こんにちは。
今日は、月村奎先生の小説『眠り王子にキスを』をご紹介します。
以前ご紹介した木下けい子先生の『いつも王子様が❤︎』(原作:月村奎先生)のスピンオフになります。もちろんイラスト担当は木下先生。
コミカルに描かれていた漫画と一緒に楽しめる作品です。
作品データ
眠り王子にキスを
月村奎 Kei Tsukimura
イラスト:木下けい子
刊行年月:2013年12月2日
出版社:新書館(SHYノベルズ)
どんな作品?
月村奎先生が木下けい子先生とタッグを組んだコラボ作品です。
この『眠り王子にキスを』は小説で、木下けい子先生がイラストを担当しています。
木下けい子先生の『いつも王子様が ❤︎』が同時発売でリリースされ、月村先生の原作、そして同じ世界観のお話になっています。作品の雰囲気は少し違いますが、どちらもチェックすると面白いです。
小さなデリを経営しながら料理教室なども行っているシェフの堀篤史。人付き合いが苦手で、毎日をデリのお客さんや料理教室の生徒たちと当たり障りのない付き合いをしていた。
そこへ、人懐こい宮村がやってきて、二人の距離が縮まっていくお話です。
ちなみに、このデリにたまにやってくるのが、『いつも王子様が ❤︎』の朝比奈。漫画の方を先に読んだ方は、漫画からは想像していなかった堀の性格に驚かれるかも!?
小説ですが、巻末には木下先生の描き下ろしおまけ漫画が収録されていますので、木下先生のファンの方にもうれしいです。
また、小説・漫画どちらとも、贅沢な光沢感のある表紙カバーになっています。
読まれる際は、ぜひぜひ紙本で読んでほしいっ!
月村奎先生 x 木下けい子先生『眠り王子にキスを』シリーズ:読む順番
月村奎先生と木下けい子先生がタッグを組んだこのシリーズは、漫画と小説で3冊リリースされています。
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- いつも王子様が ❤︎ (漫画)
- 眠り王子にキスを(小説)
- 隣人は恋人のはじまり(小説)
読む順番は、リリース順番でいいと思います。
どれも1冊で完結はしておりますが、キャラがクロスオーバーしたり、番外編が収録されているので、キャラを知っていると、より楽しめると思います。
今回は、『眠り王子にキスを』をご紹介します。
カップリング
攻め:宮村(人懐こいリーマン。よく出張に行っては堀のところへひょこっと帰ってくる)
受け:堀篤史(友達の少ないシェフ。恋は絶対にしないと決めているのだけど……)
あらすじ
堀篤史は、小さなデリを経営するシェフ。たまに料理教室をしながら静かに過ごしていた。そんな時、人懐こいリーマンの宮村が店によく顔を出すようになる。
お惣菜を買うようになり、料理教室で料理をするようになり、徐々に宮村に気を取られる篤史。でも篤史は、恋愛はもうしないと心に決めていたーーー。
月村奎先生『眠り王子にキスを』:ネタバレ!?感想・レビュー
はじめに、BL小説に関しては初心者中の初心者の私です。
BL漫画もそうですが、初心者ということで、楽しみ方がよくわかっておりません。
ですので、BL小説(特に日常BL)に求めるものが他の読者さんと違うことをご理解の上、読んでいただけると助かります。
日常の中のBL
物語は、リーマンとシェフのお話。
BLというファンタジーを除けば、あとはごく普通の何気ない日々のお話です。
描写はとっても優しく、男性的な荒々しさは感じられません。
物語はシェフ・篤史の視点で描かれています。彼の生活の範囲はそれほど広くないので、等身大の私たちの生活の中で起こるBL話、そして心理描写が描かれている作風です。
漫画なら何度も読んだことがあるのだけど、小説でこのようなタイプのお話を読むことはあまりなかったので、こういうラノベもあるんだ……と新鮮でした。
ただ、篤史の行動範囲が狭い…… w
家族との軋轢、性癖、そしてそこからくるトラウマやセルフエスティームの低さ……。ネガティブ要素が多い篤史を、読者としてどう受け止めていいかわかりませんでした。
これらをなんとか乗り越えていくのかと思いましたが、彼なりの奮闘が感じられるエピソードは少なかったため、応援しようがない。
篤史が以前一夜限りの相手を探しに行ったエピソードも、セリフだけの説明で終わってしまい、もったいなかった!これこそ、彼が勇気を振り絞っての行動だったのに、そこでの失敗談などをもっと深く覗きたかった……。
リーマンの宮村が篤史に興味を示してくれているのはいいけれど、彼が篤史の背中を押すような行為もあまりなかったように感じる。
宮村は仕事でよく海外に行くのだけど、その面白エピソードも特になかったのももったいない。
物語は、篤史の考えとセリフで構成されているのだけど、一方的な考えは決めつけ事項が多くて考察する余白がないし、セリフが中心なので描写されるシーンが限られた気がしました。
時間の流れも短時間の出来事が多く、気持ちの変化に深さを感じにくかったです。
キャラの設定などもわかるし、表現は優しく癒されるはずなのに、具体的なエピソードに緩急がなく、フラットに感じました。
宮村の魅力
漫画『いつも王子様が』を読んだ時は、ちらっと登場する篤史に魅力を感じたのだけど、小説『眠り王子にキスを』の方では、残念ながら魅力を読み取れなかった。(これは、私の読書力の問題です。)
では、宮村はどうか。
人懐こくて、ポジティブに篤史に接する宮村は、好印象ではあるのだけど、彼自身の成長エピソードはないですし、肝心のところですぐ海外出張でしばらくいなくなるので w 、宮村と篤史との間のヒリヒリ感を楽しむ時間もなく物語が終わってしまいます。
一番楽しかったのは、結果、二人が最後に結ばれるシーン。
これは、描写的にも自分の好みで、たっぷりと楽しめました。
ただ、このシーンが楽しめたということは、やはり私の中で多少の物足りなさはあったものの、最後まで二人の物語を読み続けた故。やっぱり篤史に幸せになって欲しい、もっと恋愛を楽しんでほしいと応援していたのだなと実感しました。
ラブシーンはしっかりと描かれているのだけど、すべてやさしい雰囲気が漂っています。
初めてBLを読む方や、癒しを求めている方には読みやすいのでは、と思います。
月村奎先生『眠り王子にキスを』を今すぐ読む方法
月村奎先生『眠り王子にキスを』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
私がよく利用する電子書籍サイトは「ebook japan」かレンタル本が豊富な「
Renta!レンタ」です。
どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
ebook Japan:クーポンが魅力です。無料漫画も多々あり。
Renta!レンタ:レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入が可能。この作品は時々レンタル可能になります。
紙本は楽天を利用しています。電子書籍もありますし、洋書の取り寄せも安心。
日本企業を応援しております。
月村奎先生『眠り王子にキスを』をもっと楽しむ方法
この作品は、木下けい子先生の漫画、そして月村先生が書かれたスピンオフも出ているのでシリーズとしても楽しめます。小説のイラストは木下けい子先生が担当。
まとめ
今回は、月村奎先生『眠り王子にキスを』をご紹介しました。
私の数少ないBL小説のコレクションに仲間入りしたやさしいお話です。
月村奎先生の作品は、あと数冊購入してあるので、そちらを読むのも今から楽しみです。❤️
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