こんにちは。
今日は、海野幸先生の『こじらせ龍のつがい探し〜社畜が異世界で見初められました〜』をご紹介します。
ついに、異世界を避けられなくなってしまいました…… w
作品データ
こじらせ龍のつがい探し〜社畜が異世界で見初められました〜
海野幸 Sachi Umino
イラスト:るびる
刊行年月:2026年04月20日
出版社:二見書房(シャレード文庫)
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どんな作品?
海野幸先生のシャレード文庫38作目。
いわゆる異世界ファンタジー。
社畜リーマンだった善文(よしふみ)が、龍一族の長である白夜のつがいとして、異世界で暮らしていく様子が描かれた作品です。
白夜には葛藤があり、そして善文にも社畜としてのつらい過去や幼少期の母親との思い出などのトラウマがあり、物語の中でそれぞれの要素がブレンドされていきます。
海野先生が描くファンタジーものは何作品か読んだことがありますが、異世界というのはただのファンタジーとも違うようで……。初めての異世界ものに、苦戦しました w
イラスト担当のるびる先生は初めて知りましたが、元気のあるイラストで楽しませていただきました。
カップリング
攻め:白夜(白龍一族に生まれるが、家族の中で自分だけが異色で葛藤する)
受け:善文(幼少期のトラウマを持つ社畜だったが、30歳の誕生日を前にして……)
あらすじ
30歳の誕生日を目前に事故で他界した善文は、ブラック企業で社畜として働いていたリーマン。事故に遭い他界したはずの善文は、謎の獣にさらわれ、気がついたら異世界に来ていた。
白龍一族の長といわれる白夜(びゃくや)のつがいに選ばれたらしいのだが、107歳という白夜の容姿はまるで小学生。そして、どうやら白夜は何やら問題を抱えているらしい。
自分のことをあまり語らない白夜に庇護欲を掻き立てられた善文は、つがいであることを武器に距離を縮めていくのだが、実は善文にも秘密がありーーー!?
海野幸先生『こじらせ龍のつがい探し』:ネタバレ!?感想・レビュー
まずは、ひとつ謝りたい。
この作品を読むにあたり、自分の体調があまりよくなかったこと。極度の睡眠不足、それによる脳機能の低下および老化、そして視力低下など、散々な状態で読んでしまったため、いつもよりも物語に入り込めなかったことをお詫びします。

作品の魅力:白夜の葛藤
読みどころはいくつかあるのですが、一番興味深かったのは、白夜の葛藤と成長です。
白龍一族の長として紹介される白夜。107歳という設定ですが、容姿は小学生くらい。w 善文は、30際の誕生日を前に他界し、白夜の住む世界へと連れてこられます。ということで、善文の設定は30歳、ということなのでしょうか。
かなりの年の差ですが、容姿は真逆というギャップ。るびる先生のイラストも可愛らしく描かれておりますが、こんな二人がどうやってBLになるかは、ぜひ本編でご確認ください。w
「つがい」として連れてこられた善文。しかしそんなつがいの善文の前でも、白夜はたまに謎の行動をとります。白いものへのこだわり、たまに体調が悪くなること、そして、屋敷では母屋ではなく離れに身を潜めていること……。
白夜は、一族の長と紹介されるのですが、実は、屋敷の主人は父親であり、両親と兄の銀夜(ぎんや)は国を守るために活躍している。
容姿も若く見える白夜は、なぜか白龍が始祖とは思えないほど肌も褐色で、髪も黒い。疎外感を感じています。そしてたまに体調が悪くなることもあり、自分を卑下し、もしかしたら自分の始祖は白龍ではなく黒龍なのでは?と恐怖さえ感じている。
そんな彼が、葛藤から少しずつ立ち直っていく物語がみどころです。
一方、善文にも幼少期の過去があります。善文は子供の時から謎の青い光が見えました。亡くなった人の魂かなにかか。そしてそんな特殊な力によって、テレビに出演するようになった善文を忙しく管理するようになった母親。
善文の複雑な家庭環境、特殊な力、そして紆余曲折あって勤めたブラック企業。
長くない人生の中であった善文のあれこれも、クロスオーバーしてきます。
気になった点1:異世界

いわゆる異世界転生ものを読んだのは初めてです。
この作品は海野先生だから手に取ったものの、異世界ものは……そもそもタイトルからなかなか触手が伸びない。w
ファンタジーや人外(オメガバースなど)自体、今までもあまり惹かれるテーマではなかったですが、異世界という世界観は少し違和感を感じました。
善文がやってきた世界は、白龍の一族である白夜を筆頭に、その周りを支える使用人たちも何らかの妖力を持っています。そして時間の概念も違う。白夜様は107歳と、かなり長生きします。
実社会で事故死をした善文はこの異世界へとやってくるのだけど、異世界にやってきたことで時間の概念はどうなるのか?と思いきや、どうやらそのままのようで……。
舞台となっている世界観や物語そのものは楽しめたのだけど、作品の前半に状況説明が集中してしまったこともあり、物語が若干表面的に感じます。
善文も、あれこれと考えを巡らせるのだけれど、文体は疑問形にはなっているものの、決めつけごとが多く、読者に余白を与えない。だから、物語は文字を追うだけで終わってしまった。
もしかすると、意図的にわかりやすく書かれたのかもしれませんが、今回の作品は、脳が活性化されず、想像力もあまり掻き立てられませんでした。
気になった点2:恋愛感情

物語が淡々と進むため、二人の心情を想像しようにもそんな時間がなく、さらに短期間での出来事が描かれており、置いてきぼりを食らってしまった。
子供のような容姿から少しずつ変化をしていく白夜ですが、早すぎる。w
そのため、善文のなんら抵抗ない恋愛感情の変化に疑問が残り、ラストの感動が薄くなってしまった。
古い日本を想像させる描写で描かれる異世界と、現社会に生きてきた善文が稀に使うカタカナ言葉などもミスマッチで(それが異世界ものの醍醐味なのだろうか)、やはり自分の中で少し消化不良を起こした理由は「異世界もの」に馴染みがないからなのかな?と結論づけました。
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まとめ
今回は、海野幸先生『こじらせ龍のつがい探し』をご紹介しました。
白夜の葛藤と成長ぶり、そして善文との距離の縮め方などBL的に楽しめる箇所は多いと思います。
個人的にはもう少し余白のある描写だと、白夜と銀夜のあれこれや、使用人の八重さんたちなど脇キャラたちを妄想で遊ばせてみたり、楽しめるかなとも思いました。
何はともあれ、次回の読書タイムは、たっぷり睡眠を取った後にしようと思います。
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