こんにちは。
今日は、木原音瀬先生の『吸血鬼と愉快な仲間たち』2巻をご紹介します。
吸血鬼・アルとエンバーマー・暁の物語。BL要素はまだ少ないですが、エンバーマーのお仕事、そしてアルの珍★活躍が楽しめる第2巻です。
作品データ
吸血鬼と愉快な仲間たち (2)
木原音瀬 Narise Konohara
刊行年月:2023年09月21日
出版社:集英社文庫(こ41-6)
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どんな作品?
木原音瀬先生の長編シリーズ。全7巻。
中途半端な吸血鬼になってしまったアメリカ人・アルがなぜか日本へやってきて、そこで知り合ったエンバーマーの暁と同居を始めます。そんな二人の日々のあれこれと、愛の物語。
人間に関心のない暁が見せる優しさに、アルは徐々に惹かれていきます。
2巻では、暁のもと、日本語も少しずつ理解できるようになってきたアルは、葬祭会館の同僚・津田からモデルのアルバイトを頼まれます。
暁の反対を押し切り、アルバイトをしたのがきっかけで、深夜ドラマに出演することに。
しかし、事件に巻き込まれていきます。
登場するキャラも増え、また暁とアルの恋事情も面白くなってきますよ。
2巻には2007年10月に蒼竜社からリリースされた『吸血鬼と愉快な仲間たち〜Love Birth〜』の内容、そして書き下ろしが加えられています。
登場人物
アルベルト・アーヴィング(半人前の吸血鬼。可愛いけどかわいそうなほど事件に巻き込まれ、痛い目に……)
高塚暁(孤独なエンバーマー。人付き合いが苦手だが、アルにはとても優しいようで……)
2巻のあらすじ
昼間は蝙蝠、そして夜になると人間になる半人前な吸血鬼・アルは、ひょんなことから日本にやってきて、エンバーマーの暁と同居することに。厳しい暁の指導のもと、少しずつ日本語も理解できるようになってきた。
夕方から葬祭会館に併設するエンバーミング施設でアルバイトをするアルは、暁の同僚・津田からモデルのアルバイトを頼まれる。
暁の反対を押し切り、津田を助けるために引き受けたバイトだが、あっさりと暁にバレてこっぴどく怒られるアル。
そんなある日、テレビドラマのプロデューサーをする暁の知り合いがやってきて、アルは深夜ドラマに出演することになってしまうのだけどーーー。
木原音瀬先生『吸血鬼と愉快な仲間たち(2)』:ネタバレ!?感想レビュー

作品の魅力1:アルと暁
一般文庫化はされましたが、もともとBLとして描かれていた作品。作中には、たびたびコミカルなBLネタ!?がぶちこまれております。
ただ、決して直接的なBL描写ありませんので、BLが少し苦手な方も楽しめる内容なのでご安心を。
2巻でも、暁とアルの距離が少しずつ縮まっていきます。
暁は相変わらずツンケンしてはいるものの、本当はとても心の優しい男ということを、アルは知っています。
そして、2巻には室井というエンバーマーの研修生がやってきます。暁の下で学びますが、室井は男性が好きで、暁に興味を持ちます。
まさかの!?恋敵の登場で、アルはますます暁への気持ちが何なのかを確信していきます。
二人の間には特別な感情があるのだけど、それをBLという言葉で片付けられないのが、木原先生の作品ならでは。
木原先生の作品は、当然BLカテゴリーで書かれており、男性同士のあれこれなのだけど、そこにある感情が恋の場合もあれば、性別に囚われない人間同士の底知れない愛情を描く作品もあります。
暁の性的指向ははっきりとは語られませんが、本人曰く生きてるものに興味がない。w
一方、アルも女の子が好き。決してゲイではない。
でも、アルの論理では、アルは吸血鬼であって人間ではないので、生身の人間が苦手な暁にとって自分はちょうどいい相手だ、と。w
アルは、暁の優しさに惹かれていきます。
おそらく、優しさだけでなく、吸血鬼となり、誰ともコミュニケーションをとることができなかったアルの存在を認めてくれ、人間として扱ってくれる暁、さらには、どうやら愛を知らない暁に対して、自分は愛を捧げることができる、何か自分にもできることがあると感じることで、自分の存在を深く感じることができるからではないだろうか。
2巻でも、大きな事件が起こり、アルはまた痛い思いをします。
死ぬことのない吸血鬼のアルは、血を飲むことで体の傷を修復させ、体力を取り戻すことができるのですが、痛い描写は辛いですね。
今回も、暁の血で助かるのですが、二人のこの微妙な関係が、絆を深いものにもし、さらにBLとして耽美なものを築いていきます。
作品の魅力2:愉快な仲間たち

2巻では、アルが初めてのお花見を体験します。
そこには、エンバーミング施設の面々が集結。紅一点だった丸山が1巻で卒業し、新たに施設にやってきた室井は暁に好意を寄せることになり、まさかのアルの恋敵に。
暁と同様、エンバーマーの小柳、そして葬儀屋を経営する家系の息子・津田、そしてそこにケイン(アルの人間姿の時の名前)が参加して、楽しい飲み会。
職場での暁の印象、そしてみんなの前でついつい一緒に住んでいることがバレてしまったりと、何気ない描写ではあるのだけど、人間としてのケインも輪の中に溶け込んでいくのがうれしい。
また、2巻で登場する酒入(さかいり)というドラマプロデューサーは、暁の同窓生。暁の過去をする貴重な存在として登場し、暁の過去の話や、アルをドラマに出演さえたりと、スピード感あるエピソードでぐいぐいと物語を展開させてくれるのも楽しいです。
作品の魅力3:エンバーマーの仕事

1巻にも描写はありましたが、2巻でも、エンバーマーとしての仕事や社会における存在価値や周囲からの理解度についての描写が興味深いです。
土葬がほとんどのアメリカにおいては、エンバーマーは比較的一般的な職業の一つです。が、火葬がほとんどの日本においては、エンバーマーは必須な存在ではない。そんなエンバーマーの存在価値も、物語の中では問いています。
作品の魅力4:書き下ろし

1巻にもありましたが、2巻にも書き下ろしの小話が収録されています。
ちなみに本編は基本的にアルの視点で描かれておりますが、ショートは時々によって違います。
2巻のショートは、アルと暁がダサいTシャツを買うお話。第3者の視点で描かれていて、楽しめます。😆

木原音瀬先生『吸血鬼と愉快な仲間たち』2巻を今すぐ読む方法
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まとめ
今回は、木原音瀬先生の人気長編シリーズ『吸血鬼と愉快な仲間たち(2)』をご紹介しました。
木原先生といえば、痛い、重い作品をよく書かれる先生ですが、この作品はファンタジーコメディーで、とても楽しい作品です!
痛い描写……は、そりゃ当然ありますが(笑)、決してあなたが想像するようなものではありません。直接的なBL描写もありませんので、一般文庫として楽しめる作品です。
作中のアルの日本語が徐々に上達していくのも面白いですよ。
全7巻ですが、とても読みやすい文章ですので、一気に読める作品です。
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