凪良ゆう先生『恋愛前夜』:凪良先生が描く幼なじみラブ

凪良ゆう
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こんにちは。

今日は、凪良ゆう先生の『恋愛前夜』をご紹介します。

凪良先生の初キャラ文庫作品でもある本作は、漫画家を目指すトキオと隣の家に引っ越してきたナツメの幼なじみのお話。複雑な家庭環境を描きながらも、にぎやかな作品でした。

作品データ

恋愛前夜

凪良ゆう Yuu Nagira
イラスト:穂波ゆきね

刊行年月:2011年11月30日

出版社:徳間書店(キャラ文庫)

どんな作品?

凪良ゆう先生の幼なじみのお話です。初キャラ文庫作品。この後、凪良先生は次々にキャラ文庫でヒット作を生み出していくことになります。

小学生の時から市営住宅で隣同士に住んでいたトキオナツメ。物語は二人の幼少期、そしてその後トキオが漫画家を目指して上京してからの2部に分かれています。

きれいな描写は多いものの、キラキラ感を少し抑えた表現でとても読みやすく、後半の上京時代のお話はコミカルで賑やかに描かれているのも特徴です。

しかしながら、やはり作品全体を読み終えると、どこか凪良先生の顔がちらちらと脳裏に過(よ)ぎるのは、先生の作品の特徴かもしれません。それが漫画家というキャラの描写からなのか、家庭環境の描写からなのか……。

穂波ゆきね先生のやさしいイラストも手伝って、素敵な恋物語に仕上がっています。

カップリング

攻め:トキオ(漫画家を目指す物静かな男の子。やるときめたら、やる)

受け:ナツメ(いい奴だけど、ずば抜けたものがなく、平均的な普通の男の子)

あらすじ

小学生の時に引っ越してきた市営住宅。そこで、ナツメトキオと知り合った。物静かなトキオはいつも一人で漫画を描いている。そんなトキオをどこか羨ましく思っていたナツメ。でもトキオには複雑な家庭環境の問題があった。

クラスメイトに溶け込むナツメと反対に、一人で黙々と漫画を描き続けるトキオは、高校卒業後に上京し、漫画家になることを決意する。そんな矢先、トキオは自分の恋心をナツメに知られてしまうのだがーーー。

凪良ゆう先生『恋愛前夜』:ネタバレ!?感想・レビュー

作品の魅力1:トキオの家庭環境

この物語の魅力は、メインのコミカルなストーリーはもちろんですが、やはりそれぞれのキャラの背景にあります。何か葛藤や障害があり、生きづらい人たちを描くのが凪良先生の特徴ですね。

ナツメは、両親の離婚をきっかけに、市営住宅に引っ越してきます。両親が離婚して、母親と一緒に暮らすようになります。

隣に住むトキオは、両親の離婚後、父親と一緒に住んでいます。

そこで、トキオの悪夢が始まります。

トキオの父親は、離婚から来るフラストレーションをお酒で紛らわせようとするのですが、酔いに任せてトキオにも強くあたるようになってしまいます。

そして、隣に住んでいるナツメはその様子を聞いてしまいます。なにかが起こっている隣の家。でもナツメの母親も何も言わない。何もしない。

大人の事情に不安と疑問、混乱が押し寄せてきて、ナツメは家を飛び出してトキオの家のドアをたたきます。

そんなトキオの家庭環境を背景に、二人は成長していきます。

高校になっても、トキオは物静かで、いつも一人でいることが多い。家庭環境から影響を受けた部分も多いかもしれません。

トキオが現実から逃れ、没頭できるもの。それは漫画でした。漫画家になりたい。そんな夢を持ち、上京することを決めるトキオ。

そして、他人に媚びずに自分をしっかりと持っているトキオに、ナツメは憧れます。

作品の魅力2:「普通」に悩むナツメ

幼少時から、ナツメはトキオに興味を持ちます。

漫画という自分の得意な世界を持ち、それを介して自分を表現できるトキオにどこか憧れのようなものを持っている。

そんなナツメは、高校生になると、ハブられないようにクラスメイトと適度な距離を保ちます。興味のない会話をする自分に比べ、トキオのような周りに流されず自分の芯を持っている人間との違いに、劣等感のようなものさえ感じる。

ナツメの葛藤は、自分が「平凡」だということ。

特別抜きん出たものもなく、はっきりとした核のようなものを持っていないことに、不安を感じている。

漫画というスキルを持っているトキオは、高校を卒業する前に漫画家を目指して上京していきます。

それに比べて、ナツメが人よりも出来るものは料理。特別プロになろうと学校に通ったわけでもない。あくまでちょっと得意なものがある程度。そんな平凡な自分にずっと悩まされるのがナツメです。

凪良先生が小説を書かれるようになったのは、30代に近くなった頃だったと思います。たまたま趣味で書き出して、それから少し本格的に書くようになったとインタビューで読んだことがあります。

小さい頃から繰り返して料理をしてきたことで得意になったナツメと、一人の世界で漫画という没頭してできることを見つけたトキオ。この二人の状況を、凪良先生はご自身の経験や葛藤を少し反映されたのかな、とも思います。

作品の魅力3:キャラのバランス

幼少期のお話では、お互いの性格や、想う気持ちがきれいに、でも丁寧に描かれています。

トキオは高校を卒業する前に、漫画家を目指して上京してしまいます。

そして、ナツメは高校を卒業してから東京で働こうと、ナツメも東京に上京します。

トキオが上京してからの2年弱、二人は交流がありませんでした。トキオは地元に帰らなかったし、ナツメから連絡をしてもトキオからの返事はなかった。そんな中、ナツメは東京に上京し、トキオを訪ねます。

ナツメ、勇気あるな……。

そう、ナツメは「俺は平凡なやつ……」と葛藤しながらも、実は図太い神経の持ち主なんですよ。そのギャップも面白いんですが。

漫画家として活動しているトキオは、人気漫画家であるヤコ先生のアシスタントをしているという設定ですが、このヤコ先生のキャラはかなり賑やかで、漫画家らしく締め切りに追われて逃げ回る描写が描かれています。

これも、もしかしたら凪良先生は締め切り前にこれに近い状態になるんだろうか、と勝手に想像してしまったり。私の勝手な想像ではありますが、作品の至るところに「これは先生のことだろか……」と感じてしまうことが多々あり。w

ヤコ先生の登場で、後半の雰囲気はがらっと変わります。

また2年弱、連絡が途絶えていたトキオの生活も変わっていた。

そんな状況から、ハッピーエンドに向かって話は進みます。

お話の展開はわかっていても、展開のさせ方に興味があるし、ヤコ先生という際立ったキャラが面白く、作品全体を華やかに盛り上げてくれています。

幼少期時代のお話が少しシリアスでしたが、後半のコミカルな展開に読みやすくて満足しています。

凪良先生の作品はここまで5、6作品読んできました。シリアスなものからコミカルなものまでシチュエーションはそれぞれですが、作中でこれだけ作風に変化があるのは、この作品だけではないでしょうか。

ところで、このヤコ先生のお話は、続編(スピンオフ?)にあたる『求愛前夜』でより描かれているようなので、いずれ読みたいなと思います。

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まとめ

今日は、凪良ゆう先生の『恋愛前夜』についてご紹介しました。

初期の作品ですが、コミカルな作品で、奇抜な設定はない等身大の幼なじみBLです。

でも、1冊にいくつかの要素が詰まっていて、私にはとても読みやすく感じました。みなさんはどう思われましたか?

最近は文芸で活躍されている凪良先生ですが、またBL作品も読みたいですね。

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