凪良ゆう先生『恋愛犯 〜 LOVE HOLIC 〜 』:微かな記憶に辿る音色

凪良ゆう
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こんにちは。

今日は、凪良ゆう先生の2008年作品『恋愛犯 〜 LOVE HOLIC 〜』をご紹介します。

初期作品ということもあり、初々しさはありますが、きれいにまとまっており、読みやすい1冊でした。やっぱり凪良先生が創り上げるキャラには魅力があり、惹かれます。

作品データ

恋愛犯 〜 LOVE HOLIC 〜

凪良ゆう Yuu Nagira
イラスト:サクラサクヤ

刊行年月:2008年05月25日

出版社:白泉社(花丸文庫BLACK)

どんな作品?

凪良ゆう先生の2008年作品、2作目の文庫本になります。

筆が立つ凪良先生の初期作品ということで、初々しさがありながらも綺麗にまとまった程よい読み応えのある物語になっています。

家庭やクラスに馴染めない高校生の日永(ひなが)と、偶然接点を持ったクラスメイトの勢田(せた)。お話は、二人の高校時代のエピソードを踏まえた上で、その4年後に偶然街で再会してからのあれこれが描かれていきます。

日永は家庭環境に恵まれておらず、そこからコミュ障に。彼が没頭できるのはバイオリンだけなのですが、時間を忘れて没頭できるものがある羨ましさの反面、一人で過ごす練習時間から、人間付き合いが下手な日永は、そこからトラブルに巻き込まれていきます。

物語は日永の視点で語られています。そのため、勢田の様子は日永の目に見えるものが表現されてはいるのですが、物語が進むにつれて、日永が見えなかった勢田の側面もゆっくりと見えてきて、互いの葛藤が描かれていきます。

最近の凪良先生の作品を読まれている方には、とてもシンプルなお話に感じるかもしれませんが、シンプルながらもキャラの魅力(闇の部分、複雑な部分)がしっかりと語られているし、お話の流れも適度な捻りがあり、読みやすい作品です。

また、キーアイテムとなるバイオリンの描写がたびたび登場するのですが、バイオリンを弾いたことのある読者には共感できる部分も多いのでは。ただ、幼少期から毎日練習を続けているという日永の描写には、驚愕しました。w

凪良先生の初期作品は、シンプルながらも勢いのある作品が多いです。
先生ご自身の背景をオープンにしている今、この作品を読むと、昔から(良い意味で)先生のスタイルはそれほど変わっていないのかなと思います。

カップリング

攻め:日永(家族とは疎遠、友人もいないが、バイオリンと勢田にだけ興味がある)

受け:勢田(日永のバイオリンに唯一価値を見出したシェフ)

あらすじ

ある日、日永は高校のクラスメイトである勢田を街中で見かける。学生時代、唯一自分の音楽に興味を持ってくれたクラスメイトで、彼のことが好きだった。しかし学校でトラブルに遭い、交流はそれ以来途絶えていた。

4年後、日永は久しぶりに見かけた勢田に声をかけたが、足を滑らせた勢田は怪我を負い、記憶喪失になってしまいーーー!?

凪良ゆう先生『恋愛犯〜LOVE HOLIC〜』:ネタバレ!?感想・レビュー

全体的にさくっと読める物語です。複雑ではありませんが、とても楽しめました。

個人的には音楽に思い入れがあるので、たびたび描写される練習シーンなども好きですし、日永の執着心にも興味の湧く作品でした。

作品の魅力1:日永

この作品は、日永の物語です。

凪良先生のベストセラー『美しい彼』の原点がここにあるかも!?w

日永はバイオリンにしか興味がない青年。子供の頃にバイオリンを習い始め、それ以来練習を欠かしたことがないほどバイオリンに魅せられている。ただ残念なことに、演奏技巧はあるのに、勉強は好きじゃない。そのため、音楽高校に進むだけの学力がありません。

