こんにちは。
今日は、山田ユギ先生の『人はなぜ働かなければならないのか』をご紹介します。
シリアスなタイトルですが、物語はいつも通りのユギ先生のコミカル調です。仕事に一生懸命な男たちは、恋愛にも真剣ですね。
作品データ
人はなぜ働かなければならないのか
山田ユギ Yugi Yamada
刊行年月:2009年10月21日
出版社:竹書房(Bamboo comics)
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どんな作品?
山田ユギ先生の麗人から6冊目のコミックス。2009年の作品です。
連作や短編が収録された1冊。この時代のBLは、長編もいくつかあったものの、主流は短編や1巻完結ですので、物語そのもはそれほど長くありません。ですが、お話の濃度がとても高いため、読後感の満足度が高いです。
ユギ先生の作品は、コミカルながらも切なさや愛しさがあり、盛り上がりのある作風が魅力的。この1冊も、連作はもちろんのこと、8ページほどの短編でも唸らされるお話で楽しませてくれます。
今回は、カプごとにご紹介します。
山田ユギ先生『人はなぜ働かなければならないのか』:ネタバレ!?感想・レビュー

ストーリー1:人はなぜ働かなければならないのか
ストーリー2:人はなぜひとりでは生きてゆけないのか
ストーリー3:人はなぜ同じ過ちを繰り返すのか
ストーリー4:人はなぜ幸せになりたいと願うのか
カップリング
攻め:中津(詰めが甘い38歳。気づいたらロックオンされていた)
受け:門倉(中津に思いを寄せる28歳。なぜ中津にハマったのか……)
どこか単純バカな、詰めが甘い上司の中津と、そんな上司のもとで仕事の尻拭いをしつつも中津に惹かれる門倉。二人で残業をしていたところ、門倉の想いがうっかり中津にバレてしまい、そこから門倉の攻めが始まります。が、ポジション的にはまさか!?の門倉が受けなのですが。w
どのお話も読み切りスタイルなので、切ないシーンを含めつつ、コミカルに終わりますので読後が爽快です。
普通にモテて、女の子と付き合っていた門倉が、なぜか40近いおっさん・中津を好きなのかは謎ですが、人を好きになるきっかけはそんなものかもしれません。
がっつり寝グセにも気付かない中津を「かわいい」と思える門倉は、自分の想いがバレたのをきっかけに、開き直ってジワジワと中津を攻めていきます。
攻めてくる後輩にたじろぎながらも、好意を向けられていることを心地よく感じる中津は、門倉を愛おしく思うようになります。
それにしても、互いに「かわいいヤツ」と思うものの、なぜ惹かれるのかはわからないところが人間的に感じました。人を好きになる理由はそれぞれですが、この二人に関してはそれがわからない。中津に関しても、流されているようにも見えるのだけど、門倉に魅力を感じているのは確か。わからないけれども、強く惹かれ合う。
なぜだろう。
答えのない問いを、巧みに練られたストーリーを追いながら、ずっと心の中で問う作品です。
物語は読み切りスタイルのため、完結感はありません。今のユギ先生ならこのカプで1冊、いやそれ以上描くこともできるでしょうが、当時のBL読者はぐっと詰め込まれたこの読み切りでラブを楽しんでいたのでしょう。
ストーリー5:closed

8ページの短編。
隣に住む幼なじみ。互いの耳かきをする仲の二人。
武に彼女ができ、自分の想いの終わりを感じる男の子と、そんな男の子の想いも知らず、無邪気に耳かきを続ける武の微妙な関係性が、ちょっぴり切なく描かれた作品です。
8ページにこれだけの抑揚ある物語をまとめられるのは、やはりユギ先生の力量。
ストーリー6:俺らはただ走るだけ

高校時代からの先輩後輩物語。仕事も卒なくこなす正木(まさき)の背中を学生時代から追いかけ続けてきた沓沢(くつざわ)。でも正木には昔から彼女がいて……。
自分の想いは絶対に叶わないと思っていた沓沢だけど、実は彼女と別れて、春という若い男と関係を持っていたことが判明。
お話は切ない両片思い……なんですが、この正木先輩が意外と奔放なところがあって、決して切なく悲しいお話では終わらせないユギ先生の作風があるのがうれしいです。ちなみに先輩は受け。w
お話は80ページほどの読み切りスタイルで、しっかりと完結しています。
ストーリー7:CALL ME ① ② ③ ④

カップリング
攻め:広瀬(ブラジル支社に配属された大阪人。河野の同期。週1で河野に電話してくる)
受け:河野(山形出身、東京勤務。深夜0時に広瀬とおしゃべりを楽しむ男)
ある日突然ブラジルから電話がかかってきます。同期だったという広瀬からの電話。顔もうろ覚えな河野は、週に一度、そんな広瀬と電話で何気ないおしゃべりを楽しむ。そしてある日、出張で広瀬が日本に帰国するのを機に会うことになります。週1のおしゃべりが育んだ恋心がどう成就するのか。また二人は遠距離でどんな恋愛を展開させていくのか。
全部で4つの読み切りが収録されていますが、どれも16ページ、そして雑誌掲載時は約1年に1度のペース。コミックスにまとまってよかった。
受けの河野が見せる表情が何気に切なくて、遠距離ながらも長続きしてほしいと応援したくなるカプでした。
ユギ先生の作品は、お仕事ありきのお話が多いです。この1冊も、短編以外はすべてリーマンのお話でしたが、お仕事の合間に起きるオフィスラブが描かれています。
最近のユギ先生は長編を描かれていますが、昔も今も、やはり先生の作品は読み応えがあり、決して期待を裏切らない面白さがあるなと思いました。
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まとめ
今日は、山田ユギ先生の『人はなぜ働かなければならないのか』をご紹介しました。1巻完結のお話も好きですが、この連作のような読み切りスタイル、短編も結構好きです。いつかまた続きが読めるような、淡い期待が残ります。
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