木原音瀬先生『KISS 30』:作家生活30周年記念第2弾!

木原音瀬
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こんにちは。

今日は、木原音瀬先生の作家活動30周年記念シリーズ第2弾『KISS 30』をご紹介します。

2巻は少しエロス色が高かったです。

作品データ

KISS 30

木原音瀬(このはらなりせ) Narise Konohara

イラスト:犬居葉菜, 池玲文, 昼寝シアン

刊行年月:2026年02月19日

出版社:リブレ

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どんな作品?

1995年に『眠る兎』でデビューした、BL小説のみならず文芸でも活躍中である木原音瀬(このはらなりせ)先生の作家30年を記念したシリーズ。

全3巻のシリーズですが、物語はすべて読み切りなので、どのお話から読んでも楽しめます。

『HUG 30』『KISS 30』『LOVE 30』の全3巻のシリーズで、今回は2冊目の『KISS 30』をご紹介します。

以前雑誌に掲載されたお話で文庫化されていなかったものが3話、そしてそれぞれのその後の書き下ろしショートが収録されています。一番古いお話は2002年掲載のもの。今の時代でも問題なく読めるように、修正・加筆されています。

前作の『HUG 30』よりも木原先生色の強い、クセの強いキャラたちが登場します。犬居先生の描く可愛らしい色合いの表紙イラストにほっこりするものの、本編を読むとクセ強し w

昨今の優しくていい人たちの可愛らしいBL話とは違う、どちらかというとあまりBL界隈で見かけなくなった、ちょっと問題のある!?男性たちが登場します。そして、前回よりもエロ色強め。今回はホラー系もあるので、印象深いものになりました。

イラスト担当は、犬居葉菜先生、昼寝シアン先生、そして池玲文先生と、興味深いメンバーたち。

紙本のデザインは、本体に犬居葉菜先生のカラーイラストが施され、その上にヴェラム紙の表紙カバーが施されている素敵な装丁です。

また、アニメイトとコミコミスタジオで紙本を購入するとSSカードが付いています。

木原音瀬先生『KISS 30』:ネタバレ!?感想・レビュー

前作『HUG 30』よりも個性強めなお話、そしてエロ色が強かったです。でも、その分印象も強いです。

ストーリー1:ハッピーライフ

ストーリー2:その後のハッピーライフ

カップリング

攻め:高梨(生活が安定しない、無計画で無責任な男)
受け:君島(ハウスクリーニング店に勤めるお掃除好きで計画性のある若者)

感想

初出は『小説ビーボーイ』(2004年4月号)。

ハウスクリーニング専門店で働く君島と、お客さんの高梨。家のクリーニングに行ったはずなのに、その後すぐに仕事のない高梨はアパートを出て行く羽目になり、露頭に迷います。

偶然街で再会した君島は、高梨に自分が働くクリーニング会社でのバイトを紹介します。さらにはアパートが見つかるまで二人は同居することに。

生活がおぼつかない高梨という男。妻には逃げられ、身の回りのこともできず、不潔感の漂うそんな男と、掃除が好きな男・君島の同居生活は、聞いただけでイライラ。w

共通点もなく、恋に落ちそうにない二人が何かをきっかけに距離を縮めていく。木原先生特有のスタイルです。

物語は面白いですが、いわゆるメンズとしての萌えや共感を感じることはないので(え?私だけですか?w)あくまでも読者は客観的に物語を楽しめます。唯一の萌えは……ダル!?笑

ただ、こういう二人が恋愛に向かうということ自体に好奇心を掻き立てられるのが、先生の物語の魅力。様々な愛情の形で魅せてくれます。

木原先生の作品の面白さは、イケメンとか、文章が綺麗とか、そういうところじゃない。不可思議な人間性、心の奥底にある好奇心や闇。そういったところが描かれるから、やめられない。

ストーリー3:CURSE

ストーリー4:その後のCURSE

カップリング

攻め:廣巳(ひろみ:研修医の一人。時田のターゲット・馬場の同期)
受け:時田(外科医。過去に大きな失敗があり、その反動もあるのか、今は威圧的な態度で周りをいびる)

感想

初出は、『小説ビーボーイ』2002年8月号。

舞台は病院。外科医の時田は仕事はぼちぼちなのにとにかく厳しい。いじめ体質なのか、自分の担当でもある研修医・馬場などに威圧的な態度で指導するため、後輩のストレスも増える一方。

ある日、馬場や研修医の同期が医員室で「占いサイト」をのぞいています。かなり当たると噂のあるそのサイトに興味を持った時田は、さっそく自分を占ってみるのですが……。

占いサイトにのめり込んでいく時田からは、死や未知に対する恐怖心が感じられます。

サイトには明らかに違和感があるのですが、その違和感に気づきながらも恐怖心に勝てない時田が壊れていく姿、そしてそんな時田をじっくりと追い込んでいく廣巳にゾクゾクしました。

怖い話を読んでも怖いとは思わないんですが、メンタル面での恐怖を感じました。

本編でははっきりした占いサイトの謎解きがありません。読者はもちろんサイトの違和感からも犯人がわかるのですが、それでも最後はどうなるんだろう、木原先生はエンディングをどう落としてくれるのだろうという怖いもの見たさ、自分もすでにこの世界観に引きずり込まれているという恐怖。w

いろんな意味で、ホラーです。

ストーリー5:大人の玩具

ストーリー6:その後の大人の玩具

カップリング

攻め:桐谷(内村に恋心を抱くしっかりもの)
受け:内村(軽めで、だらしないやつ)

感想

初出は、小説アンソロジー『エロとじ♥ 艶』2013年9月号。

この作品もホラー色が強いお話ですが、アンソロジーのタイトルからも想像できますが、かなりエロ色が強かったです。怖い設定でもエロスが絡めば怖さもふっとんでしまいますね。ただ、種明かし!?はありません。

居候させてもらっていた兄のアパートが解約され、数ヶ月限定で知り合いのアパートに住まわせてもらうことになった内村が、そのアパートで謎のエロ現象に巻き込まれていきます。

骨の髄まで蜜を搾り取られるような現象にげっそりと正気を失っていく内村と、そんな内村に恋心を抱き続ける不思議な桐谷

短いお話で、桐谷の存在感は少し薄いのですが、この謎の現象に登場する鈴虫、カラスや蚕といった面々が非常に興味深い。行為そのものはアレなのですが、この面々のあれこれを妄想すると、自分だけのコメディの世界へと突入します。

*****

3つのお話、どれも違ったテイストになっています。これだけ幅の広いお話が展開できるのもすごいな、と思います。

しかも、どれも癒しで読むような、軽い作品ではありません。読む前に少し構えなければいけないような……。

でも、私はそれくらいの熱量が感じられる作品を読みたいのです。だから、木原作品はやめられない!😆

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木原音瀬先生『KISS 30』をもっと楽しむ方法

特典にこだわる方は、アニメイト、コミコミスタジオで購入すると、SSつきのリーフレットもしくはイラストカードがついております。

コミコミスタジオでは、先生のインタビューも掲載されていますので、要チェック!

木原音瀬先生30周年記念 特設ページ|コミコミスタジオ
木原音瀬作家生活30周年記念――。

まとめ

今回は、木原音瀬先生の『KISS 30』をご紹介しました。癒しで読む作品ではないので、優しい作品をお探しの方にはオススメできません。でも、少しドスの効いた、しっかりと書かれたがっつりBLの読み切りをお探しなら、読んでみてはいかがかと思います。

木原先生が好きな方は、いつも通り楽しめるのではないでしょうか。

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