こんにちは。
今日は、安西リカ先生の小説『バースデー 』をご紹介します。
私にとっては初めての安西作品となりました。❤️
作品データ
バースデー
安西リカ Rika Anzai
イラスト:みずかねりょう
刊行年月:2018年02月25日
出版社:新書館(ディアプラス文庫)
どんな作品?
安西リカ先生のディアプラス10冊目の作品。書き下ろしです。
個人的には初めての安西リカ先生の作品になりました。新しい出会いに感謝です。❤️
きれいさと、ほどよいミステリアスな雰囲気を兼ね揃えた世界観を感じました。
登場人物はそれほど多くなく、しっかりと雰囲気が書き分けられており、混乱せずに最後まで楽しめます。
複雑ではありませんが、ちょっぴりミステリーということもあり、なかなか読み応えがあります。
新聞配達をしながら静かに暮らす百合原(ゆりはら)、そして彼がたまたま新聞代金の集金先のマンションで知り合った滝本(たきもと)との関係性を描いたお話。
もう一人、重要なキャラクターも登場します。
その3人との関係と、各々のキャラの背景が絶妙に絡み合って、クライマックスへと向かいます。もちろん、BL作品ですので、ラブシーンもしっかりとあります。
あとがきで、安西先生が「萌え」についてお話していましたが、私がBL小説の読者としてまだ適してないなと思うのは、それほど「萌え」なるものを求めていないということでしょうか。w
普通に小説として読んじゃってる……。w
BL設定だったとしても、物語の整合性を求めてしまうところに、(自分は)BLというものをわかっていないなぁと思ってしまいます。そんな私ですが、十分に楽しめまた作品です。
カップリング
攻め:滝本遼一(法曹一家に生まれる。攻めだが、自分より強い男が好み)
受け:百合原透(新聞配達をしながら静かに暮らす。自分に自信がなく、友達も少ない)
あらすじ
百合原は、新聞配達をしながら静かに暮らしていた。ある程度仕事に慣れてくると、また近場の配達所に移り、小さなコミュニティーを転々としていた。まるで何かを探すみたいにーーー。
ある日、新聞の集金に訪れたマンションで見かけた滝本という男と知り合う。慣れない新聞セールスをしてみると、購読してくれるという。そんな彼と、月に数回会うようになる。
滝本は、実は忘れられない元カレにそっくりの百合原を、なんとか自分のものにしようするのだがーーー。
安西リカ先生『バースデー』:ネタバレ!?感想・レビュー

作品の魅力1:ミステリアスなストーリー
物語は、冒頭のプロローグからスタートします。
長いお話もしっかりとチャプターが分かれていて、チャプターごとに視点が変わります。
区切りをつけやすいですし、どちらの視点からも物語が楽しめるのでうれしいです。
時系列はあまり重ならないのですが、お互いの考えや背景がより鮮明に理解できるようになっています。
メインキャラとなるのが、百合原。
彼は、新聞配達をしながら、小さなコミュニティーで静かに暮らしています。生活も当然派手ではないし、お金もないので少し質素ですね。友達もいなければ、趣味も少ない。
でも、毎日の生活に小さな幸せのようなものは感じている。
滝本とは、新聞の集金に向かったマンションで知り合います。
立派なマンションに引っ越してきたばかりの滝本を見かけ、ダメ元で新聞セールスをする百合原。
なんと!定期購入の契約に漕ぎ着けます。今のご時世、不可能に近いですが、ラッキーですね。w でも、そこには理由があり、その理由は、滝本の視点で語られています。
BL設定としてはあまり噛み合いそうにないこの二人。
そんな二人をつなげる一人の人間がいます。
三希(みつき)という男性の存在。
冒頭のプロローグにも登場するこの三希という男性が、二人の関係をつなげていきます。
三希のキャラは、百合原とは全く違い、華やかキャラです。
颯爽としていて、しっかりとした自分……というか、人生においてミッションを持っている。ふらふらしているようで、全ての行動はこのミッションにつながっていきます。
この三希と百合原との対比があるので、より滝本の心情の揺れが面白くなっているのだと思います。
しかし、そんな心情を楽しみながらも、メイン(いや、サブなのか?)のストーリーはミステリー。最終的にそのミステリーが解決することよって、物語のクライマックスを迎えることになります。
作品の魅力2:キャラの魅力

百合原と滝本、そして二人の共通の知人になる三希(みつき)の三人が登場します。
百合原の描写は先の通りです。
滝本は、法曹一家に生まれます。母方の家系が法曹一族で、幼少時から家のいざこざに巻き込まれてきました。プレッシャーはありましたが、自分の才能と努力でまわりの敵をなぎ倒していくのが滝本です。
体格的にも長身でモテるキャラ。金銭的にも悩んだことがほぼありません。
向かうところ敵なしな存在の彼は、自分よりも強い相手を求めます。そしてそんな強いはずの相手を泣かせたいという性的嗜好を持っている。
権力(法曹)の中で育った背景が現れていて、常に人を支配したい、人の上に立ちたいという無意識な支配欲が出ているのが面白いです。
百合原は全くその反対ですし、社会的にも精神的にも弱く、滝本にとっては支配する必要のないキャラのはずです。
そこに、三希というキャラが登場します。
三希には、体格からくる強さは見当たらない。でも、華やかさがあります。
その華やかさは、容姿からくるものだけでなく、人生にミッション(目的)を持っていたからではないかと思います。
三希は鋭い目を持っているのですが、その鋭さは、絶対に遂行しようとしているその目的に対する決意の表れではないかな。
作品の魅力3:世界観

正直、百合原のチャプターを読み始めた時、ちょっと心配でした。
私は、きらきらした世界観は(青春もの以外)ちょっと苦手で、どっしりとした人間臭い作品が好みなんです。
この物語は20代というキャラですが、生きにくい環境で育った二人が描かれています。なので、少し物語に重みがあります。しかしながら、暗くならないようにか、小さな幸せを楽しむ百合原のようなほのぼのキャラになっているのでしょうか。私には優しすぎました。w
安西リカ先生『バースデー』を今すぐ読む方法
安西リカ先生『バースデー』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
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まとめ
今回は、安西リカ先生の小説『バースデー』をご紹介しました。
BL小説は、限られた先生の作品しか読んでいないので、まだ馴染みがなく、読み方がわかっておりません。ですので、普通に小説として楽しめるかどうかで判断しています。この作品は、とても優しい作品ではありましたが、ミステリアスで最後まで楽しめました。
安西先生の作品はあと数冊手元にあるので、これから読むのが楽しみです。😊
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