佐藤アキヒト先生『ルームメイト』1巻:寄宿学校におけるノアとカイの感情の記録

サ行
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こんにちは。

今回は、佐藤アキヒト先生の『ルームメイト』1巻をご紹介します。2023年から連載がスタートした物語です。頭脳明晰な若者たちが集まる寄宿学校を舞台に、恋心、嫉妬、友情、そして家庭環境や過去などが複雑に絡みあっていくお話。

アキヒト先生の魅力的なイラストたちが世界観に導いてくれます。

作品データ

ルームメイト 1巻

佐藤アキヒト

刊行年月:2024年10月10日

出版社:徳間書店(Chara comics)

どんな作品?

佐藤アキヒト先生の8冊目(多分…)のコミックス。

伝統ある寄宿学校を舞台に、父親との関係にコンプレックスを持っているノア・ホーキングと、過去に何かがあったミステリアスだが怜悧なカイ・エヴァンスのお話。

ルームメイトの二人ですが、問題児のカイと、真面目だけどどこかカイに惹かれていくノアの緊張感あるやりとりが楽しめる1巻です。

リリース時から「1巻」の文字があることで、読む前から作品のスピード感にも満足。じわりと距離が近づくものの、そこにはノアの複雑な感情も絡んできます。

シンプルな恋愛感情だけではない複雑なもどかしさも、1巻だから焦らずに楽しめる。これ、大事。

また、続きもののため、脇キャラにも注目です。

監督生のアレックス、謎のイタリア帰りの男の子(おそらく次巻で存在感を発揮するのかな?)、ノアのクラスメイトたちなど。

物語は始まったばかりですが、詰め込み感なく、ノアとカイのピリッとした緊張感が伝わってくる1冊になっています。

あれこれ考察・妄想もできるし、疲れが溜まった読者にもゆっくりまったり読める内容なのもうれしいですね。

1巻には、雑誌『Chara Selection』2023年11月号、2024年1、3、5、7月号連載分の5話が収録されております。描き下ろしはありませんが、ちょうどリリース時に開催されたJ庭(ガーデン)では番外編の同人誌もリリースされています。

カップリング

攻め:カイ・エヴァンス(財閥の息子。兄も以前は寮の監督生で、優秀だった。)

受け:ノア・ホーキング(父親の気を引くため、勉学に励む4年生)

1巻のあらすじ

歴史ある寄宿学校・Waterford Collegeの4年生であるノアは、成績優秀者リストに選ばれるため、日々勉学に励む日々を送っていた。

そんなノアのルームメイトであるカイは、授業には出ず、寮からも抜け出す始末。

接点がなかった二人だが、ある日をきっかけに話し始めた。

怪我をした鳥を見つけたカイは、ノアのところにやってくる。学者の父親を持つノアは鳥を介抱し、飼うことになった。

二人だけの秘密を持つことになったノアとカイ。授業をサボっていたカイは少しずつ学校に顔を出すようになるのだがーーー。

佐藤アキヒト先生『ルームメイト』のみどころ

佐藤アキヒト先生『ルームメイト』のネタバレ!?感想・レビューです。

とても満足の1巻でした。佐藤アキヒト先生の作品は数作品拝読しましたが、今までで一番読みやすく、またわかりやすかったです。

ページの構成、物語の流れも良し。かつ、アキヒト先生らしいユーモアが散りばめられた作品です。

作品の魅力1:ノア・ホーキング

佐藤アキヒト先生の作品は、数作品読んだことがありますが、今回のノア・ホーキングというキャラクターは、わかりやすく、かつ(いい意味で)複雑に描かれていたと思います。

ノアの父親は著名な学者で、昔から常に研究に没頭していた。ノアが幼いころから研究で忙しく、自分に関心を向けられなかったノアは、それがトラウマになります。

父親からの愛情を感じたことがなかったようです。

有名な寄宿学校に入学したことをきっかけに、父親の関心が少し自分のほうに向くと、もっと自分に興味を持ってもらうために、勉学に励み、スカラをとります。

やっと父親が自分に興味を持ってくれたのだけど、そのかわり、常にスカラを獲らねばならないプレッシャー。できる限り勉強に力を注ぐのだけど、授業に出ないルームメイトのカイは、頭脳明晰。

