スカーレット・ベリ子先生『女王と仕立て屋』は1巻完結のほんわかストーリー

スカーレット・ベリ子
本ページは、アフィリエイトによるプロモーションが含まれております。

作品データ

女王と仕立て屋

スカーレット・ベリ子

刊行年月:2016.02.15

出版社:新書館(ディアプラスコミックス)

どんな作品?

スカーレット・ベリ子先生の3冊目のコミックス。

私にとっては初めてのベリ子先生作品です。

仕立て屋のイケオジ、哲也と、ちょっと女王様気質!?の若者、大海(おうみ)の恋バナ。

イケオジ… って、この定義は何歳からかはわかりませんが。w 大きな事件やメッセージ色も特にない、やさしい作品です。

仕立て屋の哲也はいつも落ち着いてて、当たり障りなく若者の大海(おうみ)を応援する感じで、やさしいです。大海は仕事もまだ駆け出しで、ちょっとがんばりすぎるところもあるけど、哲也に寄り添ってもらおうと、仕事に恋に奮闘します。

カップリング

攻め:城野 大海(じょうのおうみ:髪のハネが可愛い。俺様気質。w)

受け:志田 哲也(しだてつや:顔に傷ありで、過去に何かありそう。)

ベリ子先生『女王と仕立て屋』のあらすじ

アンティークの家具に囲まれながら、楽しんで仕事をしている仕立て屋の志田。そんな彼のもとに、仕事で成功するスーツを作ってほしいと若者の大海がやってくる。スーツができるまでお店に通うと言い出した大海と、やさしい大人な志田の不思議な関係が、仕事を介しながら描かれています。

俺様タイプの大海は、なかなか仕事でうまくいかない。同僚との関係もギクシャク。そんな時、楽しそうに、自分のポリシーを持って仕事をしている志田の元にいくと、不思議と癒されるのです。そして、志田の仕事に対する考えを慕うと同時に、志田に対する不思議な感情も生まれてきて…。

ベリ子先生『女王と仕立て屋』のみどころ

作品の魅力1:ベリ子先生のうまかわイラストが魅力

冒頭からコミカルにスタートするこのお話。

私は比較的苦手な絵柄はないのだけど、これ大好き!っていう絵にもなかなか出会わない。でもベリ子先生の、特にこの作品に使われているコミカルでかわいらしい絵柄と、作品に広がる素敵なアンティークインテリアの世界がよくマッチして、とっても魅力的です。この作品の魅力の一つもそこから来ています。

物語の冒頭に登場する志田哲也も、そこまで魅力的には感じなかった。しかし、数ページ進んでいくと、彼のちょっとした仕草がすごく魅力的に感じてくるんです。これ、ベリ子先生の絵の魅力。細めの体格と、髪型。

一方がんばり屋さんの大海は、ちょっと大きめの目で睫毛が長いきれいめキャラ。はねた髪型は若さを強調しています。目が違うだけで、簡単にキャラを見極められるのが、当たり前なんだけどうれしい。ベリ子先生は、いつもどのキャラもしっかりと描き分けてくれています。そして、時々差し込んでくるコミカル顔や3頭身のイラストなど、作品全体がほわっとした仕上がりになってます。

作品の魅力2:きれいにまとまった少女漫画的恋物語

まぁBLですからメンズラブなんですけど、なんか普通に少女漫画してて、びっくりしました。セリフも少女漫画。男臭さのない作品。

哲也は身嗜みもしっかりしてて、部屋も仕事場もきれい。おしゃれ。(あこがれる~!)大海は若いこともあってエネルギーに溢れてて、キャンキャンがんばってる子犬系。なんか普通に男女の恋愛にもありそうですよね。

しかも大海はきれいめなので、ちょと乙女チックというか… いきなり告白なんかもしちゃうし。w ふつーに、少女漫画の展開です。

ちょっといじわるな!?大海のお姉さんも登場するんです。お姉さんもちゃんと女性として魅力的なキャラに描かれているんだけど、なぜかこのお姉さんが物語にスパイスを加える。ただ、この展開はちょっと安易かなぁとは思いました。物語を盛り上げる要素、他にもあるかもですね。

ベリ子先生のことを調べてみたら、もともと少女漫画でデビューした方なのですね。納得~。少女漫画時代のペンネームはなんでしょか?そちらも読んでみたいです。

作品の魅力3:かわいい系の大海が攻め

個人的に攻め・受けの性格などは気にしてませんでしたが、この作品は、可愛らしい年下の大海が「攻め」になっています。もしかして、苦手な人もいるのかな…!?

