日高ショーコ先生『花は咲くか』5巻:両親の事故の真相とは!?

日高ショーコ
本ページは、アフィリエイトによるプロモーションが含まれております。

 

こんにちは。

今日は、日高ショーコ先生の人気作品『花は咲くか』最終巻(第5巻)をご紹介します。読み応えのある物語で、とても面白かったです。桜井と蓉一の恋愛模様、そして蓉一の両親の事件の真実が明らかになります。

作品データ

花は咲くか 5巻

日高ショーコ Shoko Hidaka

刊行年月:2015年03月24日

出版社:幻冬舎(ルチル comics)

全5巻の表紙を並べてみると、最終巻の二人(特に蓉一)の笑顔が全てを物語っています。

どんな作品?

日高ショーコ先生の初の長編。全5巻のシリーズです。

由緒あるお金持ちの家系に生まれた美大に通う蓉一と、広告代理店に勤める桜井との関係を描くヒューマンドラマ。

偶然知り合った二人ですが、桜井は仕事を介して蓉一や彼の家系に関わることになり、無垢な蓉一に惹かれていきます。

また幼少期に親を牛なった蓉一は、人に関心がなかったのだが、桜井と出会い「感情」というものが生まれていきます。

最終巻の5巻では、蓉一の心の奥にあった両親の事故の真相に迫ります。両親は本当に事故で亡くなったのか。

4巻で桜井が蓉一に打ち明けた、桜井の父親の思い出の話も交え、ゆっくりと心を開いていく二人の関係性の変化、そしてお家問題の最後のサプライズ、桜井の転勤など、1巻から描かれてきた様々な問題がゆっくりと解決されていきます。

それぞれのキャラの行方はいかに!?

このシリーズは、幻冬舎のBL雑誌『ルチル』vol. 14(2006年8月)から連載がスタートしたシリーズで、5巻には vol. 54(2013年5月)から vol. 64(2015年1月)までに掲載された第26〜34話までが収録されており、ボリューミーな読み応えのある1冊になっています。

カップリング

攻め:桜井(仕事人間だった彼が、蓉一と知り合い、人を愛する気持ちを知っていく)

受け:蓉一(よういち:桜井と知り合い、人への関心がなかった彼がゆっくりと成長していく)

日高ショーコ先生『花は咲くか』第5巻のあらすじ

桜井と蓉一。お互いに触れた後にふと心を開いた蓉一。彼の心の奥にあった疑問。それは、両親の死は本当に事故死だったのだろうかーー。

蓉一の父親を中心に、柏木、吉富、そして菖太の父。各々はどのような関係だったのだろう。

桜井が転勤の準備に追われる中、蓉一の父が残した遺言に従い、下宿の取り壊しをすることに。水川邸はどうなるのか、そしてそれぞれの行方はーーー。

日高ショーコ先生『花は咲くか』5巻のみどころ

最終巻となった日高ショーコ先生の『花は咲くか』。

ネタバレ!?感想・レビューを交えながら、作品の魅力をご紹介します。

作品の魅力1:蓉一と父親

やはり、この作品を通して私が一番惹かれたのは、蓉一というキャラです。

幼少期に両親を失った蓉一。

有名な画家だった父を失ったあとも、周りの人に絵を教えられ、父親の跡を追うように美大へと進学した彼だが、彼は父親を追ったのか、それとも無意識に自分の芸術に対する感情に従ったのだろうか。

蓉一と父親の関係は、蓉一の心の状態に深く関わっています。

5巻では、蓉一の中にある両親の思い出、また芸術家としての父親への思いが語られています。

なぜ蓉一は人に興味をもたなかったのか。また人を好きになったことがなかったのか。

それは、両親の事故のせいではなく、両親からの愛情を感じたことがなかったから!?

蓉一は、両親が他界してから避けていた、両親のアトリエへ足を踏み入れます。

このアトリエは、蓉一が心の奥にしまっておいた両親の死への疑問やモヤモヤとしたものを掘り下げていくメタファーのように感じました。

そして、画家を志す一人の人間として、アトリエに入ることで、画家としての父親にも触れることにもなります。

精神的にも成長し、前へ進む蓉一の姿が色濃く描かれています。

その描写過程で、柏木や吉富、そして菖一叔父さんと蓉一の父親との関係も明らかになっていきます。

ところで、1巻から今までに何度も登場した父親についての回想シーン。この巻にも登場しています。

皆の中心にいるのは父親なんですが、この父親がどうも蓉一に似ているため、私の脳内ではそれほどインパクトのある人物には思えなかったのが残念です。

お話の中心には常に彼がいるので、もう少し特徴あるキャラ(容姿)でもよかったのでは?とは思いました。(それとも、わざとそうしているのだろうか……。)

