれているのだと思います。今後、続編を描かれるのであれば、大洋図書で描かれるのかもしれません。
正直、里先生の描かれる作品はどれも大好きで、どの作品も続編を読みたいと思ってしまいます。カプが成立しても「完結」感がないのが、先生の作品と特徴かと思います。
続編が出るまで時間がかかってしまいますよね。待ちきれません。
ということで、このCanna版は、ファンのコレクションとして、手元に置いておくと面白い作品。作品そのものが気になる方は、10月リリースの新装版をチェックしてみてください。
里つばめ先生『FILES』を今すぐ読む方法
里つばめ先生『FILES』(Canna版)を今すぐ読む方法は、残念ながら、ありません。
Canna版は、電子書籍がなくなってしまったからです。
現在は、中古の紙本しかないと思いますし、新品の入手は非常に難しいのではないかと思います。ファンの方は、コレクションとして持っておくと、ちょっとプレミア感があるかもしれませんね。
リニューアル版は2023年10月2日に大洋図書からリリースされたので、その電子版でしたら、すぐに読めます。ぜひサンプルをチェックしてみてください。
以下、大洋図書のバージョンです。詳細情報をチェックできます。
私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。
コミックシーモア:頻繁にクーポン割引があり、また同人誌や特典冊子の作品もたまに読めたりします。
Renta!:レビューを書くとスタンプがもらえる機能などあり。レンタルも豊富です。
まとめ
今回は、里つばめ先生の『FILES』(Canna版)をご紹介しました。Canna版は1冊のみのリリースで、今現在大洋図書からリリースされたもの(全2巻)とは違います。里先生のファンの方は、現在は紙本(中古本)でコレクションとして持っていると面白いと思います。
こだわりがない方は、2023年10月に大洋図書からリリースされた新装版にてチェックしてみてはいかがでしょうか。こちらはCanna版に未収録だったエピソードや加筆もされているようなので、2冊にまとめてくださっているかと思います。
コメント