こんにちは。
今日は、紗久楽さわ先生の江戸dBL『百(もも)と卍』2巻をご紹介します。
ちょんまげBLがこんなにも愛らしく、切ないお話だとは思ってもいませんでした。時代ものが苦手な私も一気に引き込まれた良作です。
作品データ
百と卍 Momo & Manji 2巻
紗久楽さわ Sawa Sakura
刊行年月:2018年05月5日
出版社:祥伝社(on BLUE comics)
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どんな作品?
紗久楽さわ先生の代表作。全7巻の江戸BL。
天真爛漫な元・陰間の百樹と、元・火消しの卍のお話。
義兄弟の契りをかわして、今は恋人として暮らしている二人ですが、1巻では百の過去、そして2巻では卍の過去が描かれています。卍がなぜ火消をやめたのか、そして彼が活躍していた「を組」のお話です。
1巻で登場した卍の叔父・祝(いわい)も登場することで、叔父との関係性も描かれていきます。
二人の過去は少し悲しく切ないお話なのですが、今の二人の幸せを挟むことで、物語に程よく抑揚がでており、より幸せ感が増しております。また、さわ先生の可愛らしくも色気のある、迫力あるイラストやコマ割りが相変わらず魅力的で、温かみのあるページを楽しむことができます。
そういえば、さわ先生は以前漫画はほとんどがデジタルで描かれていたようですが、この作品ではアナログでの彩色なども行っているので、そのおかげもあってか、イラストに温かみがありますね。
漫画というフィクションの形を取りながらも、しっかりと考証されたものが描かれているので、江戸時代に興味のある方や、真剣に!?漫画を読まれる方にもオススメの作品です。
今回ご紹介する2巻には、『on BLUE』vol. 27〜33(2017年2月〜2018年2月)に連載された7話、そして描き下ろしが収録されています。
また、奥付ページには参考文献リストも載っておりますので、江戸の生活や、特に当時の火消しに関する資料が気になる方はこちらも要チェックです。
カップリング
攻め:万次(卍。かわいい百を愛する元・火消し。今は篠笛吹きなどをして暮らしている)
受け:百樹(昔は陰間で働いていたが、卍に拾われ、今はとてもしあわせ。かわいいお尻)
2巻のあらすじ
年の瀬も近づいてきたころ。もちをつきながら、出稼ぎに行った卍を恋しく思う百。年を越し、久々にあった卍は、どこかそっけない。お互い幸せな日々を送りながらも、過去のことは話さなかったが、年の瀬に鳶だった仲間とでも出会したのだろうか。
そんなある日、百の前にある男が現れる。千という男、どうやら卍の過去を知っているらしい。そして額に傷のあるこの男は、卍の叔父・祝(いわい)さんも知っているらしい。卍の過去に何があったのかーーー。
紗久楽さわ先生『百と卍』2巻のみどころ

作品の魅力1:イラスト
1巻も素敵でしたが、2巻ではさらに素敵なコマの絵やアナログ色が楽しめます。
もともと、さわ先生はデジタルでの原稿が多かったようなのですが、質感の表現のためにもアナログでの着彩も行うようになったようです。
昨今では、デジタルでもかなりの質感を出せるようになり、アナログの水彩のような質感も出すことは可能なまで技術が向上されましたが、だからこそ、アナログ原画の貴重さが際立ちますね。
アナログ、そしてデジタル。
アナログ人間の私は、漫画を読むときも、また自分で落書きを描いて遊ぶ時もちょっとしたこだわりがありましたが、実際に自分で描いてみて、正直アナログだろうがデジタルだろうが、作品の質にはそれほど差はないと感じて以来(魅力的なイラストは、メディアに関係なく素敵だし、人も見てくれる)、漫画に関してもこだわりがなくなりました。
ですが、やはり伝統的なアナログ手法の方がやっぱり味があるのは確かです。どんなに特殊なペン先をDLしても、デジタルとアナログでは同じ「味」にならないのが不思議です。
アナログのランダムさ、不安定さは、やはりユニークで、より自然に感じます。それをまだ「味」と感じられる自分は、恵まれた世代なぁと思います。
作品の魅力2:卍の火消し時代

2巻のメインのお話は、卍の火消し時代のお話です。
火消し:江戸時代の消防組織。そしてその構成員のこと。
卍は「を組」の火消し衆に属していました。祝(いわい)という叔父貴のもと、「纏(まとい)持ち」となり、活躍していたその時代のあこがれの存在でもありました。
纏持ちは、火消したちの士気を高める役割も担うため、若く、容姿端麗な花形エースの役割。二人一組で行うこの役割を、万次、そして2巻で登場する千という男が担っていました。
……今の時代、ルッキズムが云々と、ポリコレで話題になることもありますが、どの時代もやっぱり見た目はかなり重要な要素、ですよね。理想論で語っている場合ではありません。w
また、音楽が大好きな自分としては、この火消したちに「労働歌」があったのにも興味があります。調査リストに追加、っと。w
万次と千にはあだ名がありました。
鬼殺(きさつ)の万次に、鵺(ぬえ)の千。
纏持ちだった二人が急に火消し衆から去ることになるのですが、この二人の関係性が明らかになります。
卍の葛藤には、いくつかの側面があります。
叔父貴への劣情。男を好きになるということは、いつの時代にもあるのですが、どの時代もマイノリティーであり、その存在は周りに隠さねばなりません。しかもそれが、花形エースであった纏持ちを担っていた万次とあらば、尚更です。
そしてもう一つ。
万次はいわゆる攻め。好きな相手を「可愛がりたい」のです。
しかし、当時の関係性は、年齢で分別されます。
年上が、年下を可愛がるシステム。
ですから、そのような関係になった場合、しかも万次が思う相手が年上の場合は、自分が受けになるしかありません。
そのような当時の事情も作中に描かれていて、とても面白いです。
2巻にも、描き下ろしも含めてたっぷりと江戸情報がりますので、BLとして楽しむこともできますし、江戸時代の男色、または火消しにまつわる情景を楽しむ資料としても、価値のある作品になっています。
紗久楽さわ先生『百と卍』2巻を今すぐ読む方法
紗久楽さわ先生『百と卍』2巻を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
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どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
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紗久楽さわ先生『百と卍』をもっと楽しむ方法
百と卍の二人の現代バージョンが番外編として電子版で楽しめます。
このお話は、単行本4巻のとらのあな限定有償特典20P冊子の電子版になります。現代バージョンでも頼もしい二人。w
百と卍 現パロ番外編 ―GENPARO Momo and Manji in Reiwa―
まとめ
今回は、紗久楽さわ先生『百と卍』2巻をご紹介しました。
2巻では、卍の叔父であり、百もあったことのある祝(いわい)や、卍の過去を知る千の登場など、少しずつ世界観が広がっていきました。また、そんな過去があっての今であり、百の真剣な思い、そして卍の愛情がブレンドされた1冊になっています。あ、BL描写もたっぷりあります!w
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