正直、この作品に関しては、大海が志田に恋心を抱くところからちょっと疑問が…。大海の性的指向もよくわからないし、ましてや志田の方はさっぱり。志田の過去の話を読むと、ますますなぜこの二人が恋心を持って、付き合うことになったかよくわからないです。w だから、ふわふわしてるんですよね。ベリ子先生の作品を読み込んでいないため、先生の作風からなのか、謎です。

私はどちらのキャラも魅力的だとは思うのだけど、ストーリーの展開がもやもや。その部分を、下記の感想でお話しますね。

ベリ子先生『女王と仕立て屋』ネタバレ!?感想・レビュー

以下、少しネタバレを含みますのでご了承ください。

全体的によくまとまった1冊です。

ベリ子先生の作品を初めて読まれる方にもいいと思いますし、やさしい作品です。

ただ、しっかりとBLを考察しながら読み込んでいる人や、漫画をたくさん読んでいる人には物足りない展開だと思います。

BL初心者の私にはちょうどよかったし、ベリ子先生の魅力的なイラスト、何度か登場する絡みシーンも下品じゃない。

また仕立て屋・哲也の自宅はかわいらしく、勉強になります。インテリアデザイナーのはずの大海の部屋を見ることはなかったので、彼のセンスは確認できない。w

あえて言えば、少し少し盛り上がりに欠けるかな、とも感じます。

大きな問題や葛藤といったものがないので、さらっと終わってしまいます。なので、この作品のポイントはなんだったんだろ…となってしまうのが残念です。

途中で登場するお姉さんが問題提起をしているのなら、あまりにベタ。子孫残せないとか、そういったところを突いてくるのだけど、そもそも冒頭から大海本人が男性を好きになるっていう過程で何ら抵抗が描かれてない。受ける哲也の方も。だから、哲也と大海の二人の間には、男云々の葛藤はそもそもないんです。そういった理屈を超えたところにある。だからお姉さんの言葉は彼らにも読者にも(少なくても私には)響かない。なんでそんな展開にしちゃったの?と思う読者も多いのではないでしょうか。

ただ、1冊にまとまるお話としてはちょうどいい盛り上げ方だったと思います。哲也の過去とか、大海の家族の話とか、仕事の話とか、気にはなるけれど、中途半端に描かれるよりは、これくらいの盛り上がり方がちょうどいいのかな、と思ったり。

なので、深いメッセージは、ないです。でも、こういうやさしい雰囲気の作品、意外と少ない。やさしくて、お話がきれいにまとまってるやつ。この作品を読んで、とくかく漫画としてのストーリーがきれいなんですよ。荒くない。絵柄も間違いなく好きなタイプなので、この先生の他作品も読んでいこうと思っています。

ベリ子先生『女王と仕立て屋』を今すぐ読む方法

ベリ子先生『女王と仕立て屋』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

最初の数ページをサンプルで今すぐ読むことができます。

私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。

コミックシーモアは頻繁にクーポン割引ありで、オススメです。

Renta!は、レビューを書くとスタンプがもらえる機能などあり。

ところでこの作品、中古屋さんでもたまに見かけます。私のように紙本が好きな方は、ぜひお近くの中古屋さんでもチェックしてみてください。紙本は、イラストの練習をされてる方にはかなり便利だし、この本は紙本の表紙がオススメです。

ベリ子先生『女王と仕立て屋』をもっと楽しむ方法

ベリ子先生『女王と仕立て屋』を漫画以外で楽しむ方法があります。

ドラマCDです。

この作品はドラマCDも楽しめそうです。もちろん、スカベリ先生の漫画ありきではありますが。

メディアCDの在庫もまだあるようなので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

コミコミスタジオでチェック。

声優さん:村田太志(大海)、新垣樽助(志田)

まとめ

今回は、スカーレット・ベリ子先生の『女王と仕立て屋』をご紹介しました。作品のやさしくほんわかした雰囲気が好きで、癒しになる1冊です。ベリ子先生を読んだことがない方や、BL初心者にはオススメの1冊。寝る前の癒しにいかがでしょうか。

ぜひ手に取ってみてください。☺️

コメント

タイトルとURLをコピーしました