未散ソノオ先生『上質な男とH』:マルサ・続木の誤算

未散ソノオ
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こんにちは。

今日は、未散ソノオ先生の『上質な男とH』をご紹介します。

ソノオ先生の作品の中では珍しく、少しラブシーンが多めの作品です。でも、ソノオ節は健在!魅力がたくさんの1冊になっています。

作品データ

上質な男とH

未散ソノオ Sonoo MICHIRU

刊行年月:2016年09月15日

出版社:新書館(ディアプラス コミックス)

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どんな作品?

未散ソノオ先生のディアプラス3作目のコミックス。

直接的なタイトルはアレですが、とてもいいお話です。

すでにカプの関係の出来上がっているところからお話が始り、読み切りスタイルのエピソードがまとめられたコミックになっています。

10ページ程度のお話もあれば、きっちり32ページのものもありで、読み続けていくと、二人の関係性はもちろん、つんけんしている続木の背景なども明らかになっていきます。

主人公も大人たちで、読み心地がとてもよい。

この作品は、絡みシーンは多めなのですが、まったくいやらしさはなく、むしろピロートークの可愛らしさや、二人の愛らしい関係性が読み取れます。

悪者は登場せず、美味しいもの、そして程よい脇キャラたちとのほのぼの、ときどき切ないシーンばかりの温かい作品に仕上がっています。

未散先生の作品といえば、登場人物の職業にも魅力がありますが、今回は、ある会社の社長・中原と、なんと!にっくき国税専門官の続木(つづき)という面白い設定のカップルが繰り広げるお話です。

『Dear+』2015年10月号〜2016年6月号までに連載された8話、そして描き下ろしが収録されています。

カップリング

攻め:中原(3代目社長:凸されたマルサの男に惚れた社長。その分税金しっかり払いました)

受け:続木季史(つづききふみ:税金を愛す男。普段はつんけんしているが、少しずつ中原の想いに応えようとする)

あらすじ

3代目社長の中原は、税金調査でマルサの続木(つづき)と知り合う。二人は体の関係に発展し、付き合っているはずなのだが、そっけない続木の態度から、中原は自分との付き合いはお金目的なのか……と微かにモヤモヤが胸に広がるも、彼なりの愛情を注ぐ日々。

お互いの関係も深くなり、想いが通じてきたかと思ったが、ある日を境に続木から「もう会わない」との連絡が来るのだがーーー。

未散ソノオ先生『上質な男とH』:ネタバレ!?感想・レビュー

作品の魅力1:中原

中原は、とある老舗会社の3代目社長。人をすぐに信頼してしまうお人好しで、社内からの悪知恵を信じて追徴課税をがっぽり取られてしまったりします。

しかしながら、マルサの調査で知り合った続木と知り合い、関係を持つようになります。

最初は好意と好奇心からだったのでしょうが、徐々に続木との関係は深まっていきます。

中原の魅力は、性格。

社長ではあるのだけど、おっとりほのぼのタイプで、マルサの男に惚れてしまう。

自分の欲望を直接的に伝える(隠すことができない)性格で、中原の大好きな美味いものを続木と一緒に楽しむ。そんなひととき。

家族経営の企業なのか、長男ということで3代目社長になっているが、何かあれば弟が継ぐというシステムになっている。

いわゆる御曹司体質で、小さいころから美味いものに囲まれてきたのだろう。日々食べるものもそうだし、自分でも美味いものを作る。会社にも自腹でキッチンを設置するほど。

そんな食通の中原は、続木に惚れている。

続木との時間を大切にしながら、ゆっくりと関係を深めていく中原は、辛抱強く、また彼なりに続木を観察し、マルサの男ではなく個人として接しようとする様子が見られます。

また、未散先生の細かな描写で、中原の続木に対する様々な気遣いもたっぷりと感じられ、中原の素敵なイケオジ度が伝わってきます。

作品の魅力2:続木

塩対応で中原からのお誘いに対応する続木。誘われたら遊びに行くし、体の関係もある。でも、マルサの男ならではのデータ脳なのか、どこか中原からのラブラブ攻撃を適当に受け流す続木。

彼と中原が出会った様子は、中間に収録されているエピソードで描かれています。

続木にはトラウマチックな問題があるのですが、その問題を解決したのが中原。
それ以来、体の関係が続く続木と中原。

タイトルにもなっているHは、ある意味、二人の感情のメタファというよりも、二人の関係をつなげているツールのようにも読み取れます。そして、その絡みが「ツール」だったものから「愛情を確認するもの」へと変わっていく。

どのエピソードにもHを楽しむ表現があるのだけど、決していやらしいものではなく、二人の関係を引き留めるもの、であります。

また、中原のラブラブ攻撃はわかるのですが、塩対応を見せながらもそれに応えようとする続木がなんとも可愛らしい。

中原の素直な性格や、気遣い、そして愛情表現に惹かれていく続木の過去の恋愛描写も、さらっと表現されていて、彼の恋愛に対する不信感のようなものが、中原を通して安心感に変わっていくところも魅力の一つです。

作品の魅力3:絵柄

未散先生の線画は、細い一本線で描かれているのですが、どこかスケッチのようなイラストです。しっかり表現されているもの、そしてそれと反比例して、モブキャラなどは目鼻がなかったり。w

そんな大雑把なメリハリのある作画も魅力です。

デジタルが主流になってきたこともあり、小さな絵柄もはっきり描かれるようになってきた昨今のイラストですが、個人的には漫画はアニメなどと違って、もっとアナログ感のあるイラストを楽しみたいのです。ですから、未散先生の描かれるようなペンタッチは、とても好みです。

そして、細身の線画もそうですが、4段割で描かれていますが、コマは横長のものを頻繁に使用されており、決して1ページのコマ数は多い方ではありません。

デジタル・アナログの違い、昨今の漫画作りのトレンドもあるとは思いますが、1ページは3、4段割りが好きな自分にとっては、ソノオ先生のスタイルは紙本でもデジタルでも読みやすく感じました。(デジタルだと2、3段割りが主流になってきていますが……)

未散ソノオ先生『上質な男とH』を今すぐ読む方法

未散ソノオ先生『上質な男とH』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

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まとめ

今日は、未散ソノオ先生の『上質な男とH』をご紹介しました。

ストレートに表現されたタイトル如く、ほとんどのエピソードで体を重ねる二人。でも、それは、二人にとって大切なスキンシップであり、健全な関係を続ける手段。そんな二人が少しずつ愛情を表現するようになります。

単純な性格ながら大人な中原と、マルサの男・続木の恋愛模様。未読の方はぜひ読んでみることをオススメします。

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