こんにちは。
今日は、木下けい子先生の可愛らしい高校生シリーズ『好きだからキスしたの?』をご紹介します。木下先生の作品はどれもかわいらしいですが、特にこの作品はキラキラしたフレッシュな学生たちの奮闘が楽しめます。
作品データ
好きだからキスしたの?
木下けい子 Keiko Kinoshita
刊行年月:2016.09.15
出版社:大洋図書
どんな作品?
木下けい子先生のキラキラ高校生シリーズ『キスも知らないくせに』シリーズの2巻。
木下先生は高校生のキラキラした瞬間がお好きなようで、何作かかかれておりますね。
先生の作品はまだ数作品しか読んでおりませんが、BL初心者にはとても読みやすいし、少女漫画にも共通するふわっとした雰囲気が素敵です。
この2巻には、BL雑誌『ihr HertZ』2015年5月号〜2016年3月号まで連載されたものが収録。
舞台は神戸。2巻は、高校生の藤沢と1つ上の綾瀬がつきあうことになったところから始まります。初めてキスをしたけれど、キスの後は何が待っているのか。二人のはやる気持ちのアンバランスさ、不安、もどかしさなどが描かれた、青春もの。
深いドロドロな恋愛ではないので、癒しをお求めの方にはオススメのシリーズです。
このシリーズは3冊でており、これが2巻目になります。この1冊だけでも十分木下先生の作風を楽しめるでしょうし、絡みの少ないライトな作品なので、読みやすいです。
キラキラ高校生シリーズは以下の通り。
- キスも知らないくせに
- 好きだからキスしたの?
- キスよりやさしく
お話は1冊ごとにまとまっておりますが、続き物ですので、順番に読まれることをオススメします。
カップリング
攻め:藤沢蒼太(心優しい男の子。すごく繊細でちょっとウブだね。)
受け:綾瀬千洋(シンガポールからの帰国子女。はやる気持ちをコントロールできるか。)
あらすじ
1つ年上で同級生とつきあうことになった藤沢。夏休みがやってきて、綾瀬の家に遊びに行くのだけど、はやる気持ちを抑えきれない綾瀬と、綾瀬のことをあまり知らない藤沢の間にギクシャクした雰囲気が。
有貴、類も加えて4人でテーマパークへ遊びにいったり、一緒に過ごす時間はあるのだけど、いつも何かどこかうまくいかなくて… お互いの気持ちがまだ同じベクトルへ向いていない矢先、綾瀬の母親が急に日本に帰国してきたーー。
木下けい子先生『好きだからキスしたの?』のみどころ
作品の魅力1:気持ちの方向性
綾瀬と藤沢。二人の気持ちの方向、スピード感が全然違うところが魅力。
攻めの綾瀬は、思春期ということもあってか、藤沢とのアレコレばかり考えてる様子。w
何度かキスを重ねていくうちに、夏休みということもあってか、その先に進もうと気持ちがはやるところが描かれています。
一方、藤沢の気持ちは少しスロースピード。キスにも慣れてきたのだけど、それ以上の気持ちがまだ追いついてこない。そして、そんな矢先、有貴の意地悪もあって、自分が綾瀬のことをあまり知らないことに気づかされます。自分と綾瀬との関係は、友達なのか、それ以上、いやそれ以下なのかと、悩みます。
次のステップに進みたい綾瀬と、気持ちの整理が追いついていない藤沢の二人の関係。
当然、ギャップは広がっていくのだけど、近くなったり、離れたり、微妙な関係の揺れが続くのも、学生らしい。確かにもどかしくは感じるのだけど、学生の時って、ちょっとしたことでも不安になったり、不機嫌になったり、情緒不安定な感じ。2巻を通してそんな感じが続きます。
作品の魅力2:当て馬は… 有貴?
