こんにちは。
今日は、木原音瀬先生の作家30周年記念シリーズより、第3弾となる『LOVE 30』をご紹介します。シリーズ最後となるこの1冊には、コメディ、そしてシリアスなお話の2話が収録されています。
作品データ
LOVE 30
木原音瀬(このはらなりせ) Narise Konohara
イラスト:紗久楽さわ、三日ミタ
刊行年月:2026年04月17日
出版社:リブレ
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どんな作品?
1995年に『眠る兎』でデビューした、BL小説のみならず文芸でも活躍中である木原音瀬(このはらなりせ)先生の作家活動30年を記念したシリーズ。全3巻のシリーズですが、物語はすべて読み切りなので、どのお話から読んでも楽しめます。
『HUG 30』『KISS 30』『LOVE 30』の全3巻のシリーズで、今回は最終巻の『LOVE 30』をご紹介します。
木原先生が描かれる陽と陰がセットになったような、コメディと闇を描いた2話が収録されています。もちろん、今まで同様にそれぞれのその後の書き下ろしショートも収録されています。
そして、全3巻を読むと、巻末にあるパスワードを使って、特別サイトを覗くことができます。そこに、書き下ろしのショート、そして他作品の既存のショートたちを読むことができます。
プロとして、幅広い作風、そしてキャラの人物像が垣間見られるお話が集められたシリーズでしたが、この最終巻でも木原コメディ、そして先生の真骨頂ともいえる闇の世界が楽しめます。
木原先生といえば「痛い」作品が多いと言われますが、決してそんなことはない。先生の作品を読んできて、意外と甘い作品や純愛ものも多いです。コメディも、初期の頃から描かれているのだなと思います。
イラスト担当は、紗久楽さわ先生、三日ミタ先生です。
特に紗久楽さわ先生は、『百と卍』に代表される江戸イラストしか見たことがなかったので、表紙のようなポップなイラストがとても新鮮レアに感じ、心はずみました。
紙本のデザインは、イエローを背景に紗久楽さわ先生のポップなイラストが施され、その上にヴェラム紙の表紙カバーが施されている素敵な装丁です。
また、アニメイトとコミコミスタジオで紙本を購入するとSSカードが付いています。
木原音瀬先生『LOVE 30』:ネタバレ!?感想・レビュー

ストーリー1:青春狂走曲。
ストーリー2:その後の青春狂走曲。
カップリング
攻め:スコット(暴走……いや、まさに狂走!)
受け:矢部健人(大学デビューしたまともな学生……のはずだが!?)
感想
初出:『小説ビーボーイ』2000年10、11月号
ちょっぴり自由度の高い父親がカフェを営む矢部健人は、詩なぞ嗜むセンチな大学生。それを隠すかのように大学デビューした今は、幼なじみの大月、そしてマナと、ごく普通の大学生活を送っていました。
大学で一際目立つ謎の先輩・スコットが、健人のカフェでアルバイトをすることになり、健人の人生は少しずつ狂い始めます。
木原先生のコメディは何作か読んでいますが(吸血鬼と愉快な仲間たちもコメディですね)、この作品はなんといってもスコットの暴走ぶりでしょうか。誇張された人物描写ではありますが、ハーフという設定のせいもあってか、許容範囲。
また、学生のお話ということもあり、健人だけでなく幼なじみ、そして健人の妹や父親、さらにはスコットの母親などにぎやかな登場人物たちがお話を盛り上げてくれます。
そして、私が木原作品に魅力を感じるのはキャラ描写というよりも、心情の変化です。
スコットは健人の妹が好きなところから始まるのですが、そんなスコット、そしてゲイでもない健人がどうやってBLへと向かっていくのか、その疑問と期待でページを捲らされてしまいます。
わかりやすい恋心とは違った、様々な感情の模様。それがフィクションなのにリアリティがあり、共感できることさえある。
このお話も、スコットには全く共感しませんが(笑)、健人の心の変化は、恋心ではないにせよ、ほおっておけない、とても気になる好奇心が愛情として描かれているのかなと思います。
ストーリー3:true love
ストーリー4:その後のtrue love

初出:『小説ビーボーイ』2001年2月号
カップリング
攻め:岩城康弘(ごく普通の男の子……なはずが、心の奥に独占欲が……)
受け:長尾幸一(複雑な家庭環境で育ち、神に依存する)
感想
闇のあるお話ですが、心の奥に眠っている感情が呼び起こされるような描写は、木原先生の真骨頂だと思います。
物語には3人の人物が登場します。岩城と長尾の他に、共通の友人である光一という人物も。作中、光一は亡くなるのですが、二人にとって光一がどのような存在だったのか、そしてそれまで直接関係することのなかった岩城と長尾は、光一の死をきっかけに交流していくことになります。
長いお話ではないのに、長尾の人格が家庭環境から来ていること、そして彼が光一に求めたこと、さらには長尾が岩城と交流していく過程が見事に描かれていて、なんとも読み応えのある作品。
確かに重い作品ではあるのですが、そこには辛い環境の羅列ではなく、心の描写があります。
そして、一見まともに見える岩城も、長尾に興味を持ち、そして執着していく独占欲が心の奥からゆっくりと解かれていく描写も興味深い。
先生のあとがきによると、この物語はデビュー前に書かれたとのこと。その当時流行っていたBLの雰囲気は反映されているとは思いますが、それにしても昔からこのような作品を書かれていたのだな、と。
さいごに

3部作すべてを拝読しました。
今回掲載された作品はすべて結構前に書かれた作品たちではありますが、最近の作品まで目を通してきて、とにかくバラエティ豊かな作風とキャラ、そしてそこにある様々な心の移り変わりに魅了されました。
私は、木原先生の描く人物がとにかく大好きです。一般的に言う「まともな」人物に見えても何か異質なものが隠れていたり、冴えない人物にも独特な魅力があったりと、日々の生活でふと気づくのだけど流してしまうような小さな気づきをキャラに落とし込んで、魅せてくれる。
これからも、そしてまだまだ未読の作品もあるので、楽しく読ませていただこうと思っています。
木原音瀬先生『LOVE 30』を今すぐ読む方法
木原音瀬先生『LOVE 30』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
私がよく利用する電子書籍サイトは、新規会員クーポンありの「ブックライブ」、レンタル本も豊富でやっぱり最強な「
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どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。
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木原音瀬先生『KISS 30』をもっと楽しむ方法
特典にこだわる方は、アニメイト、コミコミスタジオで購入すると、SSつきのリーフレットもしくはイラストカードがついております。
コミコミスタジオでは、先生のインタビューも掲載されていますので、要チェック!
まとめ
今回は、木原音瀬先生の作家生活30周年記念シリーズから『LOVE 30』をご紹介しました。
木原先生、30周年おめでとうございます 🥳 これかからも、先生が描かれる作品をたっぷり楽しませてもらおうと思います。そのためにも、健康キープでがんばるぞ〜☺️
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