こんにちは。
今日は、木原音瀬(このはらなりせ)先生の作家30周年記念本第1弾『HUG 30』をご紹介します。
素敵な装丁、そして3人の豪華漫画家さんによるイラストにより飾られています。
お話は、もちろん読み応えのある木原ワールドです。
作品データ
HUG 30
木原音瀬(このはらなりせ)
イラスト:厘てく、上田アキ、外岡もったす
刊行年月:2025年12月19日
出版社:リブレ
どんな作品?
BL小説のみならず、文芸でも活躍中である木原音瀬(このはらなりせ)先生の作家30年を記念したシリーズ全3巻。『HUG 30』はその第1巻になります。
物語は読切なので、1冊ずつ完結しています。
『HUG 30』には、雑誌に掲載されたお話で書籍化されていなかった3つのお話が収録されています。
一番古いお話は1999年掲載のものですが、この記念本出版のために修正・加筆がしっかりとされているため、レトロなガジェットなどは登場せず、今の時代でも問題なく読めるようになっています。
当時からのファンの方、また同人誌などでお話を読んだことがある読者もいるかもしれませんが、それでも楽しめるし、読み切りというのもうれしいです。
また、イラストレーションも豪華で、厘(りん)てく先生、上田アキ先生、そして外岡もったす先生が扉絵で物語を飾ってくれています。
長編ではないため挿絵はありませんが、1冊で3人の人気漫画家さんのイラストが楽しめるのは魅力です。
また、紙本のデザインは、本体に厘てく先生のカラーイラストが施され、表紙カバーはヴェラム紙が使われています。
『HUG 30』『KISS 30』『LOVE 30』の全3巻のシリーズで、今回は1冊目の『HUG 30』をご紹介します。
木原音瀬先生『HUG 30』:ネタバレ!?感想レビュー
まず、読み切りが、うれしい。
どのお話も、かなり前に小説雑誌に掲載されたお話ですが、今の時代に読んでも大丈夫なように、コンプラ対策、そして平成レトロなアイテムなどは加筆修正されています。違和感なく読めると思います。
どうしても当時のまま読まれた方は(私もそうですが)、雑誌のバックナンバーを探せば読むことが可能だと思います。
3つのお話が収録されているので、お話ごとにご紹介します。

ストーリー1:恋の片道切符
ストーリー2:その後の恋の片道切符
カップリング
攻め:イワン・クルーグ(北欧系。ゴールデンレトリバー系)
受け:千光士薫(45歳の実力派俳優だが、プライベートはポンコツ!?)
感想
初出は『小説ビーボーイ』2003年10月号。
タイトルが平成レトロ ですね w
千光士とイワンのこの二人、書籍化されていないはずなのに記憶にあるのはなぜ?と考えたら、同人誌『COMPLETE』で別バージョンの二人を読んでいました。
アラ…フィフ?の千光士薫は、日本アカデミー賞も受賞したことのある実力派俳優。ドラマや映画で知名度のある彼は、パブリックイメージはいいものの、実物は漢字も読めないポンコツ。
細身で華奢な美青年にばかり惹かれるが、恋が長く続いたこともなく、スキャンダルにならないように人づてに紹介された男の子と付き合うも、いつもフラれてばかり。
そんな彼がある朝目を覚ますと、横には金髪、がっちりとした体つきの北欧人が寝ています。そんな二人のお話です。
どこかで読んだ作品説明にはコメディとありましたが、コミカルな描写は若干あるものの、シリアスな作品として楽しみました。イワンが真面目で… w
千光士のポンコツぶりもおもしろく、木原先生の萌え!?でもあるオジサン受けのお話です。オジサンものは私の萌えでもあるのだけど、枯れた感じはありません。(NO WHEREやLOVE&CATCHに比べたら……w)
ギャップ萌えを感じる方もいるかもですが、私はイワンの純愛を楽しみました。
物語は千光士の視点で語られていきますが、イワンは俳優・千光士の大ファンということで、スクリーンの中での千光士に恋をしている様子。
実物の千光士に、イワンは今まで千光士が演じてきた役柄を投影していることに、千光士は申し訳なく感じ、また自信を失って堕ちていく描写あたりに木原先生らしさを感じます。
そうそう、木原先生はいつも痛みのあるお話を書いているわけではなく、結構甘々なお話や純愛なども書かれているんですよね。
それでも読み応えがあるのは、先生の着眼点、人間観察に魅力があるのでしょうか。
ストーリー3:うつる
ストーリー4:その後のうつる

カップリング
攻め:渡守生(もりお:ゴールデンレトリバーw)
受け:真道保(腕はいいが、手術中に倒れる外科)
感想
初出は『小説ビーボーイ』2013年7月号。
ホラー色のあるお話で、興味深かった。
ただ、私のホラーの定義は、怖いだけでなくドロドロで気持ち悪い印象も伴うため、そう考えるとそこまでホラーではなかったです。
木原節が発揮されているかはわかりませんが(まだ先生の作品は全部読んでいないので判断不可能)、少しファンタジー色があるので新鮮。
渡の描写から若さとエネルギーを感じ、このお話はコメディタッチでも妄想が可能です。w
外科としての腕はなかなかあるのに、手術中に倒れてしまう真道のお話。外科としての奮闘、そしてある日知り合った金髪の渡(わたり)との一夜のあれこれが描かれています。
読み切りではありますが、主人公二人の印象がはっきりと脳裏に焼きつくお話で、ホラー色がありながらも甘い香りが漂い、そして二人の絶妙な距離感が楽しめます。
渡がゴールデンレトリバーのようだと描写されており、1話目の恋の片道切符とさらっとリンクするのも面白いです。
ストーリー5:レザナンス
ストーリー6:その後のレザナンス

カップリング
ディール・クスノセ(日系アメリカン)
ウィリアム(不器用なタンポポ)
感想
初出『マガジンZERO 24号Summer』(1999年5月)。
先生のあとがきによると、この雑誌はブロマンスの匂いのする一般誌だったそうです。
物語はBL色は薄めですが、主人公であるディールとウィリアムの微妙な距離感に微かに萌えを盛り込みつつ、緊張した戦場のお話になっています。
舞台はベトナム。
日系のディール・クスノセという男性がベトナムに派遣され、過酷な戦場で死闘を繰り広げるお話です。
さらっとですが agent orangeについての描写があり、『コゴロシムラ』を思い出しました。
これまでにたくさん作品を書かれている木原先生ですが、エンタメ業界やホラー、病院など、よく舞台となる場所はテーマがいくつかあって、作品がさりげなくつながっているのも面白いです。
『レザナンス』は一般誌向けということもあってか、読みやすい文体ではあるものの、テーマは少しシリアス。また、読み切りの中で時間が刻々と進んでいくのも、今の作品ではあまり見かけなくなった手法です。
なぜ私たちは、生きるのか。
なぜ私たちは、変わらないのか。
なぜ私たちは、変われないのか。
直接的なBL描写はありませんが、二人の間に仄かに灯った感情、そしてモノに秘められた物語など、いくつかの考察ポイントがあり、楽しめました。
昨今の世界情勢もあってか、個人的には3つのお話の中で一番興味深く拝読しました。
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まとめ
今回は、木原音瀬先生の作家生活30周年記念本の第一弾『HUG 30』をご紹介しました。
木原先生の作品は、どの作品も今の時代に読んでも楽しめる作品ばかり。流行りに流されず、先生の書きたいもの、萌えに忠実に書かれているのかなと思います。文芸作品も興味深い作品が多く、これからも楽しみです。
木原先生、30周年おめでとうございます。❤️
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