技術と知識のギャップから、家族、特に弁護士である父親から失望される。

つまり、恵まれない家庭環境で育ったのが日永です。

凪良先生の作品によく登場する家庭環境。

のちに、先生はインタビューなどで自身の家庭環境についてカミングアウトされていますが、先生ご自身も厳しい家庭環境だったこともあってか、先生の創作の根底にあるのが家族だと思います。

日永は、高校でトラブルを起こし、家族とは絶縁されてしまいます。
それ以降、彼は家族に対しての感情がなくなる。

友人もいない日永は、空き時間を見つけては、バイオリンを奏でます。

無心で奏でるこのバイオリンの描写が、丁寧に描かれており、彼がどのように演奏を通して自分を表現しようとしているのかがわかります。自身の表現方法としての音楽なのだけど、情緒ある曲を演奏するわりには、感情がそこにないのも興味深いです。

執着は、ある。
でも、パッションがそこにあるかは、わからない。

作品の魅力2:勢田

そんな日永にストーキングされる勢田は、高校を卒業すると、調理学校に行き、両親が経営するレストランでコックとして働きはじめます。

理由は色々あれど、料理も創作。日永も、勢田も、形は少し違いますが、創作活動を介して自分に何かを見出そうとしているのが面白いです。

このお話は、まさかの記憶喪失ものです。

でも、そんな設定を気にする暇もないほど日永に目がいってしまいます。w

日永は記憶喪失の勢田を自宅へ招き入れ、しばらく一緒に暮らすことになります。

記憶は思い出さずとも、なんとなく覚えている料理の記憶、仕事への復帰、そしてその職場での人間関係を気づいていく勢田の変化は、日永の視点で語られていくのだけど、そこには「いつ記憶が戻って自分の元から離れていってしまうか」という恐怖や不安のフィルターごしの視線で描かれているのも面白いです。

作品の魅力3:執着

日永には執着心があります。

バイオリンに対しては、毎日練習すごいね…… 本当に心から好きなものだったら、そうだよね…… と共感さえしてしまいますが、それが好きな人(勢田)に対してだと、少し病的に感じるところがあります。

いわゆるストーカーです。

さらに、コミュ障のため、職務質問されてもうまく答えられないし、彼の中でのロジックで物事を考えているので、人とのコミュニケーションがほぼ皆無の彼には、いわゆる「普通」とか「常識」がわかりません。

だから、自分がしていることがストーカー行為なのだということにさえ気づかない。

そういった執着心に恐怖を感じる方はお気をつけください。

凪良先生の表現からは決してサイコパス的なものは感じられません。フラットに表現されているのだけど、その執着心は、物語のラストに、高校の音楽教師である飯田先生が日永に対して、勢田は日永と同じ人間だから惹かれるのではないか、と結論付けています。

どうだろうか……。

ここは、もう少し再読して、考察したいポイントです。

凪良ゆう先生『恋愛犯〜LOVE HOLIC〜』を今すぐ読む方法

凪良ゆう先生『恋愛犯〜LOVE HOLIC〜』は、残念ながら今現在電子書籍でリリースされておりません

今後電子書籍化される予定があるようなので、楽しみです。
今現在は、紙本(中古本)での入手が可能です。気にならない方はぜひフリマやアマゾンなどで中古を探すことができます。

紙本は楽天を利用しています。電子書籍もありますし、洋書の取り寄せも安心。
日本企業を応援しております。

 

まとめ

今回は、凪良ゆう先生の初期作品『恋愛犯〜LOVE HOLIC〜』をご紹介しました。

初期の作品ですが、これから2026年あたりに電子書籍で新装版がリリースされるのではないでしょうか。

これから凪良先生の作品を読みたいという方よりも、すでに先生のファンの方に読んでほしい作品です。もし凪良先生のファンになられたら、遅かれ早かれ、先生の全ての作品に目を通したくなるのがファン心理ですよね。凪良先生は文芸も書かれておりますが、凪良先生のBL作品も良いので、ぜひ全ての作品を電子書籍化してほしいです。

 

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