ダヨオ先生『悪人の躾け方』:支配欲を失ったロマンチックボーイ

ダヨオ
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こんにちは。

今日は、ダヨオ先生が描くシンデレラ!?ストーリー『悪人の躾け方』をご紹介します。

主人公の雨津木は意地悪なクズ野郎……だったはずなんですが、とてもロマンチックに描かれていて、元ネタの『ロンリープレイグラウンド』よりも楽しめました。

作品データ

悪人の躾け方

ダヨオ Dayoo

刊行年月:2021.07.05

出版社:祥伝社(onBLUE comics)

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どんなお話?

ダヨオ先生の『ロンリープレイグラウンド』のスピンオフ。

ロンリープレイグラウンドで、大人しい雪文を調教していた会社社長・雨津木のお話です。ロンリー〜ではどこか意地悪で、諦めの悪い役どころでしたが、この作品では、雪文にフラれ、さらには奥さんとも離婚したところから始まります。

雨津木に迫る針間という男は、結構強引なところはあるものの、作品全体的にある意味ロマンチックな雰囲気が漂っているのが魅力です。

絡みシーンが多いのですが、ダヨオ先生はそれを本当に描きたかったのかは謎。前作では、雨津木のキャラがアブノーマルに描かれていたのだけど、この作品はキャラ描写が全然違います。そもそも攻めでもSMものでもなく、針間に攻められた後からお話がスタートします。

読み進めていくと、針間の謎が少しずつ明らかになっていきます。

カップリング

攻め:針間(雨津木の会社の清掃員。ある日バーで近づいてきて、社長をロックオン)

受け:雨津木(雨津木不動産の社長。攻めだったが、なぜか針間に襲われた)

あらすじ

父親の会社である雨津木不動産を継いだ雨津木正継は、若い恋人にフラれ、妻にも離婚される。久しぶりに独り身になった雨津木はバーに向かうが、そこでバイトの男と一夜を共にする。のちにその男は自分の会社の清掃員・針間で、以前から狙われていたことを知るのだが……。

針間に襲われた!?雨津木は、数十年ぶりに受けに転じるわけだが、少しずつ針間という男に興味を持っていく。疲労で倒れた時は駆けつけてくれ、パリの出張にまでもついてくる始末。付き合っているわけでないのに雨津木は針間に心を奪われていくーーー。

ダヨオ先生『悪人の躾け方』:ネタバレ!?感想・レビュー

作品の魅力1:SMからロマンチストへ

主人公・雨津木は、前作『ロンリープレイグラウンド』に登場するキャラの中で一番興味深いキャラでした。

最初は若い浮気相手である雪文と体の関係を楽しんでいましたが、それが徐々にSMプレイへとのめり込んでいく。ただ、ロンリー〜ではその過程がはっきりと描写されていませんでした。

今回『悪人の躾け方』では、雨津木がなぜSMにハマっていったのかが描かれるかと思っていたのですが、SM癖はすっかりとなくなっておりました。w

雪文とは長い付き合いだったこともあり、彼のような若く大人しい相手を探す雨津木ですが、そこにはSMを好むような主従関係はありません。雪文とのそれは、プレイのようなもので、雨津木の心の奥底にあるものではなかった……。

雨津木は、針間という会社の清掃員と体の関係を持つことになります。

針間はどうやら以前から社長である雨津木を狙っていたようで、隙を見て近づいてきたようですが、攻めだった雨津木は、針間に攻められ、受けへと転じるところからお話がスタートします。

お話の視点は雨津木なのだけど、それまで雪文をいたぶっていた雨津木が針間の攻めに抵抗できなくなっていく様が描かれています。その描写が妙にロマンチック。最近拝読したダヨオ先生の作品もそうですが、ダヨオ先生はロマンチストなのではないだろうか。w

前作の雨津木の過去を期待していた自分としては、すっかり丸くなってしまった雨津木にちょっぴり残念ではありますが、物語自体は彼の変化が描かれていて、楽しめます。

作品の魅力2:針間の正体

清掃員である針間が、社長との情事に勤しむ。

いくらフィクションとはいえ、リアリティに欠ける設定ではないかな?と思って読み進めたのですが、不自然さを感じさせないような仕掛けが施されています。

例えば、冒頭の針間の登場シーンは、イベントでしっかりと正装しており、雨津木のビジネスパートナーにも見て取れる出立。

一夜を共にした翌日、朝食にエッグベネディクトを作る針間。w
まぁ清掃員の方もエッグベネディクト作ってもおかしくはないですが、さりげないところに育ちの良さ、おしゃれに敏感な様子が盛り込まれています。

読み進めていくと、彼の正体が明らかになり、それまでの所作がつながっていきます。

雨津木にとっては、王子様が急にあらわれたような、そんなロマンチックな世界観があります。

気になった点:ストーリーの不透明性

『悪人の躾け方』は、全体的に魅力的な作品でした。しかしながら、はっきりとしたストーリーが読み取れなかったのが残念に感じました。

物語は二人の男性がどうやって距離感を近づけていくかが描かれてはいるものの、互いの性格や思考の根底を作る過去、そして家族との関係性はモノローグで少し描かれた程度で終わってしまいました。

雨津木には父親との関係にトラウマがあるのだけど、暗い過去は深く描かれず、語り、そして数ページの描写に終わってしまった。

彼が雪文との関係で彼を支配しようとしたほどの狂気性のようなものが生まれた過程が結局のところ分からずに終わってしまったのが、雨津木という人物をもっと知りたかった自分には少々物足りなかったです。

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ダヨオ先生『悪人の躾け方』をもっと楽しむ方法

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短編ですが、ふたりの世界観が楽しむことができます。

SWEET MOMENT (1)

SWEET MOMENT (2)

 

まとめ

今回は、ダヨオ先生の『悪因の躾け方』をご紹介しました。『ロンリープレイグラウンド』に登場したクズ社長・雨津木を主人公にしたスピンオフ作品です。

前回は意地悪なキャラでしたが、彼が王子・針間に出会い、恋に落ちていく過程を楽しめる作品です。ぜひどちらの作品もチェックしてみてください。

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