1巻は綾瀬と藤沢に特化したお話でしたが、2巻は類と有貴もよりフィーチャーされております。類は当て馬キャラになってしまうのかと不安だったけど、藤沢のいい親友のままでホッとしました。彼がよく藤沢を観察していて、また、彼をサポートしてくれているのも学生らしい環境。
有貴こそが当て馬キャラに当たるのかもしれないけど… 正直、彼のわがまま、嫉妬からくる意地悪さえ可愛く見えてしまいます。w そこまで意地悪じゃないし。
登場人物すべてがかわいすぎて、(ほぼ)みんないい人なんですよ。
だから、ただただ、カプの動向を追ってしまう。
木下けい子先生の作品は、正直、ドラマチックな作品というタイプではない。しかしながら、ほどよいリアリティ、そしてファンタジーのようなふわっとした作風が魅力だと思います。
このお話は特にキラキラした青春物語なので、先生の絵柄や作風がしっくりとくる作品。なので、意地悪なことが起こらなくてもいいのです。ただ、カプの二人がどうやって前へ進んでいくかがテーマなのです。
作品の魅力3:思春期の不安定さ
はっきりとは描かれているわけではありませんが、思春期のもどかしさ・不安定さが伝わってくる作品です。
攻めの綾瀬は、キスの次を知っている。そして、藤沢とそういう関係になりたくて、気持ちがはやります。同級生ではあるけれど、藤沢より1つ年上の設定。その年齢なら、そんなことばっか考えている年齢でしょう。w 頭の中はそればっかりかも。
一方、藤沢の方は高校1年生。まだ気持ちが追いついてません。気持ちはあるのだけど、大人のステップには、まだ疎い様子。
そんなことより、綾瀬のことをもっと知りたいのに、全然知らない自分は、綾瀬にとってどんな存在なんだろうかと、アイデンティティを探っています。年齢に関係なく、藤沢の性格からくるところもあるのでしょうか。
そんな二人の気持ちが噛み合わないところが、なんとももどかしく、でも読んでいて面白い。しかし、先生の作風もあってか、ひどいことは起こらず、ちょっとのいざこざですぐに落ち着いちゃうんですが……。(もっとこじれてもいいよ。w)
よく言えば、不安定な思春期の関係がよく描かれているのだけど、単行本で読むと、2巻は少し間延びした感じがしてしまうかも。でも、それが、学生ですよね。付き合い始めたのはいいけれど、次はどうする?初めての時、ちょっとしたことで不安になったり、あせったり… そんな微妙な関係を、木下けい子先生のかわいらしい絵柄で読める贅沢。ひどい人たちも出てこないので、癒しとして読むことができます。
木下けい子先生『好きだからキスしたの?』を今すぐ読む方法
木下けい子先生『好きだからキスしたの?』を今すぐ読む方法は、電子書籍です。
最初の数ページをサンプルで今すぐ読むことができます。
私がよく利用する電子書籍サイトは「コミックシーモア」かレンタル本が豊富な「Renta!レンタ」です。(どちらのサイトにもサンプルがあります。)どちらのサイトもBL作品の品揃えがよく、ほとんどの作品はサンプル立ち読みができます。また、無料で読めるBL作品がたくさんあります。
コミックシーモアは頻繁にクーポン割引ありで、オススメです。
Renta!は、レビューを書くとスタンプがもらえる機能などあり。
こちらの作品は、紙のコミックス『17 生徒』『好きだからキスしたの?』の発売時に実施された、応募者限定企画の小冊子が電子書籍化されていますので要チェックです!
どちらのシリーズも読んだ私にはうれしい。😊
まとめ
今回は、木下けい子先生のキラキラ高校生シリーズの2冊目『好きだからキスしたの?』をご紹介しました。BL初心者の方にはぜひ読んでほしい作家さんの一人です。ベテランの先生なので、過去作もたくさんあり、また現在も精力的に創作活動を続けている方です。まずは、高校生の青春ものが好きな方は、ぜひチェックしてみてください。
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