木下けい子先生『鄙には稀なエリー』:年齢問わずなおじさんたちのラブ模様

木下けい子
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こんにちは。

今日は、木下けい子先生の2026年作品『鄙には稀なエリー』をご紹介します。

これは、良いですぞ。

作品データ

鄙には稀なエリー

木下けい子 Keiko Kinoshita

刊行年月:2026年09月15日

出版社:大洋図書(CRAFT 160)

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どんな作品?

木下けい子先生の2026年作品。

田舎に引っ越してきたスランプ気味な人気漫画家・王寺善也と、引っ越したマンションのオーナーである竹林のお話。

生活能力に欠けるアラフォーの王寺を、竹林は親切ごころからあれこれ手助けししてくれるのだけど、徐々に互いに気になっていくお話です。

漫画家である王寺の描写が、非常に興味深い。木下先生の素敵なイラストでうっかり忘れそうになりますが、王寺は43歳。おじさんのお話です。w

王寺はどうやら過去に何かあったらしく、田舎に引っ越してきます。

さらに人気漫画家なのにコミュ障ということで、親切な竹林との会話もままならないのですが、社長でもある竹林はポジティブに王寺と接することで、二人の間に特別な関係が生まれていきます。

また、ボリュームがあるのもうれしいです。特に紙本は、あまりにページ数が少ないと、読む前から物足りなく感じてしまいますが、この作品は従来のボリュームがあり、満足です。その代わり、巻頭の口絵カラーはありません。

雑誌『CRAFT』vol. 116-118, 120, 122, 124(2025-2026)に連載された6話、そして描き下ろしが収録されています。

カップリング

攻め:竹林心哉(フルーツ会社の社長で、マンションのオーナーも兼任している)

受け:王寺善也(人気漫画家だが、ちょっぴりスランプ気味!?)

1巻のあらすじ

アラフォー人気漫画家の王寺は、新しいマンションに引っ越してきて2ヶ月、隣人にも無愛想で、部屋の整理もまだできていない。そんなところを、マンションオーナーの竹林と出会い、親切な竹林は部屋の片付けを手伝ってくれることに。

近所のフリマに誘ったり、手料理を披露したりと、親切に接してくれている。

なかなかネームを仕上げられずに奮闘する王寺。青年漫画にも「きゅん」要素が必要だと担当者から指摘を受けるも、恋愛経験に乏しい王寺は、うっかりそのことを竹林に本音を溢すのだがーーー!?

木下けい子先生『鄙には稀なエリー』:ネタバレ!?感想・レビュー

作品の魅力1:エリー

王寺は43歳のスランプ気味な人気漫画家。PNは上杉エリー。

過去に何があったのか、引越しをして、新しい環境で創作活動を開始します。

なかなか作業が進まない中、マンションオーナーの竹林や新しい担当者の藤原、そしてマンションの近くにあるカフェの店員さんなど、少しずつ交流が生まれていきます。

王寺は、まったく自分に自信を持てない。

コミュ障、人の気持ちも分からず鈍感で、社会性もなく、陰キャ……っと、本人が言っています。w

友人が少ないせいか、また、こもる仕事だからかもしれませんが、確かにコミュニケーションをとるのは苦手そう。

でも、竹林から見ると、王寺は「おもしろい」。それに、イケメン。仕事だって、人気漫画家だから、すごいモンです。

王寺の不安な性格、自信のなさはどこから来ているのだろう。

この1巻では、まだ過去に何があったのかは描かれていませんが、昔恋愛に失敗した経験でもあるのでしょうか。また王寺が漫画家になった背景も気になります。

そんな王寺は、担当者から作品に「きゅん要素」が足りない、と指摘されます。

恋の経験がほぼない王寺は、酔っぱらった際に、竹林についつい愚痴をこぼしてしまいます。

人間観察が好きで、好奇心旺盛な竹林は、少しずつ王寺に惹かれていきます。

竹林さん……。やはり、ビジネスで成功する人は、いろんなことに関心があるし、好奇心が旺盛なんだと思います。w

作品の魅力2:余白

この作品、王寺のキャラのせいでしょうか、いつもの木下作品と少し違った空気感が漂っています。(そう感じるのは私だけかもしれませんが。)

王寺は、コミカルに空回りするだけでもなく、またシリアスでもなく、もっと純粋に物事に直感的に反応します。

ただ、漫画家というということで、どこか「普通」とは違った視点や行動が織り込まれています。

そしてそれを描写する木下先生の感性もあり、興味をそそられる空気感が出来上がっています。

コミュ障だからなのか、アラフォーだからなのか、はたまた王寺だからなのかw、知り合ったばかりの竹林に「焼うどん食べたい」と、サラッと言えてしまうような、そんな王寺と竹林の関係。

1週間ほど連絡がとれないと、担当者の藤原と竹林は、王寺の自宅を尋ねます。

チャイムを鳴らしても反応がないのですが、ドアに鍵がかかっていないので、二人は部屋へお邪魔します。この時に初めて、竹林は仕事に没頭する王寺を目にするのですが、このシーンが、とても良い。

木下先生、王寺に1ページ使っています。そして、そんな王寺を目にした竹林は、何を思ったのか……。

木下先生の作品は、いつもセリフだけではなく、しっかり絵で語ってくれるのですが、このシーン数ページはとても漫画らしく、関心を持っていかれました。

こういうハッとするシーンが少しでもあると、読んでいる最中にもキャラのあれこれを考えはじめます。そういう(良い意味で)もやっとした感情が、読後にずっと脳内に残って考えさせられるのが、私は好きですし、自分が好む漫画のタイプです。

1巻の表示はありませんが、物語は続きます。

続編、とても楽しみにしています。

木下けい子先生『鄙には稀なエリー』を今すぐ読む方法

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木下けい子先生『鄙には稀なエリー』:特典情報

電子にも描き下ろしの漫画がありますが、紙本にも特典リーフレットがついております。気になる方は要チェック!

アニメイト 4Pリーフレット
コミコミスタジオ コミコミ限定4Pリーフレット
(有償)アクリルコースター (既存カラーイラスト)
とらのあな 両面イラストカード
ホーリンブックス 限定4Pリーフレット
電子書店 描き下ろしマンガ

まとめ

今日は、木下けい子先生の『鄙には稀なエリー』をご紹介しました。

先生の著書は多く、初期のものはあまり目を通しておりませんが、少なくてもここ15年ほどの既刊は拝読しました。パターンがありそうでないのが先生の作品の特徴なのですが、この作品は、王寺というキャラにとても興味が湧いて、読んでいます。

彼の心の奥底をもっと覗いてみたい。

続編も楽しみにしています。

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