こんにちは。
今日は、ニャオスキー先生の『トーチ』をご紹介します。
タクシーをテーマにつながっていく人間模様。映画のような作品を漫画ならではの表現で紡いだ短編オムニバス。インディー映画がお好きな方にはぜひ読んでほしい。
作品データ
トーチ
ニャオスキー
刊行年月:2025年09月10日
出版社:ふゅーじょんぷろだくと(BABY)
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どんな作品?
ニャオスキー先生の3冊目のコミックス。連作短編集になります。
タクシーBLとでもいいましょうか、タクシーが繋ぐ人々を描いた作品です。
ニャオスキー先生ご本人もあとがきで述べていますが、ジム・ジャームッシュ監督の『ナイト・オン・ザ・プラネット』のようなタクシー短編集を目指したそうです。私も大好きな映画ですが、この映画は創作活動をする多くのアーティストにかなり影響をもたらした作品です。
短編のニーズが低下したと言われている昨今の漫画界ですが、そんな中で読める貴重な短編。読むことができてとてもうれしいですし、個人的には、どの作家さんにも、読み切りは定期的に描き続けてほしいなと願っています。
一応BLというカテゴリーにはなりますが、とてもライトなもので、またブロマンスのお話も入っています。ジャンルに拘らず、こういった良質な短編はより多くの漫画好きに読んでほしい。
この1冊には、雑誌『BABY』69, 70, 71, 72に連載された全4話、そして読み切りアンソロジー『朝食、しましょうか。』に掲載された読み切り、そして描き下ろしが収録されています。
ニャオスキー先生『トーチ』:ネタバレ!?感想レビュー

全4話からなる『トーチ』は、オムニバス形式になっています。タクシーをキーワードに、ファンタジーで不思議なお話たちが楽しめます。
感想を交えたご紹介になりますが、ニャオスキー先生の作品は、あらすじからでは想像がつかない空気、世界観、魅力的な描写がたくさんあります。
ぜひ本編でご確認ください。❤️❤️❤️
ストーリー1:トーチ

タクシー運転手・樋口が、ある日高校時代の同級生・岩崎と再会するお話です。タクシーの車中でのささやかな思い出話は、学生時代に少し「大人」だった岩崎へのあこがれや若さゆえの美しさ、樋口の苦い高校時代の思い出などを紡いできます。
夜のお話なのですが、暗い車中の描写がいい雰囲気です。時間の経過とともに、雨が降り、そして雪へと変わってゆく。
24ページほどのお話ですが、学生時代の回想もあり、物語にグッと奥行きを感じる作品です。
ストーリー2:9時にサウスサイドで

舞台はNYあたりだろうか。決まった場所で、決まったタイミングで同じ乗客が乗ってくるループものです。今はあまりなくなってしまったオーディエンス参加方のラジオが流れるタクシー。何度も繰り返されるループから抜け出せるのか。
アメリカンダイナーは大好きで、何度か行ったことがあります。とにかく量が多いし、たまに美味しいメニューに出会うこともあり。
必ずといっていいほど食べるのは、ツナメルト。たっぷりのツナサラダとスライスチーズをトーストで挟んだサンドイッチ。自分でも作りますが、ダイナーで食べる豪快なツナメルトは、ダイナーで抑えておきたいメニュー。
さて、このドライバーはサウスサイドで何を食べるのか……。
ストーリー3:最後の旅

とある老カップルを乗せたタクシー。どうやら昔はこの田舎に住んでいたらしい。懐かしみながらはしゃぐ二人と、タクシードライバー。仲の良い二人のようで、長く付き合う秘訣を訊こうとドライバーが尋ねると、意外な言葉が返ってきます。
第1話、2話の夜の雰囲気から一転、このお話は昼間の田舎が舞台になっています。花や自然が広がる長閑な雰囲気が、年老いた二人の残された時間を優しく包むような……。
このお話には先生からのメッセージも少し含まれています。
心のわだかまりを解消するには、行動するしかありません。
立ち止まるよりも、動くことで、問題は解決してくれるはず。ぜひ本編でドライバーが取った行動を確認してみてください。😊
ストーリー4:トーチソング

一之瀬、二葉、三弦(みつる)。三人は仲の良い幼なじみだった。
三人のバランスが崩れ始めたのは、音楽だったり、恋愛だったり。恋愛の矢印が一方通行だったり、両方向だったり。
少しずつ疎遠になっていった三人は、ある日、再会します。高校の思い出と共にーーー。
そして、タクシードライバーが繋ぐ幼なじみ。ここに登場するドライバーは、第1話の樋口でしょうか!?
舞台は再び夜なのですが、エピソード全体に見える空気が漂っているのが素敵なお話でした。
また、車中と、外のコントラストがはっきりと描写されていて、夜なので暗いはずの外が明るく表現されているのは、三弦の存在を表しているものなのか……などと、いろいろと考察できる作品です。
皆さんは、どう思われますか?
ストーリー5:COFFEE AND DONUTS

こちらは、朝食をテーマに描かれた短編で、タクシーBLではありません。
でも、とてもいい作品です。
タイトル通りの作品なんですが、DONUTSに隠されたある男たちのストーリーが、そこにあります。
気になった点:ページ数
物語はどれも素晴らしく、無駄のない運びになっています。が、紙本を手にするにあたり、やっぱり本の薄さが気になりました。
せめて、もう1エピソードほしい!
ニャオスキー先生『トーチ』を今すぐ読む方法
ニャオスキー先生『トーチ』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
私がよく利用する電子書籍サイトは「ebook japan」かレンタル本が豊富な「
Renta!レンタ」です。
どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
ebook Japan:クーポンが魅力です。無料漫画も多々あり。
Renta!レンタ:レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入が可能。
紙本は楽天を利用しています。電子書籍もありますし、洋書の取り寄せも安心。
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まとめ
今回は、ニャオスキー先生のタクシーBL短編集『トーチ』をご紹介しました。
フィクションらしく、ファンタジーな作りですが、メッセージ性もあり、考察のしがいがある作品で、読者も作品作りに参加できます。
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