こんにちは。
今日は、小椋ムク先生の『キャッスルマンゴー』(全2巻)より、第1巻をご紹介します。
木原音瀬先生の原作で、先生の小説『リバーズエンド』ともリンクした作品です。複雑な家庭環境で育った十亀、そしてそんな彼と知り合い、恋をしていく高校生の万のお話。小椋ムク先生の絵柄もとっても素敵です。
作品データ
キャッスルマンゴー 1巻
小椋ムク
原作:木原音瀬(このはらなりせ)
刊行年月:2011年05月10日
出版社:東京漫画社(Marble Comics)
どんな作品?
小椋(おぐら)ムク先生と木原音瀬(ここのせなりせ)先生がタッグを組んだ、AV映画監督と高校生のお話。
2011年作品ですが、2024年に読んだため、当時どのくらい話題になったかはわかりませんが、とてもいいお話でした。
十亀(とがめ)は、貧乏で辛い幼少時代を送ったAV監督。昔から映像に興味があり、今はAV監督として仕事をしている。
十亀が撮影のために見つけたラブホテルは、万(よろず)が亡き父の後を継ぎ、母親と経営している。
そんな二人が出会い、関係性を築いていくお話です。
キャッスルマンゴーシリーズを読む順番
このシリーズは3作品リリースされています。
リリース順は、以下の通りです。
- キャッスルマンゴー(全2巻:小椋ムク先生のコミックス。原作は木原先生)
- リバーズエンド(木原音瀬先生の小説)
- HOLY MIX(小説:リバーズエンドの番外編が収録されたオムニバス)
漫画『キャッスルマンゴー』は、万の視点で描かれており、出会いから恋人になるまでが描かれています。
その後リリースされた木原先生の小説『リバーズエンド』では、十亀の視点で語られており、十亀の高校時代、それから、十亀と万が恋人同士になった後日談が書かれています。ムク先生による漫画ショートも収録。
『キャッスルマンゴー』と『リバーズエンド』はどちらを先に読んでも楽しめると思いますが、私は小説の方から読んだのですが、今思うとその方が漫画で描かれる十亀をより詳細に観察できるので、面白いと思います。
おまけとして、木原先生他4人の作家さんによる人気シリーズの番外編オムニバスノベルズ 『HOLY MIX』も存在します。出版社は既になくなったため、入手は少し難しいですが、気になる方がいましたらぜひチェックしてみてみください。
カップリング
攻め:十亀(お金のないAV監督。辛い学生時代を乗り切り、興味のあった映像に携わっている)
受け:万(よろず:父親が残したラブホテルを母親と一緒に守る。かわいい弟が一人いる)
あらすじ
万(よろず)には、昔から人に言えない秘密があった。実家がラブホテルだということ。亡くなった父親が家族に残していったのは、キャッスルマンゴーというラブホテルだった。
「なんとかこのこだわりのあるホテルを守り抜いて、大きくしたい。」そんな万の野望も、子供の頃から周りにラブホテルだからと馬鹿にされて、恥ずかしい思いをしてきた。
家への負担を極力減らすため、勉学に励み、時間があればホテルの経営に頭を使う。そんな万は、AV撮影のためにホテルにやってきたクルーの監督、十亀と知り合う。
感じの悪い十亀だったが、なぜか万の弟にはよく声を掛け、心配になる万。十亀はゲイだというではないか。もしや弟にちょっかいを?なんとか阻止しなくてはと、自ら十亀に近寄っていくのだがーーー。
小椋ムク先生『キャッスルマンゴー』1巻:ネタバレ!?感想レビュー

作品の魅力1:それぞれの過去
木原先生の作品を読まれる方はわかるかもしれませんが、木原先生が小説で書かれる人物像は、ほぼ間違いなく非スパダリです。普通の人。あるいはそれよりも過酷な環境で生きる、なんらかの問題を抱えているキャラ。
十亀は、幼少時から貧乏で、家族が亡くなっています。
漫画では子供の頃の描写が数コマしか登場しませんが、木原先生の『リバーズエンド』で学生時代のお話を読むことができます。(正直、小説から読んだ方が、十亀の表情がより繊細に汲み取れるのでオススメです。)
全てを失った十亀ですが、唯一昔から好きだった映像は、諦めることなく、職にすることができました。
漫画の方では、万の背景が中心に描かれていきます。
幼少期に父親が亡くなり、家族の元にはラブホテルが残されます。親戚にも社会的にも言いにくい自分の実家の事情に、いつかホテルを大きくして、馬鹿にするものを黙らせるんだ!と奮闘します。
しかし、自分の卑屈な性格もプラスし、なかなか思うようにコトが進まない。
弟に近寄ってくる十亀がゲイだと知って、弟のことも心配になってきます。そこで、自ら十亀に近寄っていく。
十亀サイドでは同僚が、万サイドでは家族やクラスメイトの友達がたまに登場しますが、どのキャラもしっかりと重要な役どころがあり、ユニークなお話の展開の中にも無駄がありません。
万は、十亀の胸に抱かれると、父親を思い出すような心地よさを感じます。
十亀に惹かれていく過程で、大人の十亀に対して父親の面影も見出しているのかもしれません。
作品の魅力2:イラスト

ところで、タイトルがいいですね。
キャッスルマンゴーは、万の実家であるラブホテルの名前です。
ラブホテル事情は詳しくはわかりませんが、木原先生が原作なので、さりげないセリフなどから読み取れる経営事情や内部の様子、またAVの撮影などで使われているといったことも、先生がしっかりと情報収集したものだと思います。
小椋ムク先生の作品は、これが初めてなのですが、カラーイラストも素晴らしいです。
豪華なベッドにさりげなく置かれた学生カバン。壁に飾られている動物の剥製たち(もちろん偽物でしょうがw)。シャングリラで豪勢に飾られていますが、ベッドサイドランプのシェードがちょっと曲がっているところで少しチープさも残しています。
絵はアナログで描かれているようで、原画サイズで見てみたいなぁと思うイラストです。
ラブホテルは、欧米などのモーテルとはちょっと違い、日本独自の文化がある。
もともとの用途は恋人たちの逢瀬の場所かもしれませんが、もっとオープンに受け入れられてもいいのでは?と思ったりも……します。w
小椋ムク先生は、最近は小説のイラストもよく担当していらっしゃるようですね。今も素敵なアナログイラストを描かれていられるようでうれしいです。カラー含めたアナログ漫画の技術は、日本文化の誇り。デジタル化もいいですが、正直アナログに勝るものは……ないです。
小椋ムク先生『キャッスルマンゴー』を今すぐ読む方法
小椋ムク先生『キャッスルマンゴー』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
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まとめ
今回は、小椋ムク先生(原作:木原音瀬先生)の『キャッスルマンゴー』1巻をご紹介しました。十亀もゆっくりと万を気にかけ、万の気持ちも十亀へ惹かれかけたところで1巻が終わっているので、2巻も楽しみです。
ちなみに、1巻には細かな日常生活のいざこざが描かれていますが、それは至って彼らが普通の人間キャラだからです。キラキラもしてないし、スパダリでもない。等身大のキャラだからこそ二人を追いたくなってしまいます。
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