授業にでなくても、ラテン語は常に1位の成績のカイ。当然、ジェラシーもちらほらと……。

当初はほとんど会話のなかったカイとの関係は、少しずつ変わっていきます。

怪我をした鳥を助けたことがきっかけで、二人の秘密ができます。

自分に話しかけてくれたことで、自分を頼ってくれるカイを嬉しく思い、興味を持つようになります。

好きという恋心はもちろんそこにあるのだけど、幼少期からの蓄積された愛情の欠如、そして自分の存在価値への不安などが表現されていきます。

さらに、勉学がなかなか追いつかないノアに対して、いとも簡単にこなす(ように見える)カイに仄かなジェラシーを感じる。

恋心がありながら、嫉妬心が湧き上がり、それを抑えようとする罪悪感と、複雑な感情がノアとカイの関係性を緊張感と共に盛り上げていきます。

1巻は、ほぼノアの視点で描かれていますが、大人しい彼の中にある人間らしさが描かれていました。

作品の魅力2:画力

佐藤アキヒト先生のイラストは、『ギリギリアウト!』を読んだ頃から好きでしたが、今回も素敵なイラストが堪能できます。

主人公二人は、ベースのイラストは似ているのだけど、髪型や性格にはっきりと違いがあるため、見間違えることはありません。ノアの方が少し目が大きめに感じるのは気のせいでしょうか……。

アレックス、そして謎のイタリア帰りの男の子も、髪の色や濃いキャラ色で程よい印象。アレックス、なんかありそうですね。真面目な人こそ闇がありそうだ。w

デジタル画でしょうが、ペンタッチもアナログのような味わいある強弱がついていて、迫力のある仕上がりになっていました。(描く方は大変そうですが……w)

作品の魅力3:長編ゆえのストーリー展開

多くのBL作品は、1冊完結が多いですね。お話が続いても上下巻。

でも、最近は少しずつ長編が増えてきました。

長編のメリットは、時間をかけた心理描写を楽しむことです。壮大なストーリー展開も可能ですし、カップルの心理を奥深く掘り下げた作品を読むことができますね。

1巻完結でも濃厚な作品は描けると思いますが、様々なエンタメにアクセスが可能な現代社会において、ゆっくりわかりやすく進むものが受け入れられやすいかもしれません。

また、BLに関しては特にビジュアルも重要ですね。

昔は限られたページ数にお話を詰め込む感じがありましたが、今は詰め込み感なく、ゆっくり進む物語が増えてきたかなと思います。

また、デジタル読者が増えてきたこともあるのか、コマ割りも2、3段割が主流になってきたのかなと思います。読者の変化、メディアの変化に伴いコマ割りも変わり、お話の進み具合や見せ方も変わってきたのでしょうか。

佐藤アキヒト先生の『ルームメイト』は、2、3段割りを贅沢に使った魅せ方で、読みやすさ、絵のサイズ(老婆が紙本で読んでるので、これ重要)、そしてイラストの緩急などもバランスが取れていました。

物語をミクロ的に見せているのかなと思います。

細かい心理の変化(特にノア)が見られ、揺れる感情もアップの絵柄やレタリング、ペンタッチで心に訴えてきますね。

その代わり、マクロの視点で作品を読むのは、1巻の段階では難しい。

ノアの父親(家族)との関係性をもっと知りたいし、カイの家系、兄との関係性、はたまたノアへの気持ちの変化など、気になるところがてんこ盛り。

BLは続きは1年後、いやそれ以上?かかることが多いので、先生も読者も、健康維持が必須ですね w

物語完結まで読めるように、私も日々ほどよい運動で健康維持を目指します!

佐藤アキヒト先生『ルームメイト』1巻を今すぐ読む方法

佐藤アキヒト先生『ルームメイト』1巻を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。

私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。

コミックシーモア:クーポンが魅力。BLに関しては、修正が少し甘めなものもあります。

Renta!レンタ:レンタルやスタンプ機能などがあり。そしてBLCDや、他では扱っていない短編の電子も独占購入が可能。この作品もレンタルできます。

コミックシーモアの月額コミック読み放題が一番お得!BLも読み放題!
紙本は、配送も丁寧な楽天ブックスがオススメです。

 

佐藤アキヒト先生『ルームメイト』1巻:特典情報

佐藤アキヒト先生の『ルームメイト』1巻は、2024年9月25日にリリースされました。

リリース時の特典は以下の通りです。コレクターの方、気になる方は要チェックです。

アニメイト 4Pリーフレット
コミコミスタジオ イラストカード、アクリルコースター(有償)
ホーリンラブブックス 共通ペーパー、カバーイラストブロマイド
特定書店 イラストペーパー

同時期に開催された秋のJ庭(ガーデン)では、12P小冊子やアクリルスタンドなどのグッズも発売になったようです。こちらは限定ものですので入手は難しいですが、ファンの方はチェックしてみてください。

まとめ

今回は、佐藤アキヒト先生の『ルームメイト』1巻をご紹介しました。1巻ということで、物語が始まったばかりですが、非常によくまとまった1冊になっていました。今後のストーリー展開が楽しみです。

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