ゆくえ萌葱先生『白刃と黒牡丹』1巻:893と弁護士と執着と

ヤ行
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こんにちは。

今日は、ゆくえ萌葱(もえぎ)先生の『白刃と黒牡丹』をご紹介します。ゆくえ先生の作品は初めて読みましたが、魅力ある作風で、楽しめました。まずは1巻をご紹介します。

作品データ

白刃と黒牡丹 (1)

ゆくえ萌葱(もえぎ)

Naked Sword and Tree Peony of Black : Moegi Yukue

刊行年月:2019.9.20

出版社:海王社(GUSH comics)

どんなお話?

ゆくえ萌葱(もえぎ)先生の893もの。

1巻は、BL雑誌『GUSH』2019年3月号から7月号に連載された作品をまとめたものです。シリーズものとして、2024年2月現在までに2巻までリリースされています。

一応書籍の表記としては、既刊2巻となっているため、今後続編がリリースされるかもしれません。(このシリーズは好きなので、もう少し続いてくれるとうれしい。)

ゆくえ先生の非BL作品『おれはブサメン-猫つづり-』に登場した黒井と舎弟の伴田。そこから派生したスピンオフ作品となっています。

それもあって、本編にはブサメンが時々登場するので、「ブサメンを探せ」が楽しめます。(これって、連載の時もあったのか、単行本発売でそうしたのでしょうか?)

893設定ではありますが、そっちの話は本格的なお話ではありません。あくまでBLです。黒々組の若頭・黒井と、彼に長年想いを寄せてきた弁護士の白樺の執着のお話。

白樺の弁護士設定にも期待しましたが、司法のお話は全く出てきませんので、気軽に癒しBLとして楽しむ作品です。

ゆくえ先生のイラストに興味があったのと、弁護士が好きなので手に取りましたが、想像していたよりもコミカルで、読みやすい作品でした。

カップリング

攻め:白樺刀麻(しらかばとうま:弁護士。子供の頃から憲剛に強い憧れを持っている)

受け:黒井憲剛(くろいけんごう:子供の頃から一人ぼっちだったが、自分を見捨てなかった刀麻に特別な感情を抱いている)

あらすじ

黒井憲剛は、黒々組の若頭。893の家庭に生まれた。そんな黒井の幼なじみである弁護士の白樺は、子供の頃から黒井へ強い憧れと好きという気持ちを持っている。

想い続けているものの、なかなか本気度が伝わらないでいた矢先、白樺は黒々組の顧問弁護士になることを決めた。

同じ世界に入ることを頑なに拒んでいた黒井だったが、心配していた予期せぬことが起き、学生時代から止まっていた二人の関係が、一歩前へ進むことになる。長年思い続けていた白樺の恋心はどうなるのかーー。

ゆくえ萌葱先生『白刃と黒牡丹』1巻:ネタバレ!?感想・レビュー

作品の魅力1:大きめのコマに感謝

私はいつも紙本で漫画を読んでいます。

その理由の一つは、電子だとコマが見にくくて、いつも拡大縮小を繰り返すから。w
単に老婆の独り言です・・・。でも、ゆくえ先生のこの作品、コマが比較的大きめで、アップも多いので、とっても読みやすいです。

先生は電子書籍を意識して描かれているのかもしれませんが、とにかく老眼が始まった老婆の私にとっては読みやすいサイズです。1ページの情報量は多くはありませんが、画力のある先生なので気になりません。

本の冒頭で説明がありますが、ゆくえ先生の非BLキャラであるブサメン(猫)が作中数カ所に隠れています。これが意外と見つけるのが難しかったです。全部探すまで何度も読み返してしまいました。w

そういう遊び心も、本そのものやキャラが全部、ゆくえ先生の創造作品として、楽しめるのが魅力です。

作品の魅力2:白樺の執着心と黒井の忠誠心

白樺刀麻(攻め)の執着心は明らかに描かれています。

黒井(受け)は、893の息子。子供の頃から、一人でいることが多く、友達もほとんどいない状態でした。

刀麻は子供の頃から黒井と仲が良かったこともあり、彼の大事な幼なじみという関係だった。成長するにつれ、黒井の状況も理解していった刀麻は、頭がいいにもかかわらず、黒井と同じ高校に進学し、彼のそばにいることを選びます。

この高校時代に、刀麻は一度自分の気持ちを伝え、体の関係を持ちます。が、どうしても黒井のそばに居続ける「約束」がほしい刀麻は、ある日を境に黒井と距離を置くことになります。

自分の立場を利用した黒井へのアプローチの仕方、想いが通じた時の刀麻の表情、その他もろもろ、通常の「好き」という気持ちを拗らせた、執着のような少し歪んだ愛情が、彼の中にはあります。

物語は、二人が37歳の時から描かれています。(結構歳だな、おいっ!)

高校生の時、二人は一時期関係を持ち、お互いを名前で呼んでいた仲でした。が、刀麻が距離をとってからの20年近くは、「黒井くん」「白樺」になっています。だからこそ、名前の呼び方は、二人の関係性のメタファーでもあり、37歳にしてゆっくり気持ちが交差していく過程がこのメタファーを介しても表現されています。

黒井はというと、刀麻の気持ちを受け入れるものの、はっきりとした好意は1巻では描かれていません。優しい心を持つ黒井は、親友を失いたくないという気持ちもあるので、刀麻の好意を受け入れるのですが、そこにはそれ以上の気持ちがあることも自覚している。ただ、それが愛情というよりも、忠誠心に近い形で描かれているのが面白いです。

刀麻だけが俺を見捨てなかった

引用:ゆくえ萌葱『白刃と黒牡丹(1)』, 2019

もちろん、そこには幼少時代から宿っていった愛情(compassion)があるのだけど、そこにこの忠誠心のような気持ちが絡んだ、心理的にも面白い二人の関係が描かれています。

作品の魅力3:脇キャラたち

あくまでCPの二人が中心ではありますが、若頭という設定のせいもあってか、黒井の周りには常に数人の舎弟たちがいます。彼らの存在も貴重ですし、お話そのものもしっかりと描かれています。

また、ブサメン(猫)も出てきますよ。隠れキャラですが。w

ゆくえ萌葱先生『白刃と黒牡丹』を今すぐ読む方法

ゆくえ萌葱先生『白刃と黒牡丹』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。

私がよく利用する電子書籍サイトは「ebook japan」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。

どちらのサイトでもすぐにサンプルを読むことができます。

ebook Japan:クーポンが魅力です。無料漫画も多々あり。

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まとめ

今回は、ゆくえ萌葱(もえぎ)先生の『白刃と黒牡丹』1巻をご紹介しました。

正直、派手な作品ではありませんが、絵にも魅力があり、お話も1巻でしっかりと完結しているBLです。さらっと読める作品をお探しの方におすすめです。が、二人の関係性や隠れた心理の歪みがほのかにあり、それを汲み取って考察するのも面白い作品でした。

2巻は黒井の心情がより濃く描かれ、より面白くなっています。

ゆくえ先生の作品は人気シリーズをいくつも描かれているようですが(世界観はほぼ繋がってますね)、この作品は今のところ2巻に収まっているので、読みやすいと思います。

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