作品の魅力2:蓉一と桜井

3巻あたりからより近づいた二人の関係も、無事にいい形でピークを迎えます。

すれ違い、気持ちの行き違いを経て、蓉一も桜井も自分の気持ちに素直になっていきます。

また、それまでは桜井の方が大人な雰囲気がありましたが、前巻を経て、はっきりと蓉一の成長が目立ちます。

実は桜井よりしっかりと前を見て、自分の気持ちに素直なのも、もう無垢だからではなく、桜井を信頼できたから。不安を感じなくなったから。いい話やないかい!😭

対する桜井も、自分が今までなかなかうまく人を愛せなかったことを反省している様子。でも、正直桜井の恋愛事情に関しては描写が少なく、モノローグのみでしか語られていないため、彼の心の変化は最後まで私の汲み取るスピードには合いませんでした。

が、人を愛したい、また愛して欲しいという気持ちがあり、今までそれがうまく行かなかったことへのこだわりは少し描かれています。

でもね……

こんないいお話の中、桜井はやはりどこかずる賢いというか、子供っぽいというか、有無も言わせず蓉一を受けにしてしまう w

なにも知らない蓉一は、次は俺も触る〜って言うんですけど、当然桜井はそんなの聞いてなくて、彼の目的!?だった次のステップへと進みます。w

(ぜひ読んでください w)

作品の魅力3:花は咲くか

タイトルとなっている「花は咲くか」。

蓉一と桜井の出会いから、菖太や竹生との交流も生まれた桜井。そんな桜井が1巻で屋敷の庭に巻いた花の種。

1巻で播いた種はだめになってしまい、転勤する前に桜井はまた新しい種を播きます。その花が無事に咲くまで蓉一に見守っていてほしい、と。

この種には母親の蓉一への想いが込められていた。そしてそれが蓉一へと受け継がれていく。桜井と播いた種、花が咲くかどうかは二人次第。

5巻からなるこの作品の中に、様々なテーマやモチーフが使われていますが、この花の種もその一つです。

知りたかった両親の死の真相も、確信あるものではありません。真実は誰にもわからない。ただ、各々が知っている事実のみが目の前に存在する。そんな中で「真相」を欲する蓉一に対して、桜井は彼なりの答えを蓉一に与えます。

作品を通じて、どのキャラクターも変化し、精神的にも次のステップに進みます。大きなメッセージは感じませんでしたが、とてもポジティブな作品です。5巻完結と程よい長さ(でも読み応え抜群)なのも魅力です。

BL部分はもちろんのこと、漫画としてしっかりとまとまっていて、とてもいい作品でした。間違いなくBLの歴史に残る作品でした。

日高ショーコ先生は、作画担当の日高ショーコさんと、ストーリー担当のタキエさんのユニットです。

日高ショーコ先生『花は咲くか』5巻を今すぐ読む方法

日高ショーコ先生『花は咲くか』5巻を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。

どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。

コミックシーモア:クーポンが魅力。BLに関しては、修正が少し甘めなものもあります。

Renta!レンタ:レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入が可能。この作品もレンタルできます。

コミックシーモアの月額コミック読み放題が一番お得!BLも読み放題!

まとめ

いかがでしたか。今回は、日高ショーコ先生の人気シリーズ『花は咲くか』最終巻をご紹介しました。

全5巻というほどよい長さがあるのでしっかりとした世界観が楽しめました。

カプ二人の恋愛事情、お家事情、そしてタイトルとなった花(の種)やアートといった、いくつものテーマ/モチーフの使い方も面白かったです。

そして、実はアラフォーの桜井がじわじわと蓉一に近づいていく様子も、近くで見るとドキドキするんですが、すこし距離を置いて読んでみると、何をやってるんだか、とクスクス笑ってしまいます w

日高ショーコ先生は一般作品も書かれているので、今後も活躍されていかれる先生かと思います。一般もいいですが、深く読み応えあるBLを描かれる先生は希少なので、ぜひ続けてBL作品でも活躍してほしいものです。

日高ショーコ先生のもう一つの代表作『憂鬱な朝』も読み始めましたので、どんどん日高先生にハマりそうです〜

コミックシーモアでサンプルチェック!

コメント

タイトルとURLをコピーしました