こんにちは。
今日は、京山あつき先生の野球男児シリーズから、最終巻にあたる『枯れない花』をご紹介します。ブサかわな引田も、いよいよ野球部引退になります。引田、がんばった!😭
作品データ
枯れない花
京山あつき Atsuki
刊行年月:2010年03月15日
出版社:大洋図書(HertZ series 075)
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どんな作品?
京山あつき先生の野球男児シリーズの最終巻(3巻)です。
野球が大好き高校生・引田と、1つ年上で憧れの今井先輩との恋物語。
ブサかわな引田がまさか今井先輩に告られるという展開からスタートした二人の関係ですが、「自分をささげる」と心に決めた引田がすっかり今井先輩に恋しているのが可愛らしいです。
BL雑誌『HertZ』band.26-27, 29, 31, 33, 35 (2008-2009)に収録された6話と描き下ろしが収録されています。
3巻では、すでに大学野球の練習に参加し始めた、卒業を控える今井先輩と、引田の距離感、さらには引田の葛藤なども描かれております。
そしてまさかの😆バレンタインデーなどイベントも挟んだ、もりだくさんの1冊でした。
京山先生のお話、ホントいいなぁ……。
京山あつき先生「野球男児シリーズ」:読む順番
このお話は、全3巻です。以下、読む順番です。
- 聞こえない声
- 見えない星
- 枯れない花
今回は、最終巻(3巻)にあたる『枯れない春』をご紹介します。
カップリング
攻め:今井(高校3年の今井はすでに大学での練習に参加。離れ離れにちょっぴりモヤつく)
受け:引田(クラスの女子とあれこれありながら、野球に没頭!)
あらすじ
大学野球の練習に本格的に参加し始めた今井は、忙しくなり、引田と会う機会も減っていきます。お互いに会いたい気持ちを抑えて乗り越えようとしている矢先、引田がクラスメイトの女子からバレンタインチョコをもらう事件が発生。
会えない不満、不安、そして引田は自分の心や体の変化に葛藤していきます。
そして引田も野球部の引退が近づいていきますーーー。
京山あつき先生『枯れない花』:ネタバレ!?感想・レビュー

作品の魅力1:引田の葛藤
3巻では、ブサかわ・引田が様々な感情に葛藤します。
冒頭から、なんと引田はクラスの女子からバレンタインチョコをもらう。
これには訳があるのだけど、チョコそのものよりも、悲しいかな周りの男子たちにからかわれるのにショックを受ける。
自分はモテないと知っているけれど、周りからもそう思われていることを知るとショックだったり。
女の子からの義理チョコにはあまり感情が沸かないのに、周りからどう見られているかということころが気になるお年頃。w
そんな出来事を電話越しに今井先輩と話して和む二人。❤️
引田は忙しくなっていく今井となかなか会えない日々が増えていき、今井を想う気持ちが強くなっていくと、自分は男らしくないと不安になっていくのも興味深いポイントです。
かっこよく、男らしくなりたいと思って始めた野球や、男らしさに憧れた今井先輩に比べて、自分はちょっと今井先輩に会えないだけで不安になったり、触られたいと思ったり……。心や体の変化にも、少しずつ不安に感じていきます。
また、チョコをくれた女の子との間には恋愛感情はないのだけど、自分に対して何か気持ちがあるのではないだろうかと女心を感じ取ろうとする引田も可愛らしい。
そして、女子が他の男子と仲良くしているのを見てちょっとだけジェラシー?を感じたりと、わずかな心の描写が巧みに表現されています。(今井先輩とこの子が話しているのを見ると、今度は女の子にジェラってる引田…… w)
野球への葛藤も忘れてはなりません。
引田の野球部引退も迫ってきたこともあり、ラストスパートで一生懸命練習に励みます。
自分にはレギュラーは無理だろうと思いながらも、がんばってみようと思う。そう今井に伝えると、今井は否定せず、背中を押してくれます。
今井のこういうところがかっこいい……。
1巻にもありましたが、今井は引田の健気ないじらしさに惹かれています。
惹かれるポイントは、その人にはなんともない行動でも、相手にとってはとても魅力的に感じる。まさに恋だな、と思います。
作品の魅力2:今井の葛藤

物語は基本的に引田の視点で語られていきます。今井は高校を卒業し、本格的に大学の練習に励む日々に突入します。そのため引田とはなかなか会うことができません。
でも、合宿から帰ってくるや否やすぐに引田に会いに行ったり、バレンタインの話を聞いて女の子を警戒したりと、今井の想いは相変わらず一途です。
今井先輩、何をそんなに心配しているのか…… w
引田のよさは自分だけが知っていればいい、と思っている今井も可愛いし、素敵なんです。
今井はサークルの仲間たちからコンパのお誘いなど召集がかかりますが、流されずにあくまでも自分を貫く今井の人間性がかっこいい。
またラストスパートで野球をがんばりたいという引田を尊重して、しばらく会いたい気持ちを(お互い)抑えて距離をおくのも、今井の愛情と思いやりから来ています。
こういったさりげない心情描写があちこちに散りばめられています。
人生において、何かに没頭したりがんばったりする時間というのは限られていると思います。スポーツに限らず、本当に限界まで自分を追い込んだことはあるだろうか。
何かに対して、これ以上は無理だと思うまで追い込めたら、たとえいい結果はでなくても、後悔はしないだろうと思います。
最後に・・・

京山あつき先生のことは、雑誌『ユリイカ 2007年12月臨時増刊号(BLスタディーズ)』を読んだ時に知りました。
ちょうどほぼ同じ時期に、先生の他作品をいくつかおすすめされたこともあり、いい機会だと『仮面ティーチャー』を手に取りました。(←初期作品から攻める自分は、やはりオタク気質 w)
古い作品ではありますが、興味深いテーマと描写方法で惹かれました。そして、この高校生シリーズを読み始めたら、私の直感は間違いなかったと確信しました。
その後はほぼ全ての作品に目を通しましたが、この先生の作品はBLの歴史や秀作を追っている方にはぜひ目にしてほしい作品です。
京山先生の絵は「少しクセがある」と言われることも多々ありますが、しっかりとシルエットを捉えたイラストで、微妙な顔の表情なども楽しめます。
絵は好き嫌いがあるので、どうしても苦手という方には難しいかもしれませんが、そんなときは、少し時間を置いてから再チャレンジしてほしいです。
京山あつき先生『枯れない花』を今すぐ読む方法
京山あつき先生『枯れない花』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
私がよく利用する電子書籍サイトは「ebook japan」かレンタル本が豊富な「
Renta!レンタ」です。
どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
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まとめ
今回は、京山あつき先生の『枯れない花』をご紹介しました。全3巻になる野球男児シリーズの3巻になります。
ぎじぎじまゆげの引田を見たとき、一体どんなBLになるのだろうと少し疑心半疑でしたが、想像以上に二人の愛情が溢れていて、素敵な作品でした。
もしまだ未読の方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ読んでみてください。そして皆さんの感想を教えていただけたらうれしいです。
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